ハナと研究員が読んでいるナツメヤシの木、西暦1~2世紀のクムランの洞窟から見つかった古代の種が芽を出して実がなった。環境学アラバー研究所の研究員達が、聖書時代のナツメヤシの実を2千年経って初めて味見した人達となった。
古代ナツメヤシの味とは一体どんなものであったのだろう?「大きなナツメヤシの木で、マジュール品種のように痩せた細い木ではない」とキブツ・ケトゥラにあるアラバー研究所現在農業センター局長のイライン学者は語った。「実は甘くて蜂蜜のような味を持っている。ナツメヤシはハーフ・ドライで、現在の柔らかい品種は冷蔵庫がある現代に合っていると思う。二個食べたけれどもとても美味しいし、来年はもっと良い実がなるかも知れない」と語った。
今回のナツメヤシ栽培は、イライン学者が行っているナツメヤシの古代品種の復活研究の数十年の結果である。「一房に111個の実がなった。これらの実の研究が行えるようにフランス、スイスや他の国々に送った」。
ニューヨークタイムズではアラバー研究所の成果に関する記事が今日発表される。「異常気象、汚染や恐ろしいほどの絶滅品種が起きている今日、長期間眠ってたものを再び復活させることはとてもシンボリックである」とサラ学者は同紙に語っている。
アダム、ボアズ、ハナ、ヨナ、イェフディットとウリエルと名付けられたこれらのナツメヤシは、1963年から1991年の間に死海にあるクムランの洞窟から発見された32個の種であり、1,800~2,400年くらい前の物であると想定されている。2005年に初めてマサダで発見された古代のナツメヤシが発芽し、オスの木をメトセラと名付けた。結果的にイライン学者とハダッサ病院の自然治療研究センター局長のサラ学者が、メトセラに合うメスの木を栽培することに成功して実がなった。
「この実を味わうことはとても感動する、何故なら実がなるメスの木を得られる保証はなかったからだ。ある意味これは奇跡とも言える」とイライン学者は語った。
「学者達二人で努力を惜しまずに働いた。数年もかかった後だけに感動も大きい。彼女達のことをキチガイと呼び、種から何も出ないと馬鹿にしていた人達もいる」とアラバー研究所副局長のアリーザ氏は語った。「古代ナツメヤシは今日市場で見られる品種と全く似ていないし、マジュール品種のように甘くはない。美味しいだけ運が良かった、だってこんなに努力して不味かったら学者達が可哀想」とも付け加えた。