6,500年前:ベエル・シェバで発見された溶鉱炉が世界で最古?

 青銅製造工場が約3年前にベエル・シェバ市のネベー・ノイ居住区で発見され、世界で最も古い物であることが分かった。研究者達によると、ベエル・シェバが世界で初めて革命的な最新の工場として使用された場所かも知れないとのこと。テルアビブ大学と考古学局の新しい研究結果が、Journal of Archaeological Science Reports誌に発表された。今回の調査は考古学局のダナ氏、オムリー氏、ヤエル教授、タリヤ氏とデミトリー氏及び考古学研究所のイェフディット学者達によって行われた。

 今回の調査でベエル・シェバで発見された溶鉱炉は、世界で最古のものかもしれないということである。青銅製造初期では溶鉱炉というものが存在しておらず、石炭を燃料として携帯溶鉱炉として使用されていた小さい陶器が鉱山で使用されていた。ネベー・ノイで発見された青銅工場は、冶金学によって溶鉱炉が使用されいた最古の証拠であり、もしかすると溶鉱炉はこの地域で発明されたという可能性も高い。学者達の中では初期の溶鉱炉は地面に大きな穴が開いているだけのものと考えており、今回の溶鉱炉は他の場所で開発された鉱業をベースとした冶金学から直接進化したかも知れないとのこと。「古代のベエル・シェバが、世界の金属革命の進展に重要な貢献をしたことに疑いの余地はなく、紀元前5千年にはベエル・シェバは、この地域全体の技術都市であったと考えられる」とベン・ヨセフ教授は説明した。

 考古学局の発掘現場責任者であるタリヤ氏は、「発掘中に約6,500年前の青銅器時代の国内産業の証拠が発見された。発見物には青銅を溶かすための小さい工場、原石の破片、青銅をろ過させていた粘土製の小さい器や大量の青銅粉が含まれている」と説明した。青銅器時代に金属工場は存在していたが、石器の道具のみを使用していた。溶鉱炉の破片に付着していた鉱石の同位体分析により、青銅製造の原石はベエル・シェバから100km以上も離れたヨルダンのワジ・フィナンと呼ばれる場所から運ばれたものであることが判明した。研究者達によると、歴史を通じて溶鉱炉は実用的及び経済的な理由から鉱山の近くに設置されたが、ベエル・シェバの溶鉱炉と鉱山とのかけ離れた距離は、技術の秘密を保持するためになされたものではないかと推定している。「青銅の製造は当時のハイテクであり、古代にこれ以上賢い技術は無い。鉱石の塊を火に投げ込んでも何も起こらない。高温と最小限の酸素量提供を同時に可能とする特別な溶鉱炉の製造には、特殊な知識が必要であったことは明らかである」とベン・ヨセフ教授は語った。

 イスラエル国内の考古学遺跡には、ガッスライト文化と呼ばれる文明の証拠があり、ベエル・シェバ渓谷からレバノン南部まで分布し、芸術と信仰分野の業績で並外れたものであったとベン・ヨセフ教授は語った。「砂漠の住民はベエル・シェバのガッスライト文明の人達と交易し、鉱石を売っていたが彼ら自身はそれを取り扱うことが出来なかった。ベエル・シェバ川に沿って存在したガッスライト居住区内でも、専門家によって特別な工場で青銅が製造され、残骸の化学分析によって各工場に独自の混合方法があり、他の工場ともそれを共有していなかったことが分かっている。ベエル・シェバ川には当時水が流れていたため、溶鉱炉や他の設備にとって環境が青銅工場に便利であった」と教授は語った。今回の調査では、石器と青銅器を住民が使用していたガッスライト文化居住区の中でも、青銅製造に関する知識はエリート達だけの物であったことが判明している。「金属革命の初期には、金属の秘密は専門家組合のみが管理し、ベエル・シェバで発見された地区のように、ガッスライト文明居住区内にも金属製造地区のようなものがあったのが世界でも発見されている」と教授は説明している。

 今回の研究で研究者達は、都市ではなく地方の村のような居住区内に、地位や階層システムが当時の人口で存在していたのかが議論された。研究者達によると、6,500年前にベエル・シェバのネベー・ノイ地区に住んでいた住民達は、光沢材質の青銅製造によって力を保持し、専門分野と専門家の知識を備えた明確なエリート達の社会階層であったとみている。製造された青銅の道具は実用的ではなく、シンボル的な意味を持っていた。青銅の斧は斧として利用されず、芸術的又は宗教的に使用されていた石器の斧の代用であり、金属製の道具は宗教的なものに使用され、日常生活では石器が使用されいていた。

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