砂漠を恋する:エイラット山脈と町周辺の自然(前)

 エイラットの上にそびえ立つ赤黒い山々は、南部リゾート地の単なる背景だけではない。エイラット山脈周辺の巨大な自然公園は面積約41万5千エーカーで、北はウブダの谷から南はタバ国境まで、東はアラバー道路から西はエジプトとの国境まで広がっており、息が止まるほどの景色、特別な野生動物や砂漠のど真ん中でリフレッシュな水浴が出来る水溜まりまで提供してくれる。

 深いレッド・キャニオンを歩き、大きな岩を発見し、一度に4か国を展望し、フラミンゴ、渡り鳥や巨大なトカゲに会い、又はサンゴ礁を潜って見たいことに興味がある人達。エイラットが観光アイランドとして再開された今日、エイラット山脈と町周辺の自然への旅行に出かけてみよう。

 エイラット山脈の地域は、ネゲブ砂漠全体で二番目に高い山々になっており、急こう配の山頂は800mから900mの高さに達している。この地域ではイスラエル国内で発見されている最も古い岩盤が露見しており、最も古いものではカンブリア以前の時代のものであり、今から約10億年前と推定されている。

 エイラット山脈から突出している黒色の岩盤の隣には、赤色のヌビアン砂岩も際立っており、ペトラの「レッド・ロック」のお陰で有名になっている。砂岩は岩盤が風化した砂から造られ、数百年前にアフリカから流れていた巨大で強力な川によってここまで運ばれてきた。その後砂岩に渓谷やキャニオンが造られ、そこでの旅行はイスラエル以外では見られない特殊な景色や魅了的な地質学的現象を発見する。


●ヒョウ狩りをしていたキャニオン

 シェニー川にあるレッド・キャニオンは、エイラット山脈の中で最も美しいトレイルになっており、このトレイルは川の中に深さ約30mの赤色砂岩の谷と、素晴らしい曲線の中を歩けるようになっている。キャニオンは一部狭くなっていて、数メートルの幅しかない部分もある。古代ではこのキャニオンの中で、子羊や子ヤギを入れた石の箱を餌にして大きな石で退路を防いでヒョウ狩りをしていた。

 キャニオンでのトレイルは少々困難で、梯子を使って降りたりパイプの手すりを使って移動する、その為高所恐怖症の人にはお勧めしない。ここへ到着するには、12号線を北に向かって走り、エイラットから約20km行くとレッド・キャニオンの標識がある場所を右折し、古いパトロール道路に入る。普通自動車でも行ける砂利道に入り、二股に分かれているところを緑色の印が付いている道に沿って走っていくと約400m先に駐車場がある。

 駐車場から緑色のトレイルに沿って歩くとレッド・キャニオンの中に直接入れる。キャニオンの中では水のない3個の滝を手すりや梯子を使って降りていく。川が段々と狭くなるが、約200m行くと広い部分に到着する。そこから右に曲がって黒色のトレイル(ショート・コース)に沿って歩き、また緑色のトレイルに戻るので同じ道を歩いて駐車場に帰る。

 又は緑色に沿って約1km歩く(ロング・コース)と広い川底の部分に到着し、急な角度で右に曲がっている黒色のトレイルまで歩いて行く。黒色に沿って歩くと狭い川底の緩やかな坂を上り、足元には息をのむほどの崖がある。約800m歩くと高い滝に到着し、黒色のトレイルはその左側の急こう配の場所を上っていく。この坂は短いがとても急で滑りやすいので特に注意しながら上り、最後に高い岩で出来た階段があるので、手足を使って慎重に上ること。

 登りきると崖に沿って約150mトレイルを歩き、また広い川に入って約500mの緩やかな坂道となり、トレイルの交差点まで歩いて行く。交差点で赤色のトレイルに入り、そこから約1km歩いて行くと駐車場に戻って来る。


●巨大な球根岩

 エイラット山脈の北部には、ケイダル川の球根岩畑もある。この畑はネゲブ砂漠の中央にあるチン山の有名な球根岩畑と比べるととても小さいが、ケイダル川の球根岩はイスラエル国内で最大であり、並べてみればチン川のはビーズ玉にしか見えないくらいだ。

 球根(学名はジャガイモ)岩の名前が付いた丸い岩の塊は、イスラエル国内で自然保護と定義された少ない無生物の一つである。イスラエル全地を覆っていたテティス海の底で数百万年前に出来た岩で、その中心には有機物の残骸(魚の骨など)があり、その周りにカルサイトのミネラルが円形状にくっ付いて硬化した。ケイダル川では、大きな海洋生物の残骸の周りにミネラルが結晶化したので、一部の球根岩は直径が1m以上にもなったと考えられている。

