1万3千年前のフーラ湖バレーの漁師の秘密

 フーラ湖が源泉となるヨルダン川の岸辺にあるヨルダン川階段遺跡で実施された新しい考古学調査により、古代フーラ湖バレー住民が、古代フーラ湖の同じ岸辺に、数万年間何度も訪れていた証拠が発見された。ヨルダン川岸辺の重要な他の古代遺跡のように、この遺跡でも希少な考古学発見物が保存されており、数千年間地方住民がこの遺跡に何度も訪れた理由を、研究者達が復元することを可能としている。

 先日公表された研究では、釣り針を使用した世界で最古の証拠が発見され、それには様々な物質が取り付けられて、釣り針自身が疑似餌になっていた。研究結果には、網の為の石灰岩で出来た重し、魚の大量の骨、釣り針やその他の発見物が含まれており、古代漁師の世界を特殊な形でのぞき込むことを可能としている。PLOSONE誌に掲載された論文で研究者達は、ヨルダン川階段遺跡に於ける1万3千年前の素晴らしい発見物を描写している。この研究は、テルハイ・アカデミック・カレッジのガリラヤ学問計画責任者のゴネン教授を筆頭とし、アメリカ、ドイツ、イタリアとイスラエルの研究者チームを率い、釣り針やその他の発見物の様々な側面を検討した。

 「学術的な研究により、フーラ湖の古代漁師たちが使用していた、漁業技術の詳細を復元することを可能とした。3Dスキャンの技術と、超高性能マイクロスコープの使用により、釣り針を製造した最新技術を復元することに成功した。釣り針は動物の骨で出来ている。各釣り針自身が芸術作品であり、この世に唯一の物であり、各釣り針のサイズも様々で、形状も違い、針先の様々な形状の使用や返し部分は現在の釣り針でも見出すことは出来ない。これらの釣り針は、小さいアイテムを非常に高度な穴あけと磨きの最先端技術を使用して製造していた。驚いたことに、古代技術復元の専門家達と実験を試みた時に、現代漁師達は、近代的金属ツールを使用しても、古代技術を模倣することに成功しなかった」。

 この研究で発見された興味深い側面の一つは、釣り針と重しを結ぶために、古代漁師達が使用していた結び方の復元であった。研究者達は、古代漁師達は植物性の細い糸を使用していたことを発見し、とても複雑でスマートな結び方を使用し、釣り針を失わないように、樹液製のノリを使用していたことさえ確認した。

 それ以外にまた、淡水でも釣り針を使用していた世界で最古の証拠を発見し、釣り針自身に様々な物質が付けられて、釣り針自身が疑似餌になっていた。それらの物質とは、髪の毛や羽毛などであり、釣り針を虫のように見せさせ、餌無しで魚を引き付けるためであった。「これは最もスマートな漁業方法であり、完璧な完成レベルと共に、釣り針の様々な形状やサイズ、及び様々な太さの糸は、古代漁師達は近辺の魚の特性に熟知し、各魚の種類に適応した方法で釣っていた。ある意味、金属製釣り針のデザインと、ナイロン製の糸の使用以外では、現代漁師達は何も目新しい物を発明していないということが言える」とゴネン教授は語った。

 この遺跡では、魚の大量の骨も発見されており、研究者達に古代釣り針で釣られた魚の種類を確認することを可能としている。魚の骨と主に歯の研究により、一部の魚は巨大で2m以上の長さがあり、勿論釣り針ではなく、違う技術で捕獲されたものである。魚の骨の中にはマスも発見されており、古代フーラ湖に数万年前から生息していたことの証明である。

 研究者達によると、フーラ・バレーの古代住民の経済に於ける、魚と水資源の中心的存在を理解することは、非常に多大な重要性があるとしている。この研究では、フーラバレー古代住民の経済に於ける、沼地の貝殻やその他の水資源と共に魚の中心的存在は、主に人類史上で最大の激変を理解することに貢献しており、生活の基本とした農業への移行である。

 ヨルダン川階段遺跡のナトピア住民は、最後の狩猟採集民族であった。彼らは、定住生活も含む農業ライフスタイルへ移行しようとしていた。この移行には多くの課題があった。遺跡周辺での集中的な搾取(採集や狩猟)により消滅した陸上の植物や動物とは異なり、魚が全て消費されることは絶対にない。その為に水資源は、最初の定住住民がどのように消費される資源との課題に直面し、その後に農業をベースとした経済の発展に成功したかを説明することが出来る。

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