コロナはお祭りの伝統をも屈させた。閣議では昨日、完全封鎖中に他人のスッカー(仮庵)に滞在することも含め、他人を自宅に滞在させることを禁止する規制を承認した。また違反者への罰金は500シケル(約1万5千円)と決定した。
この規制はスーコット祭日中と、お祭りが明けてからの二日後(10月12日)まで有効となる。ただしこの規制は同居している家族は対象とならない。
同時に閣議では電話会議に於いて、公共空間での滞在規制と運動の規制を14日間延長することも承認された。よって明日無効予定になっていた二つの規制は10月14日まで延長されたこととなり、完全封鎖を政府が決定した期間より3日間延びたこととなる。カホール・ラバン政党の3人の大臣達はこれに反対した。
大臣達に対しては、「毎日悪化している感染拡大状況と重症者数の拡大は、最低でも今後2週間の感染状況を減少させる為に有効な手段を継続・実施していく必要がある」と伝えられた。
また大臣達は今日から7日間、外出規制と同様にデモや祈祷に参加するのも自宅から1km以内の範囲という規制を承認した。それ以外に公共空間では、デモ、祈祷、宗教行事に於いて、屋外では20人以上が集まってはいけないこと、また2mのソーシャルディスタンスを遵守することが決定された。
人の集まりに関してはその規制を警察が取り締まることとなっており、警察の指示に従わない者には罰金を課し、人の集まりを理由があれば合理的な方法で解散させることもできる。
これらの規制が有効となる数時間前を利用し、数百人の人達がエルサレムの首相邸宅前とテルアビブでネタニヤフ首相に対するデモを行った。テルアビブの重要な交差点では300人が封鎖し、その後ディーズンゴフ通りまで行進していった。
警察はテルアビブのデモ隊に対して違法のデモであると伝え周辺を封鎖した。現場ではデモ隊と警察との衝突が発生し2人が拘束されている。エルサレムの首相邸宅付近では、約200人が道路を封鎖し警察が罰金の警告を伝えた。
保健省の発表によると、昨日の新規感染者数は8,919人となり最高記録。6万5千件以上のPCR検査が実施され、陽性率は13.6%で7.3件に1件陽性ということとなる。重症者は810人、呼吸器付は206人、死者は1,571人、9月だけで625人が亡くなった。現在感染者数は68,811人、イスラエル人口の約2.7%が感染し、37人に1人が感染者であり、イスラエルが感染率が世界で5番目という結果となった。
昨夜のコロナ会議では、ネタニヤフ首相と首相代理で国防大臣であるガンツ氏との間で怒鳴りあいにまで発展した言い争いが起きた。ネタニヤフ首相は封鎖強化と、外出制限距離を1km以下にすることを要求した。「今回の封鎖からの解除はゆっくりと段階的に行われ、半年から1年かかる恐れがある。第一波の時のような早急な解除はしない」とネタニヤフ首相は発言した。
運輸省大臣のミリー氏は、封鎖が感じられないことを理由に外出制限距離を100mから200mまで下げることを提案し、これにはエネルギー省大臣のユーバル氏も200mに賛成している。これに対して「我々は市民をクレイジーにしている。1km以内ということで保留すればいい」と発言した国防大臣のガンツ氏に対し、ネタニヤフ首相は「我々が市民をクレイジーにしているとお前が言うな。データによって決めていることであって、感覚で決めていることではない」と反論した。
◎規制内容
●外出規制は自宅から1km以内
●フライトは封鎖以前にチケットを購入した者のみ
●デモと祈祷は自宅から1km以内で人数制限あり
●公共機関は最低限の運行数
●個人のスポーツであれば制限なし
●仕事は必須な職場のみ許可
●ビーチは運動以外は滞在禁止
●屋外では20人まで、屋内では10人まで