砂漠を恋する:エイラット山脈と町周辺の自然(中)

●素晴らしい展望台と唯一の泉

 エイラット山脈の最も有名な展望台は「4か国の展望台」であり、そこからエイラット湾を囲んでいる4か国、イスラエル、エジプト、ヨルダンとサウジアラビアが展望できる。しかし4か国の展望台と呼ばれている展望台が数か所存在しており、普通自動車でも辿り着けるようになっている。朝日や夕日の時間帯にこれらの展望台に行くことをお勧めする。

 最もお勧めする展望台はヨアシュ山の山頂で、高さ701mとなっている。この展望台からはシナイ半島、アカバの町、エドム山脈、サウジの国境北部などが展望でき、ヨシュパテ山、ツファホット山やアーサ山なども展望できる。この戦略的な場所には1949年まで、この地域全体を監視していたヨルダン軍の監視所があり、エイラット占領までの道の障害物となっていたが、ウブダ作戦でイスラエル軍が占領することに成功した。

 この場所にはエイラットから12号線を北上し、約7.5km走るとネタフィーム検問所(新しい検問所)がある。ゲシュロン川に左折する標識がある(青色)。左折すると砂利道を上り、急こう配の場所に到着する。普通自動車でも注意すれば通れる道だ。上に3段になっている駐車スペースがある。その駐車場からアンテナが立っている展望台までは、とても急な道を歩いて上ることになる。

 ゲシュロン川に左折する400m手前に、12号線から東(エイラットから右折)側にヨーラム山のキャンピング場があり、「イスラエル・トレイル」を歩く旅行者の最後の宿泊場所となっていて、コラル・ビーチ自然公園でトレイルが終了する。青空で宿泊(無料)することに興味がある人達に最もお勧めするキャッピング場で、自然国立公園がエコロジカル・トイレや飲料水などの設備を設置してくれている。ここからもエイラット湾と周辺諸国の素晴らしい展望が出来るようになっている。

 エイラットに戻る前にまだトレイルに興味がある人は、ヨアシュ山への砂利道の入口近く12号線の近くに車を置いて、そこからエイラットで唯一の泉であるエイン・ネタフィームまで歩いて行ける。

 エイン・ネタフィームは、点滴のように泉が湧いていることからこの名前で呼ばれているが、年中水が枯れないこの泉はこの周辺に生息する動物にはとても重要な飲料水として利用されており、この小さい泉のプールに夜中動物が集まって来る。その為にこの場所に夜中行くことは禁止されており、人間が近くにいると動物が気配を感じて近寄ってこないからだ。

 車を置いた砂利道から約200m12号線に沿って北上し、左折して黒色のトレイルに入り、ネタフィーム川に降りる坂道を下っていく。1km弱歩くと川底に到着し、黒色と緑色のトレイル交差点に出る。左折して緑色のトレイルに入り、ちょっと通過するには困難な場所になるが、狭い岩の割れ目があって通りやすいように岩階段が設置されている。

 岩の割れ目を抜けるとネタフィーム川の高い滝に到着し、その麓に泉から湧き出ている水が溜まった小さな岩のプールがある。そこから緑色のトレイルに沿って「イスラエル・トレイル」(赤色のトレイル)との交差点まで歩いて行く。そこを右折してイスラエル・トレイルに入り、12号線の車を置いた場所まで南下していく。

 トレイル散策中に景色を見たい人は、ツファホット山に行くことをお勧めする。この山の山頂は他と比べて低いが(278m)、エイラット山脈で最も南部に位置している山になっており、ここから展望できる景色は他と比べても劣れることは無く、「4か国の展望台」の一つにも選ばれているほどだ。

 ツファホット山に行くには幾つかの道がある。一番お勧めで簡単な道は、2台の車を必要とする。到着地点であるコラル・ビーチ自然公園の付近か、自然国立公園のエイラット・フィールドスクール付近に車を残し、もう1台の車(又はタクシー)でラクダ農場の近くにあるソロモン川キャンピング場まで行く。

