1,500年前にネゲブ砂漠のブドウ産業を襲った疫病

 ビザンチン時代のネゲブのゴミ捨て場から集められた種に基づいたイスラエルの調査により、1,500年前に栽培者に大きな経済利益をもたらしたブドウ産業が、疫病と気候変動によって起こされた激動の時代を経験していたことが判明した。コロナ禍の中でイスラエルの研究者達は、政治的または経済的システムが制御不能な激動の瞬間に即座に影響を受けるものだということを発見した。

 アメリカのアカデミー・マガジンPNASに発表された研究には、疫病の結果1,500年前にビザンチン時代のネゲブの土壌で栽培された商用のブドウ産業が衰退した、最初の実証的証拠をイスラエルの研究者達が発見したことを伝えている。

 バルイラン大学、ハイファ大学と考古学虚の研究者達によって発表された研究内容は、世界経済を揺さぶっているコロナ感染と世界が闘っている時に発表された。ビザンチン時代のネゲブ・プロジェクトの枠内で、シブタ、ニッツァナ、ハルーツァ、アブダットやマムシットなどのような重要な中心都市であり、ネゲブでの農業集落がいつ、何故放棄されたのかを理解することを追求している。

 当時の印象的な石造建築物は多大な文化的豊富を示しており、研究者達は想像もできない場所からその証拠を集めてきた。ゴミ捨て場である。「古代のネゲブ遺跡のゴミ捨て場には、陶器、動物の骨や植物の残骸など住民の普段の生活からのゴミの豊富な記録が含まれている」と、ビザンチン時代のネゲブ・プロジェクトの共同マネージャであるハイファ大学のガイ教授は説明した。

 イスラエル研究学部とバルイランの考古学部の博士課程学生であるダニエル氏は、ビザンチン時代の町のゴミ捨て場から多くのブドウの種が見つかったため、古代のブドウ産業に起きた変化を調べる目的で研究に携わってきた。「当時の農家はパンを製造するために麦を植え、小さい規模でワイン製造用のブドウ、果物と野菜を栽培していた。ある日彼らは輸出用に素晴らしいワインを販売することが可能だということを理解した。それからブドウ畑が商用農地として使用され、ゴミ捨て場におけるブドウの種と作物の種との割合が大きく変化していった。4世紀から6世紀半ばまでの間にブドウの種の量が特に増大しており、それ以降は突然激減している」とダニエル氏は語った。

 バルイラン大学考古学植物学研究所所長のエフード教授は、今回の研究ではハルーツァ、シブタとニッツァナのゴミ捨て場11か所から発見されたブドウ、小麦と大麦の種を約1万個調査したと説明した。「これらの種を研究する特殊な能力が我々にはある。イスラエル国内で今日までの全ての発掘場所から発見された国立種コレクションと、今回の発見された種とを比較することができる」と教授は語った。

 ネゲブの遺跡で発見された大量の「ガザ瓶」は、ガザの港までラクダの背に載せてブドウを運搬するために使用されたものであり、ネゲブで発見された「サック瓶」の量より多い。「ガザ瓶の量の増加とサック瓶の量の減少は、ブドウの生産量の変化に適応している。ネゲブの商用のブドウ産業は地中海商業と密接しており、1,500年前の国際的商業」経済があったことを証明している。今日でもこのような状況は前代未聞の経済発展をもたらすが、同時にちょっとした衝撃で大きな打撃を受けやすい」と考古学局古代陶器専門家のタリー学者が説明した。

 一例として6世紀半ばにはブドウ栽培と輸出の劇的な減少を説明する幾つかの衝撃的な事件がある。一つは人口の大半が死んだユスティニアヌス・ペストである。「ペストの第一波の死者によって20%の需要減少が起きたがネゲブにはペストが到達せず、ガザと他の海岸線での商業は行われていた。もしペストがネゲブに到達していたならば、農家の労働力の低下が供給に大きく影響を与えていただろう」と研究者達は語った。

 もう一つの衝撃的な事件とは、535年末か536年初頭に起きた火山の噴火であり、噴煙によって世界に気温低下を起こし、ヨーロッパには干ばつと地中海には豪雨をもたらした。「ネゲブの古代商用ブドウ産業の増大と減少は、6世紀半ばに衰退がはじまったことを証明するものが発見されている。衰退はイスラム教徒が征服した年より100年前に起きており、ネゲブの農業集落は多大な打撃を受け、近代文明になるまで再興することができなかったと考えられている」とバルオズ教授が説明した。

 ブドウ産業での急激な減少の主な可能性は二つあり、疫病と気候変動であると研究者達は想定している。コロナ禍の中でイスラエルの研究者達は、政治的または経済的システムの弱点は、制御不能な激動の瞬間に即座に影響を受けるものだということを証明している。「今日とビザンチン時代での相違点は、ビザンチン時代の人達は何が襲ってくるか知らなかったことだ。今日我々は疫病の次の拡大と、気候変動の影響に備えることができる。問題は我々が本当にそれができる頭脳があるかどうかだ」と研究者達は語った。

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