聖書律法のオメルの数えをカバラー神秘主義に変えた


 その数千年後の17世紀に、この律法は特別な意味を持つこととなり、ユダヤ教祈祷に関するラビ・イツハック・ベン・ルリアのカバラー主義と、ツファットのカバラー主義者達の多大な影響があった。カバラーによると、人間の行いと律法実行時のその人の意図は、世界が創造された時に「壊れた」神の上部の世界を「修理する」ことが出来、直接影響を与えるとされている。

 これらのカバラー的思想のお陰で、オメルの数えの律法にその他のアイテムが突然付け加えられ、7日間を7週間繰り返すことへの特別な神秘的意味をもたらすこととなった。カバラー思想を受け入れて理解することにより、信者達はオメルの数えを理解し始め、数える日々の毎日に精神的な意味を注入することとなる。7週間と7日間は、自然な形でカバラーの7個の下部数えに関連付けられ、上部の世界の中で人間にとって最もアクセスしやすい単位として認識された。このように「オメルの数え」という名称は、カバラーの数えという用語へのつながりを作り上げた。

 祈祷書にもたらした、ラビ・イツハック・ベン・ルリアのカバラー主義による新しい神秘的な焦点は、同グループに属していない多くのユダヤ教徒達の間でも人気を博し、カバラーを深く学ぶ限定されたサークルをはるかに超えて影響を与えたのも確かである。直ぐにオメルの数えの特別祈祷書版が出版され、手書きで美しく描かれた挿入図で作成され、全ては律法を美化させ、人々にオメルの数えのカバラー的意味に集中させることを手助けする為であった。

 ラビ・イツハックのカバラー主義は、頻繁に既存のユダヤ教儀式にも神秘主義をもたらし、特にユダヤ教神秘主義の上部世界の様々な要素を統合することを目的とした「意図」に関してであった。カバラーはまた、教育水準の高いユダヤ教徒達と低いユダヤ教徒達が共に参加した儀式や祈祷を作成し、普及の役割も果たしていた。

 ラグ・バオメルに向けて国立図書館は、17世紀にオメルの数えの律法に対する熱意が高まって強くなったことを反映した、祈祷書の幾つかのサンプルを一般公開している。

 「ラビ・イツハックの手紙から手書きされた注解書、ハイム・ヴィトル、ヨセフ・エベル・トゥーボルとその他」の写本に基づいた写真は、ラビ・メナヘムが1610年に用意したものだ。ラビ・メナヘムはカバラー主義者で、17世紀の重要な研究者であり、彼以前のカバラー注解書を偶然に写本していた。

 この注解書は、ラビ・イツハックのカバラー主義で最も重要な起源の一つであり、ラビ・メナヘム自身も彼以前のカバラー主義者達を批判することに躊躇していない。あるページでラビ・メナヘムは、ラビ・イツハックのカバラー主義によるオメルの数えの意味を説明している。右側に「秘密」と記した大きな文字が見られ、その後に「オメルの数え」と記している。

 手書きの小冊子は、カバラー主義の意図を含んだオメルの数えの特殊祈祷のみだけに用意された。これらは祈祷時、又は律法実行時に人々が善意を持つことを手助けするように考えられた数多くの文章が含まれている。

 今日スロバキアの首都であるブラチスラバ市で作成された1734年の手書きの祈祷書には、オメルの数えに関して非常に重点を置くことを編集者は決定し、多くの祈祷が含まれた完全な祈祷書であるにも関わらず、必要以上に何ページにもかけて記している。

 「聖別と共に安息日の夜の賛美、月への聖別、料理の混合とオメルの数え」と題された手書き本の中に、通常にはない短い祈祷の多様なコレクションがある。ここには朝や昼の毎日の祈祷は無く、時々唱えられる特別な祈祷のみとなっている。

 例えば「月への聖別」は、新月後の最初の日々だけの月に1度だけ唱えられ、料理の混合は金曜日と重なる祭日のみに実施される律法である。この手書き本を作成した者は、たまにだけ唱えらえる祈祷を強調したかったようだ。ここにも過越し祭と初穂の祭の間だけ実行する律法の「オメルの数え」に関連した祈祷に捧げられた特別な部分がある。

 またイタリアの思想工芸品で飾られた、オメルの数えの律法のみの小さい飾られた祈祷書もある。多分所有者はこの祈祷書をポケットに持ち、過越し祭と初穂の祭の間毎日唱えられるオメルの数えの特殊祈祷を忘れないようにしていたようだ。

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