 キャンピング場から緑色のトレイルに沿って歩き、ツファホット川に入って行く。約1.3km行くとイスラエル・トレイルとぶつかる。そこを南(左折)に曲がり、800mほど行くと青色のトレイルにぶつかるので、そこをツファホット山山頂に向かって左折する。そこからイスラエル・トレイルに沿ってなんかしていくとコラル・ビーチに到着する。

 もう一つの道はイスラエル・トレイルを使って山頂まで行く方法で、コラル・ビーチとエイラット・フィールドスクールのトレイルから北上していく。約1.5km行くと山頂近くでトレイルが二つに分かれており、そこでイスラエル・トレイルから外れて右折すると青色のトレイルに入り、約100m行くと展望台に淘汰y九する。その後同じ道を戻って来る。この方が歩く距離は短いが、とても困難で急こう配の上り坂があり、健脚な人にしかお勧めしない。

 もう一つの一番困難な道は、エイラット南部にあるホテル・ゾーンのエメラルド通りから3km歩く道で、青色のトレイルがツファホット山山頂まで続いている。その後イスラエル・トレイルに沿って南下してコラル・ビーチまで戻って来る。この道もとても急こう配な上り坂があるので、健脚な人にしかお勧めしない。


●アフリカのような鳥、ドラゴンとサバンナ

 イスラエル独立以前には、現在エイラットの町がある場所にはウム・アラシュラシュという名の小さいベドウィン居住区しかなく、その後ここにはイギリス警察所が建設された。この地域の残りの部分は「魔法の森」となっており、12平方キロメートルに及び塩の沼地で、アカシアの木、葦、緑豊かな植物があり、渡り鳥に避難所と多くの食料を提供していた。秋になるとサハラ砂漠までの3千kmの旅直前に、渡り鳥達の最後の給油場所として塩の沼地が利用され、ヨーロッパの寒さからエチオピアの食料が豊富で温かい湖まで移動していった。

 ダビッド・ベン・グリオン首相は1934年にこの地を訪れ、この不毛の沼地を国際的な港町に変えようと夢見ていた。年代と共にエイラットの急速な開発により、沼地は致命的な打撃を受け、沼地の消滅は数十種類の渡り鳥にとって災難となった。1990年代にキブツ・エイロットの農家が、アルファルファ畑に物凄い数の鳥が集まっていることを報告し、生態系に起きた災害の規模が理解された結果、一部の沼地を復元させて野鳥パークを建設することが決定した。

 このパークでは、鳴き鳥の自然観察ステーションが運営されており、ヨーロッパとアジア北部からイスラエルにやってきて、冬の間はここに残っているオガワコマドリもいる。このパークでは他に、ヨーロッパヨシキリ、オニアジサシ、ハチクマ、カイツブリ、サギ、セイタカシギ、オバシギ、またこの砂漠地帯に生息しているミニハチクイも観測でき、エイラットの渡り鳥コースを守ることは何故世界的に必要なのかが理解できる。

 このパークはエイラットの都市観光協会、ユダヤ基金、自然保護協会と自然公園当局など、幾つかの組織が協力して建設され、入場は無料となっている。毎朝パークでは、目的地まで十分な食料があるかの観察検査を数十匹の鳥に行っている。

 このパーク内では、望遠鏡を借りて個人で無料で回ったり、又は1時間半のガイド付きツアーに参加してテレスコープで鳥を観察することも出来るが、大人35シケル又は1家族100シケルとなっている。詳細はパークのHP

 そこから少し北に行くと、アベローナ自然公園の近くの塩田に、ここを生息地にした約500匹のフラミンゴを見ることが出来る。通常フラミンゴは冬にイスラエル上空を通過し、いつもここに残る訳ではない。フラミンゴは塩水のカニ類を主に餌としており、それによって鳥の色がピンクとなる。この場所の入場も無料だが、標識に記されている注意事項をよく守り、鳥の邪魔にならないように気を付けること。

 フラミンゴに出会ったら、アベローナ自然公園を訪問することもお勧めする。約40エーカーの面積を有しており、南は塩田から北はラモン空港まで、西は12号線から東はヨルダンとの国境まで広がっている。この自然公園を形成する景色は、アカシアの木のサバンナと、塩性土壌に強い構造をした特殊な植物と古代遺跡の間を移動するネゲブ鹿の群れとなっている。アベローナでは古代に巨大な農場があったことが分かっており、この地域にはいまだ古代の建物の遺跡が散らばっている。

