海外でユダヤ教改宗を開始、しかしイスラエルでは認めず

 アメリカの知人で女性がユダヤ人、男性が異邦人というカップルがいた。男性はアメリカでユダヤ教への改宗を始め、1年間ユダヤ人として過ごすという最後の段階だけが残っていた。

 しかしカップルは改宗の全過程が終了する前にイスラエルへ移住することを決心し、改宗が終わるまで待てない様々な理由があった。イスラエルのユダヤ教師最高議会は、男性が海外で始めた改宗をイスラエルで終了することに同意せず、全て最初からやり直すように要求してきた。男性は改宗を終了したかったにも関わらず、その回答を聞いて改宗の継続を断念した。

 カップルの子供達はユダヤ教徒の学校へ通い、同様にイスラエルでもユダヤ教徒学校へ通わせていたが、この事件が起きて以来ユダヤ教から遠ざかるようになった。これに関するユダヤ教の考え方とはどのようなものなのか、このような場合には改宗者を支援して応援してくれるのか、それとも全く正反対に今回のような結果になるのか?コハブ・ヤイールに住むラビ・シュムエル・シャビラに質問をしてみた。

●回答:

 この質問は痛い内容であり、時には苦悩する内容だ。ユダヤ教は改宗者を受け入れることを急がないし、時には受け入れないこともある。ユダヤ教の掟には、「義の改宗者をどのように受け入れるか?ある者が他の宗教から改宗したいとやって来て、彼と確認しても反対する理由が見つからず、何を見て改宗を決心したのかと確認する。イスラエルの民は常に緊張感に立たされており、弾圧され、苦しめられ、迫害を受けているのはご存知かと尋ねてみる。それに対して彼が知っているけれども改宗したいと言うならば、直ちに彼を受け入れる」(ラムバム)。

 つまり最初から改宗者に圧力をかけて脅しをかける、これも改宗したいという気持ちが本物であるかどうかを確認するためで、義の改宗者であると判明したならば直ぐに受け入れる。ユダヤ教の原則の勉強を開始し、その後割礼して沐浴する。

 しかし改宗の理由が他の事である場合は改宗者を受け入れず、「正しい律法とは、改宗者がお金を得る為に、又は力を得る為に、又は恐怖心から改宗するのかを確認し、改宗者が男性ならばユダヤ人女性の為ではないこと、もし改宗者が女性ならばイスラエルの民の男性の為ではないことを確認することである。もし反対する理由が見つからないならば、トーラーの苦しみの重みと異邦人ならば律法を実行する必要もないと説明し、それでもそれらを受け入れ、理解し、他人の為に改宗するのでないならば直ぐに受け入れられる」。

 ユダヤ教が本物の宗教であると発見し、真実を知るために改宗しようとする者もおり、勿論このような人達は心から受け入れられる。しかし殆どの改宗者達の理由は、ラムバムが否認している理由である。奥さんと子供達の為に男性が改宗したいというような場合には、直ちにその場で拒否される。

 しかし色々な歴史的原因で混血が増えた、主にロシア系でユダヤ人ではない人達のイスラエルへの帰還者が増加したため、理由が純粋ではなくても相互の歩み寄りとして改宗させる方向性がある。その理由はイスラエル国内で異邦人の帰還者の子供達との混血を防ぐことでもある。実際に政府は数年前に「改宗管理局」を創設し、多くの障害を排除して楽な改宗を手助けしようとしているが、それでも掟の原則を遵守し、最小限の律法を遵守する必要はある。

 今回のケースでは、改宗過程を容易にする余地があったと思う、何故なら海外で殆どの過程を通っており、延期や拒絶は改宗自体を中止させる恐れがあり、その結果この家族はユダヤ教の背景で暮らすことが無くなり、それはとても残念なことである。

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