信者ツアーにラビたちのボイコット:ホテルのロビーにキリスト教のシンボル

 観光業ではここ数カ月間コロナ危機と苦戦しており、致命的な打撃を回避するように努めているが、新しい挑戦に立ち向かっている。イスラエル北部のラビ達が、ユダヤ教徒と信者たちに厳密コーシェルの宿泊を提供しているティベリアの近くにあるマグダラ・ホテルに対し、同ホテルは主にキリスト教徒の聖地旅行用であり、キリスト教徒のオーナーには布教目的があるという理由でボイコットを出した。その結果この問題に関して専門家と宗教家達の間で論争が起き、一部は同ホテルの滞在はユダヤ教的にも許可されている矛盾する意見を発表している。

 この論争は、コロナ禍でキャンセルされたギリシャやキプロス島への旅行代わりに、イスラエル国内での宿泊を用意したカハナ・グループ社の決定によって起きた。同社社長のヨニー氏は、同じようにコロナで打撃を受けて海外からの旅行者が来なくなったミグダルのホテルと交渉し、同社のユダヤ教徒の顧客の為に食事のコーシェル化、謙遜なマナー、祈祷と聖書勉強を適応させてホテルを借り切った。

 ただしミグダルのユダヤ教代表であるラビ・シュムエル氏が「同志の安否に関する通知と警告」を発表し、その中で「ユダヤ教の律法と聖なる聖書の戒律によると、同ホテルでの宿泊と主催者との協力は固く禁ずる」と公示し、理由として「同ホテルは偶像崇拝で一杯の場所であり、残念ながら主催者はその件に関して故意的に無視している」とのこと。

 カハナ社の顧客の殆どがユダヤ教徒であり、そのためにラビ・シュムエル氏は「我々のラビ・メルバビッチの確固たる意見では、このような事柄には特に慎重に注意を支払うことが要求されている。このホテルに宿泊する者は重大な禁止事項を破る者であり、命を守りたい者はこの場所から遠ざかれ」と明記している。

 この警告書にはユダヤ教徒律法研究所のメンバーで、ユダヤ教裁判所の前高等裁判官であったラビ・グデリヤフ氏も賛同しており、同ホテルに関して聞いた内容を元に詳細な意見を発表している。「このホテルは全てが偶像崇拝であり、これは禁止されたことだというのは最も明確である」とし、主催者に関しては「この場所に宿泊することを勧める者は多くの信者を汚すことになり、将来的に主催者に対してどうするかを決定する必要が出てくる」とも書いている。

 これらに対してヨニー氏は、レホーボット市のチーフラビであるラビ・ヨナタン氏に反対意見を依頼し、ラビがこの件を調べた結果ホテルには突出するようなキリスト教のシンボルは無いと判断した。記者もマグダラ・ホテルを実際に訪問したが、全くシンボル的なものは見つからなかった。ラビ・ヨナタン氏によると「同ホテルでの宿泊は問題なく、ユダヤ教徒がこの場所を聖別するのは重要である」としている。国内でのキリスト教布教活動反対グループのオール・アッヒームもこのホテルには問題がないと決定している。

 ヨニー氏の賛同者の中には、今回の警告書は他のビジネス利益があるためにユダヤ教の禁止律法が出されたと予想しており、一部はこの警告書に反発して逆にホテルに宿泊することを決心した者たちもいるとのこと。一人は弁護士のアビシャイ氏で、このボイコットを知って自宅からホテルへ赴き、何が問題なのかを自分の目で確かめに行った。「一時間半かけてホテルに到着し、どんな状況なのかを見に来たが、巷の噂や憶測で聞いたことは何一つ見つからなかった。今回の警告書には全く違う理由があると思われるし、存在しない十字架の為に出た警告書ではない」とも語った。

 マグダラ・ホテルオーナーのアロン氏は、警告書に書かれた内容を全て否定している。「ホテル内にはキリスト教のシンボルは全く存在しない。信者やイスラエル人も皆宿泊している。漁師達の町であったマグダラ遺跡には古代のユダヤ教シナゴーグと、神殿に関するシンボルも発見されている」と語った。

 アロン氏は自分自身も祈りの箱を毎日付ける信仰心を持ち、キリスト教の布教には全く関与していないと語った。「皆今を生き残り、従業員を戻したいだけだ。ホテルは海外からの顧客が来なくなり、主催者には海外へ行くはずの顧客が国内に残ったという相互のニーズを顧客の為に見つけただけだ」と説明している。

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