10万回分のワクチンが返却:パレスチナ人がイスラエルとの契約を破棄

 約1億シケル以上の価値がある、百万回分以上のワクチンが廃棄されるのか?イスラエルがファイザー社製ワクチンの交換契約にサインした数時間後に、パレスチナ当局は契約の破棄を発表し、ワクチンの有効期間が今月末に切れるのが理由となっている。10万回分のワクチンは既にイスラエルからパレスチナ当局へ渡っているが、既に開けられた分はイスラエルも返却を受け付けないと予想されている。

 パレスチナ人の主張に反し、これ以外のワクチンの有効期限はもっと後になっていることも分かっている。先日譲渡されたワクチンは、6月又は7月末までの有効期限がある。これらを廃棄しないようにまずパレスチナ当局へ譲渡された。有効期限が切れる前のワクチンを与えるというのがイスラエルの今までの通常手段である。その為に、今後パレスチナ当局へ譲渡されるワクチンの有効期限は数か月後となっている。

 既に破棄された契約によると、百万回分から140万回分のファイザー社のワクチンがパレスチナ人へ譲渡され、今年の9~10月にその代償としてファイザー社から新しいワクチンをイスラエルがパレスチナ人の代わりに受け取ることになっていた。しかし現在パレスチナ人はワクチンの有効期限が今月中に切れると主張している。この契約の破棄の決定は、パレスチナ当局首相のムハマッド・アシュティヤが下した。

 契約破棄の決定は、有効期限が迫っているワクチンを受け取るある種の屈辱を感じたパレスチナ当局に対し、パレスチナ人の内部批判を避けるためであるとも見られている。同じような主張がイスラエルの保健省関係者の間でも語られている。これらの関係者によると、これは「パレスチナ人内部の事件」であるとのこと。最初に譲渡されたワクチンの一部は6月末まで、残りは7月末までの有効期限があると説明している。

 ラマッラのメイ保健大臣は、先日特別記者会見を開き、受け取ったワクチンを医療チームが検証し、必要な基準を満たしていないと判断してパレスチナ当局は受け取りを拒否したと発表した。またパレスチナ当局はファイザー社に対し圧力をかけ、同社から直接譲渡されることが同意されたワクチンの早急な供給を要請するとのこと。

 前述のようにパレスチナ人は、イスラエルから受け取った10万回分のワクチンも返却すると発表した。イスラエル保健省によると、もし箱が開封されているのならば返却は受け付けないとしている。しかしもし返却されたとすれば、保健省ではそれらを全て破棄するのかとの新聞記者への質問に対し、ニッツァン保健大臣は回答を避けた。譲渡されていない100万回分のワクチンも今後どうなるかは不明である。イスラエルは1回分のワクチンに約100シケル(3千円)支払っている。もしこれらすべてのワクチンが廃棄されるということになると、約1億シケルの無駄となる。

 契約破棄以前にも、これに関する意見の相違が目立っていた。パレスチナ保健大臣は、イスラエルとファイザー社との三角交渉の枠内で、パレスチナ当局はエルサレムが提示した条件を拒否し、それによると「パレスチナ国家」という名前で契約が署名されないことであり、またパレスチナ当局はワクチンの一部をガザに譲渡しないという要求であった。保健大臣は、この契約はイスラエルとではなく、ファイザー社のみとの契約であると強調している。

 先日の総理府、保健省と国防省の共同発表により、今回の契約が公開され、イスラエルが持っているワクチンの在庫は、今日のニーズを満たしていることが許可された。「関連団体の推奨に基づき、本部の努力と必要な許可の取得後に、イスラエルにあるファイザー社のワクチン100万回分から140万回分がパレスチナ当局に譲渡されることが決定した」。

 新しいホロビッツ保健大臣は、先日契約の公開と共にパレスチナ保健大臣と会話し、今後の協力への期待を明らかにした。「コロナは国境も民族間も見分けない。ワクチン交換は双方にとって重要なものである。このような双方の協力が、他の分野にも表れることを信じて願っている」とも語っていた。

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