約3千年前のイスラエルの地で銀不足が起きた証拠が発見

 紀元前1,200年から起源前950年まで、イスラエルの地を含んだレバント地方で重大な銀不足問題が起きていた。ハイファ大学とエルサレムのヘブライ大学が行った共同研究で証拠が発見された。同時期にイスラエルの民がカナンの地に移住をし、非常に少量の銀と高い割合の銅から構成された銀の塊が造成されることとなる。

 ハイファ大学のアイェレット教授の指導の元、ハイファ大学のツィラ氏の博士課程論文の一部として行われたこの調査の枠内で、研究員達はイスラエル国内8か所で発見された銀の塊を調査した。ベテシャン、メギドとアシュケロンなどでも発見された宝物であり、紀元前1,200年から紀元前950年の間のものと考えられている。同期時にヒッタイト王国とミケーネ王国が崩壊し、エジプトもその影が薄くなった。この時期は、レバント南部の不安定が特徴的であった。予想の一部によると、ハランからカナンの地に移住が起きた理由の一つでもあるとされている。

 研究員達によると、同時期にはまだ硬貨が鋳造されておらず、様々な形をした銀の塊や銀の破片で取引が行われていた。その為銀の含有量がとても重要であった。ツィラ氏の博士課程論文とその他の研究の枠内で同じ地域でそれ以前の時代、紀元前1,900年からのものは100%の銀で出来ており、それ以降の時代も同様であることが分かっている。

 これらの宝物の化学成分を研究員達は調査したところ、主に銅で構成された合金であり、一部の銀の塊は同の割合が80%にまで達していた。研究員達はまた、これらの合金にはヒ素などの物質も添加されており、銀のような色を付ける為であったことを発見した。研究員達によると、偽物であるかどうかの明確な証拠は無いが、これらの金属を銀の色に似せさせようとする故意的な試みがあったという事実は揺るがないものであるとのこと。「金属を銀色に色塗りする故意的な試みがあった事実の他に、これらの宝物の銅の含有量はとても高く、どの塊も同じような量のヒ素を含んでいた。これはとても組織的な活動であり、偽物であったという想定が強い」と研究員達は述べた。

 この地域の状況に関する歴史的な知識とこれらの新しい発見を元に、研究員達は紀元前1,200年から紀元前950年の間に、レバント南部地域に銀色の金属はもたらされたものではないと予想している。銀の塊は取引ではとても重要な役割であったので、最初は偽物が使用されたかも知れないが、年月が経つにつれて銀不足が深刻化し、銀と銅を混ぜることが必要であり欠かせないものとなっていたと考えている。

 研究員達は、銀に含まれている鉛のアイソトープ検査を通じ、少量でもこれらの宝物に含まれていた銀が何処から来たのか調べてみた。この検査によって原産地や時代を理解することが可能となる。これらの銀の塊に行われた検査の結果、銀の原産地はセフェル地域からであったが、今回の検査で銅はティムナが原産地であったことが判明した。

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