レバノン撤退から20年

明日5月24日はレバノン撤退から20年目となる。

イスラエル軍がレバノンの泥沼に入る第一次レバノン戦争(ガリラヤ平和作戦)は1982年6月6日に始まった。シリアの支援を受けたパレスチナ人テロの攻撃に対し、イスラエルはレバノンにあったテロの基地に戦闘を開始した。1982年9月18日に正式に戦闘は終了し、この最初の戦いで368名のイスラエル兵士が戦死する。サブラとシャティーラ難民キャンプ虐殺後に批判的な国際世論が巻き起こり、イスラエル軍はベイルート西部から撤退した。

1982年10月から1983年9月までにシューフ山脈、ハツァビア町とシドンから地中海へ流れるハワリ川までイスラエル軍は撤退した。撤退による防衛の改善対策として、イスラエル軍は43か所の基地と22か所の駐屯地を破壊した。

イスラエル国内の最悪な経済危機とエルサレムの内閣交代に並行し、多発した残酷な自爆テロなどにもより、イスラエル軍は再度南部へと撤退することになる。1985年6月レバノン戦争開始から約3年後、レバノンにおけるかの有名な安全保障地帯までの三回目のイスラエル軍撤退が正式に終了する。安全保障地帯設立の目的はイスラエル北部の居住区防衛のためであった。

この安全保障地帯はイスラエルの国境に沿って作られ、レバノン国面積の約10%を占めていた。安全保障地帯内には約15万人のレバノン人が住んでおり、シーア派、マロン・キリスト教、ドルーズ人などがいた。

安全保障地帯の首都はキリスト教の町マージ・アユンで、そこにレバノン南部のイスラエル軍通信本部も設置された。安全保障地帯をコントロールするために数十か所に駐屯地が作られ、最終的に現地の武装グループを支援して武器を与え、彼らが南部レバノン軍へと変わっていく。

イスラエルが安全保障地帯を把握していた時代は、そこに住んでいた住民の多くがイスラエル国内で出稼ぎ労働者となった。住民たちは「グッドフェンス」と呼ばれた4か所の検問所から出入りした。その四か所とはロッシュハニクラ、ビラニット、トルモス、そしてメトゥラの近くにある一番有名でレバノンとのメインゲートであったファトゥマ・ゲート。

安全保障地帯での長期間の駐屯によって、イランから支援を受けたシーア派のグループ「ヒズバラ」が大きくなり、自己の旗にイスラエル占領からの祖国解放を印した。

ヒズボラとその崇拝者達は、イスラエル兵士に対して血塗られたゲリラ作戦を展開し、レバノン駐屯に対するイスラエルの国内世論の批判を増大させた。

ヒズボラもいくつかの作戦に成功した。その中には1999年に南部レバノン軍は過酷な銃撃戦の下にジャジンと呼ばれるキリスト教地区から撤退した。

作戦の失敗や報復攻撃の失敗の数々、イスラエル空軍ナビゲーターのロン・アラッドの捕虜事件やイスラエル兵士が死亡したヘリコプター2機の衝突事故、それに加えて数百人の戦死者、それらがレバノンからの徹底に対するイスラエル市民の要求を強化させ、そのピークが「4人の母」という運動へと達することになる。

国内での内閣交代がこの過程を前進させることになり、2000年5月24日の早朝にイスラエル軍はレバノン南部から撤退した。安全保障地帯設立から15年後に全てが崩壊することとなった。保障地帯にあった有名な駐屯地はイスラエル軍によって全て爆破され、南部レバノン軍も崩壊し、一部の兵士とその家族はイスラエルへ避難した。南部レバノンからのイスラエルの一方的な徹底は、南部レバノン軍兵士を見捨てることとなり、現在でも世論では賛否両論を引き起こすデリケートな問題となっている。撤退反対派はこの撤退によって第二次インティファーダが勃発したと主張し、第二次レバノン戦争が起きる火種になったと言っている。安全保障地帯にイスラエル軍が駐屯している間に数百人のイスラエル兵士が戦死し、数千人が負傷した。

撤退後も攻撃はなくならず、北部国境地帯におけるテロ活動やイスラエル兵士誘拐などがヒズボラやその崇拝者達によって起こされた。安全保障地帯駐屯時代とは違い、イスラエル人の戦死者の数は激減した。

イスラエルは再びレバノンへ戻ることになる。2006年7月12日ヒズボラのテロリストが2人のイスラエル兵士を誘拐し数名を殺害した。イスラエルの対応は確固たるものではなく、第二次レバノン戦争へと変わっていく。

35日間イスラエル軍は歴史的な安全保障地帯を再度占領しリタニ川まで到達、敵地の奥まで作戦を展開した。イスラエル国内に打ち込まれた数多くのミサイル、多くの戦死者、イスラエル軍の準備不足と、イスラエルが勝利したことを明確に示すことの失敗などにより、第二次レバノン戦争に対する厳しい国内世論を生むことになる。この戦争により156名の兵士と一般人が戦死したが、多分これが最後とは言い切れない。

イスラエルは18年間レバノンに駐屯し、その中の15年を安全保障地帯で過ごした。その期間に戦死した兵士の合計数は1,216名。

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