パレスチナ当局は、西岸地区とガザ地区の市民へワクチンを獲得する努力を強化している。当局ではワクチンを製造している4社と交渉中で、同時にワクチン供給に関してイスラエルにも圧力をかけている。
パレスチナ保健省では、ロシア製ワクチンを緊急過程で承認し、来月初めて供給を受ける予定である。中東ではパレスチナ人が初めてロシア製のワクチンを受け取る予定であるが、どれぐらいの量が供給されるかはまだ定かではない。
パレスチナ当局はワクチン製薬会社のアストラゼネカ社、ファイザー社とモデルナ社3社と交渉をしている。パレスチナ首相であるムハマッド氏は、全社からのワクチンが3月までに供給されると期待している。パレスチナ当局は、夏の初めまでに西岸地区とガザ地区の人口70%に相当するワクチンを受け取る計画である。
同時にパレスチナ当局は、発展途上国にワクチンを寄付するWHOのCOVAX1に入れてもらうことを同意してもらった。この計画により、パレスチナ人は、ガザ地区を含む人口の約20%に当たるワクチンを供給してもらうこととなる。これらのワクチンは、医療関係者やリスクにある人達に充てられる予定でもある。
ワクチン供給に関するパレスチナ当局の努力は、ラマッラの保健省を通じて大きな関心を引いている。市民に対しパレスチナ当局が闘って自身の力でワクチンを獲得したことを示すことに興味があるようだ。
パレスチナ当局が製薬会社と交渉をしながら、イスラエルに対して「占領者としての責任を負え」という世界中のNGOに対してメディア攻撃を行っており、自国の国民のみではなく西岸地区やガザ地区へのパレスチナ人にもワクチンを供給するように要求している。
この要求は世界の各国から追い風を受けてはいるが、どのアラブ諸国も、どの西洋諸国も、先進国であるイギリス、ドイツや湾岸諸国も含めて、どこもパレスチナ人に供給しようとボランティアするものはいない。
しかしイスラエルでは自国の人口の殆どが接種を受けた後に、パレスチナ人にもワクチン供給支援をすることを考慮し始めている。パレスチナ人のワクチン接種は、西岸地区や数万人のパレスチナ人がイスラエルへ出稼ぎに来る両者が入り混じっている今日、イスラエルにとっても有益なこととなっている。