 この球根岩畑に到着するには、エイラットから12号線を北上しウブダ渓谷に向かう。約4km行くとサヤリーム・ジャンクションに到着するのでそこを左折し、普通自動車で走れる赤色の砂利道に入る。約1.8km行くと砂利道の交差点に到着し、左折して黒色の砂利道に入る。そこから1.1km行くと狭い駐車場に到着するので、その近くに巨大な球根岩があるのが見えてくる。

 エイラット山脈の他のトレイルとは違い、ケイダル川は軍の演習場となっているので、週末と祭日しか行けないようになっている。ケイダル川を訪問したい人達は、事前にイスラエル軍南部調整部隊(08-9902926)に連絡を入れておくこと。


●ブラック・キャニオンと岩柱の上のアカシアの木

 エイラットから10km離れたところにあるシュホーレット・キャニオンも美しいトレイルで、火山の溶岩で出来た数千万年前の岩の中にある。キャニオン自身は洪水でできたのもであり、レッド・キャニオンは赤色であるのに対して、シュホーレット・キャニオンでは赤色以外に黒色とピンク色が混ざっている。

 ここに到着するには、エイラットからアラバー道路を北上し、普通自動車で走れる青色の砂利道に入るとアムラム・ピラーに向かう。約2.5km先で左折すると緑色の砂利道に入り、シュホーレット・キャニオンへの標識に沿って走る。約3km行くとキャニオン入口の駐車場に到着する。

 駐車場から緑色のトレイルに沿って歩き、数分すると高い色とりどりの石の壁の間に入る。シュホーレット・キャニオンでも石で出来たヒョウ狩りの罠、化石や貝が見られるようになっており、この地域を数千年前に覆っていた古代テティス海の面影が見られる。

 数分歩くと約2mの高さの岩階段に到着し、梯子で楽に上られるようになっている。その先にももっと高い大きな岩階段があるが、それらもそんなに困難ではない。

 約1.5km歩くとトレイルの交差点に到着する。「イスラエル・トレイル」は左折するが、我々は右折して赤色トレイルを行く。上っていく途中に、エドム山脈とエイラットの息が止まるほどの景色が見られ、その後トレイルはもう一つ穂トレイル交差点に下っていく。そこを右折して黒色トレイルに入り、赤色の広いスペースを約600m歩くと駐車場に戻る。

 エイラットに戻る前に、もう少し旅行を続けてもう一か所のチャーミングな場所、アムラム・ピラー観光をお勧めする。青色の砂利道に入った分かれ道まで車で戻り、左折してアムラム・ピラーの標識に沿って走ると約7分で駐車場に到着する。

 黒色のトレイルに沿って駐車場から約600mを歩くと、赤色砂岩に水の浸食で出来た素晴らしい模様付いている、ティムナのソロモン・ピラーに似た高さ15mの美しい印象的な柱に到着する。この地域では古代に採掘されていた青銅の鉱山に関係する古代の建物の遺跡が発見されており、青銅の採掘によって出来た穴や洞窟が点在している。

 このピラーの名前の由来は、この近くを流れているアラビア語の川「ワジ・アムラニ」から来ており、その意味は建物がある川という意味で、ヘブライ語ではアムラム川となった。ピラー近くには「ヨケベデの丘」と呼ばれた丘があり、モーセの母親でありアムラムの妻でもあった名前である。

 シュホーレット・キャニヨンからエイラットに戻る途中でもう一か所興味深い場所は、シュホーレット川で復元された採石場で、エイラットの入口の税関検問所の近くにある。アラバー道路から来る途中で右側に不思議な景色が広がっており、岩柱の上に生えている綺麗なアカシアの木が見えてくる。

 2012年11月には、この破棄された採石場がイスラエルの次の観光地になると考えられていた。採石場復元基金によって復元工事の第一段階が終了し、洪水が採石場跡の穴に深さ3mの湖を作り、数千人の人達が訪れるマリン・スポーツのメッカとなった。

 しかしエイラットの北の入口を洪水から守るために、基金とアラバー下水川当局との協力によって、上流の水溜まりから水が流れるように変えてしまい、再度湖が出来ないようにしてしまった。その後残ったのは岩柱に生えているアカシアの木だけで、砕石工場はこれらの木を保護することを義務付けられたが、ブルドーザーがその周りの土を削ってしまった為に今のような特殊な光景に変わってしまった。

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