律法、習慣とコロナ:安息日明けから始まる神殿崩壊日


 この日には、全員が5つの断食を行う義務がある:飲食、入浴、油塗、性交、及び革製の靴を履くことである。これらの断食以外に、追悼習慣も厳格化されている:昼まで椅子に座ってはいけないこと、「シャローム」と祝福してはいけないこと、追悼から気をそらすような無意味なことをしないこと、急用ではない仕事などは、全て昼までやってはいけない。

 この日は聖書の勉強も無く、ミカ書、又は破壊の注解書、又はヨブ記のような人類の苦難に関したテーマなど、神殿の破壊に関したテーマを学ぶ。

 医師が断食を許可しない病人は、自分自身を厳格化することは出来ない。断食出来る者だけであるが、薬はいつもの通りに服用する必要がある。もし薬の服用に水が必要であれば、少ない量を飲むように努める(コップの4分の1以下)。

 子供は断食する義務はなく、大贖罪日の学校のように、断食日にも学校は無い。

◎安息日明けから始まる神殿崩壊日

 今年は神殿崩壊日が日曜日であり、既に安息日明けから開始するので、この日を「ビジョン安息日」と呼ぶ。この日に関連する律法に留意することを必要とさせる。

●第三の食事

 ラビ達は、第三の食事では「王国時の完全な食事でさえも食べることは可能とし、つまり、神殿崩壊日前夜当日であったとしても壮大な食事であり、毎回の安息日のように肉とワインを多く振る舞う。多くのラビ達は、日中に食事を終了させる必要があると考えており、つまり日没前であり、毎回の安息日のように夜中まで食事を延長させることは必要ない。その為にゆっくりと食事が可能となるように、昼の祈りを早めに終わらせる。夜の食事は19:47分までに済ませること。

 この食事では、お祝いの習慣を行わないと考えている人達もおり、中には友人達とも食事を一緒に食べない。しかし毎回の安息日の習慣のように、これは許可されており、公衆の面前で追悼を見せないようにするためである。

●革靴を脱ぐ

 この律法は、夜の祈祷の「祝福せよ」祈祷後に、革製の靴を市民が脱ぎ、安息日に追悼の兆候を見せることは禁止されているからである。これと同様に聖日から平日への準備にもう一つの問題が存在しており、シナゴーグにゴム製の靴を持ってくること、祈祷中に革靴に触れることなどである。その為に多くの場所では、夜の祈祷の終了後に脱ぐようになっている。

 安息日が明けた後に、各自は自宅でこう祝福する:「聖なる日と平日を分け隔てる祝福された方」。その後安息日の服と靴を神殿崩壊日用のものと取り換える。

◎コロナ禍の神殿崩壊日律法

●断食

 コロナ禍での神殿崩壊日指示は、チーフラビイツハック・ヨセフが定め、発症しているコロナ感染患者は、断食は免除されている。発症していない感染者に関しては、ラビは断食するべきと定めており、「病気にならないように食べるよう医師が伝えた者、この場合には大贖罪日の割合で飲食すること。もし医師が患者であると伝えた者は、通常通りに飲食すること」。

 またラビは、隔離者も断食の義務があると定めた。後遺症がある回復者に関してチーフラビは、断食できるか医師と相談することとと伝えている。

 断食中に発症したと感じる者はどうすればいいのか?「断食中に、高熱、咳、味覚、嗅覚の損失などの症状が発症した者は、直ちに断食を止めること」とラビは定めている。

 イスラエルのチーフラビであるダビッド・ラオは、去年のコロナ禍の神殿崩壊日に、感染患者を断食から免除する律法を定めており、感染が証明されていない発症患者も同様であるとした。感染して回復したが、倦怠感がある者も断食しないと定めている。

 もし38度以上の発熱がある者は、コロナ感染者と判明していなくても断食をしない。隔離中で発症していない者は断食をするが、もし倦怠感があるならば割り当てられた率(9分毎に37立方センチメートル)の水を飲んでもよいが、それでも倦怠感が悪化するようならば飲み食いが許可される。しかしラビは、神殿崩壊日の食事は必要であって楽しむものでは無く、その為に1食に付き1品だけを食べ、それ以外の追悼の習慣は守ることとしている。