 この自然公園では、世界で最も北端に生えるエジプト・ドーム・パームがあり、以前ここに大量に生えていたヤシの木の一部であると考えられている。野鳥パークの近くや、シナイ半島の三か所、ビール・スワイール、タバとヌエバにもドーム・パームが生えている。知られている限りでは、その次に一番近い場所でこのヤシの木が生えているのはエジプトの海岸線で数百km離れている場所である。ドーム・パームはアラバー道路の東側に位置しており、塩田に通じる道路から約2.5km北にある黒色の砂利道を通って到着できる。

 野鳥パーク近くにはもう一か所興味深い自然地区があり、「アガマトカゲの地」と呼ばれた約140エーカーの小さい自然公園にエジプト・トゲオ・アガマが最も密集している場所で、巨大な爬虫類で長さが80センチにまで達することもある。よく言えばコモドドラゴンのイスラエル版だ。冬の時期になるとトカゲは地下の寝床で過ごし、夏になると外に出て活動を開始する。

 この地域は以前違法廃棄物投棄場所であったが、アラバー道路の拡大準備により、自然国立公園の監視員であるダニー氏が、通常ではない大量の穴を発見した。ユダヤ基金がこの希少な爬虫類を守るために自然地区開発に寄付し、国道会社やエイラット市も支援してくれた。

 この小さな自然公園には約100個の穴があり、トカゲの密集度が高すぎて穴同士の距離が数メートルしかなく、砂漠の他の場所では通常30mから40mは離れている。もしかすると、この周辺にあった生息地が破壊されたことにより、この場所にトカゲが密集したのかも知れない。

 アラバー道路からアラバー国境へ入り、約150先で舗装された道路を右折する。また約100m行くと左側に赤色の砂利道が見えてくるので標識に沿って走っていく(普通自動車でもOK)。南へ下り、ロデッド川の排水溝を渡ると自然公園入口の標識が見えてくる。この遺跡の南側にももう一つの入口があり、アラバー道路に比較的新しく出来たロータリーから到着することも出来る。然公園内に車で侵入しないように低い木の杭が道を防いでおり、トカゲの穴を壊さないようにしている。駐車場から黒色のトレイルが出ており、低い丘で荒野と野鳥パークが展望できる「トカゲ展望台」にまで到着できる。

 エイラット付近のもう一か所のお勧めする場所はオランダ・パークで、名前とは反してアフリカのサバンナを思い起こさせる場所である。イスラエルで最南端の森となっており、オランダのユダヤ基金支援者達の寄付によって植樹された約1万本の木が植えてあることからこの名前が付いた。砂漠地帯の豊富な植物が、このパークを鳥やウサギ、キツネや爬虫類などの野生動物をおびき寄せる場所となっている。

 このパークでは約2.5kmの長さのトレイルがあり、エイラット周辺のサイクリング・コースの一部となるチャレンジ・サイクリング・ロードもある。パークに入ってから約400m行くとトレイルの交差点があり、ここを右折して水路の淵を上っていくことを強くお勧めする。約150m歩くとエリック・展望台に到着し、そこからパークの景色やエイラット山脈の巨大な玄武岩の塊で、325mの高さにそびえ立つシャフモン山が展望できる。

 パーク内の特別な植物の中には、エジプト・ドーム・パームや、アフリカ大陸のサバンナで典型的なバウバウの木があり、水を溜める為の太い幹が特徴的だ。アフリカではサルがバウバウの実を餌としており、そこから「サルのパン」という名前も付いている。パークの敷地内では特殊な花も咲いており、冬の終わりに咲くグレウィア・ヴィロッサ、冬と春に咲くクレオメ・アラビッカや、春先にパーク内を抜ける川を赤色に染めるルメックス・シプリウスなどがある。

 アラバー道路からエイラットに入る入口のロータリーを西に約200m行くと6日通りがあり、大きな駐車場を右に入る。パークの入口の標識は、駐車場の西側約100mの所にある。

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