50万年前にガデラ地域で使用されていた「カッティング・ツール」 

 火打石で出来たカッティング・ツールが、ガデラの南東にあるレバディームの先史時代遺跡で発見され、動物の骨を正確に断裁するために先史時代の人間が利用していたことが明らかになった。このような研究結果がテルアビブ大学考古学研究所によって発表されている。

 PLOS ONE誌に掲載された今回の発見は、研究者達がカッティング・ツールに残っていた使用痕を分析し、ツールに残っていた有機残留物を調べることによって行われた。研究によると、当時野生ロバ、鹿や中型の牛などの動物の骨を断裁し、高カロリーの食べ物として考えられている骨髄を抽出していた。これらのツールはアフリカ、ヨーロッパやアジアなどの世界中の様々な考古学遺跡で発見されている。

 今回の研究はローマ大学研究者達の協力の元、テルアビブ大学のパルビア学者、ラン教授とアビアド学者によって行われた。「我々は長年イスラエルの先史時代遺跡の石器を調査している。重要な遺跡の一つがレバディーム遺跡で、現在より30万年から50万年前と想定されている。この遺跡では、素晴らしい状態で保存されている発見物が豊富にある。時が経つにつれレバディーム遺跡は、後期ホモ・エレクトス・タイプの人間が使用していたと想定されており、この場所がお気に入りの場所であったようで何度も行き来していたことが判明している。遺跡では象、牛、野生ヤギや野生ロバなどの様々な動物の骨が発見されており、原住民の食料として利用されていた」とラン教授は語った。

 研究者達は、レバディームに住んでいた住民達は、様々な使用用途の石器を含む、多様で効果的な石器ツールボックスを開発していたと主張している。一つが「カッティング・ツール」の重い火打石で、片方が処理されて鋭く、非常に重たくなっている。

 ラン教授によると、「約260万年前のアフリカで発見されたカッティング・ツールは、その後200万年間人間が辿り着いた場所まで一緒に放浪した。アフリカ、ヨーロッパ、中東や中国でさえも、先史時代遺跡の殆どで大量の石器が発見されており、この石器の重要性さを証明していると言える」とも語った。

 研究者達は使用痕、傷や50万年間残っていた動物の骨の有機残留物を検査し、53個のカッティング・ツールを解析した。また付近にある火打石からカッティング・ツールの自作を試み、それを使用して動物の骨を断裁する実験も行った。

 「原始時代の人間は、主に骨髄を抽出するために動物の骨を断裁した」とラン教授は語った。「これは高いスキルと精度を必要とする動作で、正確に骨を二つに断裁することだけが骨髄を抽出可能とし、骨髄の粉砕と損傷を防ぐことが出来る。今回の研究で、原始人の石器ツールボックスに関する我々の理解が深まり、当時の生活の解析、人類分布の追跡や人類の進化に新しい光を投げかけている」とも述べた。

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