●入浴

 チーフラビイツハック・ヨセフは、「発症している者に対しては、神殿崩壊日の水浴は許可される。手を水と石鹸、又はアルコールジェルなどで消毒することは、手を清めることが目的ならば許可される」と定めている。

 去年はユダヤ教ラビ達は、神殿崩壊日に手を洗うことは禁止されているにも関わらず、石鹸と水で手を洗うことを許可し、特に念入りに連続することを許した。これは疫病感染を抑制することを目的とした許可で、「ハミラ、サカンタ、ミイスーラ」(アラム語の諺で、人命に危険がある場所では、律法以上に注意への義務が遵守されることを定めている)。このテーマに関する律法は、チーフラビ自身が定め、「特に衛生には注意すること」と強調している。

 ラビ達は、「マスクを免除する法的許可はなく、人命を守る律法からもこれは義務となっている。シナゴーグでの提唱者と朗読者は、マスクを着用する義務がある」と定めている。最近室内でのマスク着用義務が再発効したことは覚えておこう。

●祈祷

 チーフラビイツハック・ヨセフは、群衆の祈祷を行わないよう呼び掛けており、屋外での祈祷を優先し、祈祷者の中に未接種者がいることも言及している。これいよって保健省の指示以上に厳格化している。「もし可能であるならば、良い影と空気を確保し、祈祷者の頭上に熱い太陽が注がないようにし、祈祷する為に清潔で整頓された場所となるように可能な限り整え、椅子、祈祷書などを用意すること」としている。

 チーフラビはまた、哀歌の朗読も短縮し、室内で長時間滞在しないよう呼び掛けている。

◎哀歌には多くの詩があるが、全てを読む必要があるのか?

 コーシェルの巻物から、哀歌を読むのが習慣となっている。この場合には朗読前に、「

巻物の朗読について」祝福する。哀歌には、数世代かけて編纂された多くの哀歌がある。大多数は難しい詩文であり、ヘブライ語が上手な人でも理解に苦しむ。気持ちを多く持つために、哀歌を歌うのは短縮すること。多くの場所では選択した哀歌のリストがあり、ホロコースト犠牲者記憶に関係した哀歌も追加されている。

◎妊婦も断食するのか?

 妊娠9か月目であるが、神殿崩壊日に断食する義務があるのか知りたい。

 神殿崩壊日の断食は、他の断食より厳格化しており(タムーズの月第14日目、テベットの月第10日目、グデリヤの断食とエステルの断食)、断食は前夜から開始するが、他の断食は朝からのみだ。神殿崩壊日には5つの事が禁止されており、飲食、入浴、革製の靴の使用、油塗と性交であり、他の断食は飲食のみが禁止されている。

 神殿崩壊日の断食の厳格さは、大贖罪日のものと相似している。しかし両者には違いがある:大贖罪日の断食は聖書に記されており、神殿崩壊日の断食は預言者や賢者達の決まりである。我々は神殿が再建される時にこの断食が無くなるものと信じて期待しており、第二神殿時代も同様であった。

 この違いが断食の厳格化にも違う関係をもたらし、つまり必要となれば免除も多いという意味である。シュルハン・アルーフには、「幼児と授乳させる母親は、大贖罪日の断食で神殿崩壊日の断食をカバーすることが出来る」と定めている。しかし最近のラビ達は、今日の人や女性は昔より弱くなっており、断食は母体や胎児に悪影響を与える恐れがある為、断食を免除するようになっている。

◎授乳させている母親に関しては?

 通常断食はとても大変で、今回は2か月の幼児を3時間ごとに授乳させており、この場合の律法は?

 律法では、授乳している母親には大贖罪日と神殿崩壊日の断食のみ義務付けている。しかしその両者に相違がある為、必要となれば神殿崩壊日は免除される。

 授乳している母親の断食の最大の問題は、断食日後にミルクが出ないことである。この問題は母乳を搾乳し、冷蔵庫で保管することによって解決することが可能である。

 妊娠中の女性や授乳中の母親は主に律法で断食するが、もし医師が断食を許可しない場合、又はとても倦怠感がある時には免除される。ラビと相談するよう勧める。

◎軍事作戦中の兵士に関しては?

 軍事作戦中の兵士、また靴を履かなければ歩くことが困難な者は、普段の靴を履いて良いこととなっている。作戦中の兵士は、もしその活動に障害が発生するならば、飲食も革靴を履くことも許可される。

 

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