上昇、下降、再上昇:新年祭から始まった封鎖の為に、祭日期間にガリラヤ湖を訪れることはできないが、9月半ばの水位としては過去27年間で最高の水位となったことが不幸中の幸いかも知れない。
ガリラヤ湖都市連盟のデータによると現在の水位は-209.645mとなっており、上限水位まで84.5㎝不足している。現在の水位は下限のレッド・ラインまで3.355mある。
新年を迎え、過去50年間に記録された9月半ばの水位を比較してみた。そのデータによると1992年と1993年だけ9月16日に同様の水位が記録されている。2017年と比較すると約3.3mも水位が上昇していることが分かった。
最も水位が低かったのは2001年12月1日に記録されたもので、数年続いた干ばつの影響が出ており、その時には-214.87mが記録されている。この水位がブラック・ラインとして決定され、この水位から下がることは禁止ということになった。再度上限にまで近づいたのは2004年であり、上限レッド・ラインまで37㎝不足していた。ということは、2001年から2004年の三年間で5.5m以上水位が上昇したことになる。
●上限レッド・ライン
-208.8m:環境保護省に沿った上限レッド・ラインは、ガリラヤ湖の最大の上限水位である。もし水位がこれ以上上昇するならば、ティベリア市や周辺の居住区を含んだガリラヤ湖畔は氾濫することになる。その為に水位がこの上限にまで近づいてくると、キブツ・デゥガニヤにある水門が開かれて死海にまで放水する必要がある。
●下限レッド・ライン
-213m:ガリラヤ湖の最低水位が下限レッド・ラインである。下限レッド・ラインは環境を考慮して水位が決められており、下限レッド・ラインより水位が低くなった場合には、ガリラヤ湖の環境システムに影響を与え、水質が悪くなることが危惧されている。
●ブラック・ライン
-214.87m:数年続いた干ばつにより水道局では下限レッド・ラインを下げなければならない状況となり、2001年には214.87mまで下がってしまった。これは観測史上最悪の水位記録となり、ブラック・ラインと呼ばれるようになった。環境保護省によると-215.5m以上下がってしまうと、既存の方法ではガリラヤ湖から水を汲み上げることが不可能となる。