コロナの影響で2か月半も閉鎖していたホテルとレストランが明日(27日)から再開する予定になっている。しかし状況が以前のように戻らないのであれば、経済的に悪化している多くのホテルは閉鎖されたままとなる。再開するにしてもまだ未承認の政府が決める概要を守らなければならない。
イスラエル全国に17軒のホテルを有するダン・チェーンホテルでは、コロナ感染者を収監していたテルアビブ・ダンパノラマホテル以外に、エイラットのダンホテルと死海のカエサル・リゾートホテルのみを再開し、夏に向けて徐々に他のホテルも再開する予定となっている。
「エルサレムなどのホテルは海外からの観光客がベースとなっており、フライトはなし、観光客はなし、2週間の隔離はあるという現状が変化しない限りは再開する意味がない」とダン・チェーンホテルの社長ローネン氏は語った。現時点ではイスラエル人が利用するホテルのみを再開するが、2019年度のような状況に戻るには2~3年はかかると同氏は見ている。
「ホテルの再開は嬉しいが、お祝いする理由はない」とホテル組合会長のメイール氏は語った。今月は420軒中70軒のみが再開予定であり、国内旅行の需要に希望を託しているが、それだけではホテルを再開するには経済的に困難だとも語った。「イスラエル人は週末だけ泊りに来るかもしれないが、ホテルを再開するほどの人数ではない。経済的に厳しい状況であるホテルは、実際に再開することに利益性があるかどうかを見極める必要がある」。
飲食店関係者も入り混じった感情で再開準備をしている。「再開は簡単ではない。多くの店は封鎖したままであり、再開しても1か月後には経済的に困難となり、店じまいする人達も出てくるだろう、本当に今後どうなるか見えない」とテルアビブで3軒のバーを経営している娯楽組合会長のヒラ氏は語った。
ホテルとレストランの再開を二日後に向かえても、まだ政府ではその概要が承認されていない。「こちらは既に準備は終わっている。政府が概要を承認しなければ水曜日もどうなるかはわからない」と同氏は語った。
レストラン組合会長のシャイ氏は、ネタニヤフ首相に対して早急に政府が概要を承認するように文面で伝えた。「皆十分に耐えた、どうやって準備すればいいか知る必要があるし、現状は昨日今日で起きたことではない。この長期間政府は何をしていたのか、あまりにもこの業界をバカにしている」と手紙に記した。
同氏によると14,000軒中の4,500軒のレストランが閉鎖すると見込んでいる。「最初の2~3週間はイスラエル人が来るだろうが問題はそれ以降のことだ。どんな状況になるのか誰も分からない。観光客はいない、イスラエル人には遊ぶ金がない、多分1か月後に本当の衝撃がやってくるだろう」。
現時点での概要では、100人収容可能な場所は全席が利用でき、それ以上ならば収容数の85%まで。机同士の距離は1m50㎝、入口で検温と消毒があり、厨房以外の従業員は全員マスク着用でビュッフェは禁止、全て給仕式となる。
観光で成り立っているエイラットが一番打撃を受け、回復には一番時間がかかると思われる。今週週末のシャブオット祭(初穂の祭)に向けて50軒中11軒のホテルのみが再開する予定。エイラットホテル組合会長のシャイ氏によると、食堂とプールの利用規制があるうちは、ホテルを再開する魅力がないとのこと。他のホテルは7月に向けて徐々に再開されるとみられており、現時点で既に夏には十分な予約が入っていると同氏は語った。
エイラット市で再開されるホテルは、アストラル、ロイヤル・ガーデン、リビエラ、ヘロデ、プリマ・ミュージック、レッドシー、ノバとクラブホテル。コーシェル料理以外の殆んどのレストランも再開する予定だ。
死海で再開するホテルは、ヘロデ、ミロス、ホッド・デザートとレオナルド・クラブ、周辺のレストランも再開する。
エルサレムではコーシェルレストランはお祭り以降に再開する予定。ワッフル・バーを経営しているヨタム氏は、「シャブオット祭の前日に再開するなんて誰のアイデアだ?一日だけ開けるために準備する気は全く無い、これは市民のご機嫌取りを狙った政府の趣旨だ」と語っている。同氏も今回の再開には不安を抱えており、今回の封鎖で受けた経済的落とし穴から抜け出せないと懸念している。「経済的に困難となり、食材購入や支払いを停止した。コロナ救済のローンを受け、受け取れるか分からない補償金を待っている状況。3か月近くも自宅待機することは容易ではない、しかし早く元の状態に戻り、この落とし穴が深くならないことを願うのみだ」と語っている。
ネタニヤ市ではアイランドとアジモットホテルが再開、ヘルツリア市ではシャロンとダニエルが2週間後に再開、他の市では6月半ば又は7月初旬にホテルが再開される見込み。