約1万年前にイスラエルを襲った巨大津波

 イスラエルとアメリカの研究者達が行った最近の調査によると、今から約9,910年から9,920年の間に、イスラエルの海岸線を巨大津波が襲った痕跡が発見された。テル・ドール付近で行われた発掘をベースとした調査で、Plos One誌に掲載された。研究者達は、同時代の砂と貝殻のサンプルを調査し、津波の高さは16mから40m、海水は内陸1.5kmから3.5kmまで浸水したと想定している。

 この調査に参加したハイファ大学海洋文明学科のアサフ教授は、「カリフォルニアのサンディエゴ大学のパートナー達、トム、ディック、ギレアド、ハイファ大学や他の大学の私や他の人達は、今から1万年前の最古の津波の痕跡を発見した。海岸線近くの地滑りが津波の上昇を招き、海岸線を越えて3kmの内陸部まで達していた。当時の海水の水位は現在の水位より16m低く、内陸部まで侵入するにはとても強く巨大な波であった。ドール付近の海岸で行ったボーリングでこれらの痕跡を見つけ、ドールは今日海岸線に位置しているが、当時は海水の水位が低かったことから、内陸3kmの地点に位置していた」と語った。

 教授によると、巨大な津波の痕跡が最近発見されたとのこと。「海岸線の近くで砂と貝殻を見つけるのはとても簡単だが、約3kmの内陸部でもこれらを発見した。どうやってそこまで達したのか。我々の復元ではとても巨大な津波で、貝殻や砂を3km地点まで押し流し、津波の原因になったと見られる同時代の海中の大規模な地滑りの痕跡も発見した。新石器時代の周辺に住んでいた住民に多大な被害をもたらした」とも語っている。

 アサフ教授によると、この巨大津波の痕跡は偶然に発見されたとのこと。「ロバを捜していたのに女王を見つけたような感じ、実際に古代の気候がどのようであったのか、気候変動の痕跡を捜していたのに津波を発見した。植物の花粉であるビーポーレンや動物の骨を探していたら、突然そこにあってはならない海産物を発見した」。

 このような津波が再度起きる恐れはあるのか?アサフ教授は、「なんでも起こりえる。地震もあるが、ここでは地震は稀だ。これらの出来事はとても希少なもので、こんな津波が地中海で起きるのは最も希少だ。地震の原因が普通かと思われる。約3,700年前のカブリにあるカナン人の宮殿で起きた地震を発見した。地震の方が危険で恐ろしいが、津波も地中海で起こりえるリスクであるが、多分他の天災よりかは危険ではないと思われる」と語った。

 今回の研究の重要性に関しても語った。「今回の調査の重要性は、とても遠い時代に起きた出来事をどうやって認識し、古代の人間社会にどのような影響を与えたかを知ることである。当時農業が始まった初期であり、また家畜を飼い始め、この津波は畑をつぶし、土地を塩漬けにし、ヤギ、牛や羊などの家畜に打撃を与えた。とても大変な出来事で、今日起きていたらどのような影響を与えるのか。それを知るのは困難かも知れないが、この津波の後でも人間は生き残ったというのが興味深い。社会は残り、経済を復興させたのは良いメッセージでもある。とても大変な出来事が起きても人間は忍耐強いというのが分かる」とも説明している。

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