ラモン・クレーターへの完全ガイド

 ネゲブ山脈に空いた巨大な器の形のクレーターは、特殊な自然現象となっており、世界でも7個しかない。その内の5個がイスラエルのネゲブに存在し、ラモン・クレーターは最大で最も印象的な浸食性クレーターだ。全長約40㎞、そしてここへの訪問は、素晴らしい景色と興味深い地質学的現象、特殊な野生動物、美しい希少な花や、乾いた景色をリフレッシュする驚く溜まり池さえあり、砂漠の魅力と秘密を旅行者にのぞき込むことを可能とさせる。

 クレーターの淵に立った人の正面には、息が止まるような景色が広がっているが、ここの景色だけ写真を撮ることだけに満足せず、その中まで入ることをお勧めする。クレーターまで降りていき、トレイル、特殊なサイトを近くから知り、古代の地質学への世界へ門を開いてくれる窓を楽しむこと。創世記的景色の感銘に興味がある者は、乾いた巨大川(ワジ)の深い渓谷の中を歩き、野生ヤギや自然と出会い、カラフルな地層や絶滅した動物などの化石を発見し、ここだけで見ることが出来る希少で美しい花と出会い、夜中の空にとても良く見える星の展望をすることも出来る。ラモン・クレーターへの完全ガイドだ。

 ラモン・クレーターは約350mの深さがあり、中央にラモン山脈、ネゲブ山では最も高い場所となっている。今日の説明では、硬い岩盤の下に古代に堆積した柔らかい地層が削られていった、数千万年かけて出来た浸食性クレーターである。クレーターの中央は以前は山の頂であったが、山の内部が削られてクレーターが出来た。既に存在していない山頂の方向へ、クレーターの淵の地層が傾いているのが良く見える。

●野生ヤギとラクダの形の山

 クレーターの中へ降りていく前に、崖の淵に出来ている散策道を歩き、特殊な景色から感銘を受けることを推奨する。散策するのに最も適している場所は「アルベルト散歩道」で、クレーターの淵に建設されているミツペー・ラモン市内にある。この散歩道は「イスラエル・トレイル」とも重なっており、その散歩道の数か所に素晴らしい展望台が設置されている。

 まずミツペー・ラモンのマアレ・デゥカリーム通り(水タンクの近く)の角にある、アイン・サハロニーム通りにあるノア展望台のコースから開始することをお勧めする。この展望台は、造設されたテラスの上に建てられた、砂漠のヴァルディモン・ガーデンの上にあり、そこからミツペーラモンの一部、ラモン山脈と、次の訪問地であるラクダ山が見える。

 ガーデンの曲りくねった道を下ってレハベアム・ゼエビ通りへ向かい、ハシャローム学校の前を通り抜けるともう一つのサークルに到着する。そこから歩いて2分でラクダ山の麓に到着し短い階段を上ると、ほぼラモン・クレーター全体が見える素晴らしい展望台に到着する。そこから東に向かって旅行を始める前に、そこから西へ数歩歩いて緑の手摺に囲まれたアサフ・ロズ展望台まで行き、座っているラクダのように見えるラクダ山の巨大な岩をそこから展望するのをお勧めしたい。

 そこからラクダ山の麓から始まりクレーターの端を通る、「イスラエル・トレイル」の色(白、青とオレンジ)の印が付いた道を東へ歩いて行く。トレイルの隣にはクレーターの端の岩には大きなひび割れがあり、クレーターの浸食や拡大プロセスは未だ終了していないことが良く感じ取れ、実際に今日でもその現象は継続されている。

 トレイルは木製の橋の上を抜け、クレーターの中へ降りる緑色のトレイルと合流するが、そこから左に曲がってアルベルト散歩道の道が始まる巨大な岩の方へ向かい、スイスのユダヤ民族基金の協力者であったアルベルト・カッツ氏の記念場所となっている。

 そこから散歩道は殆どが舗装されており、彫刻作品で飾られている。もし運が良ければ、飛んでいるワシが途中で見れるだろう。お腹の部分が黒い岩壁の鳥を見逃すことは不可能で、散歩道の岩と岩の間を飛び跳ねており、自分のテリトリーを厳守している。本当に運のない旅行者だけが野生ヤギの群れと出会えず、ミツペー・ラモン市のオーナーのように町を横切っている。この散歩道の最終地は自然公園局のビジターセンターで、そこから歩いて開始地点に戻っていく。

 健脚な人で挑戦的なトレイルに興味がある人は、「イスラエル・トレイル」の印に従ってラクダ山から西へ向かい、アサフ・ロズ展望台と自然公園局のネゲブ山自然観察学校を抜け、クレーターに降りるトレイルを歩いて行く。トレイルは、クレーターのメイン排水ラインとなっているラモン川まで続いており、そこから上まで登って戻る。

 上り坂が急になる前にトレイルが二手に分かれている。「イスラエル・トレイル」は右に曲がってクレーターの中まで続いているが、そこから真っすぐ(上に)緑色のトレイルに沿って登っていく。クレーターの端に到着したら左に曲がり、ラクダ山に戻ってそこから開始地点まで戻るか、右に曲がってビジターセンターまでアルベルト散歩道を歩いて行く。

◎アルベルト散歩道:往復直線コース、片道約2.5㎞、所要時間2~3時間

◎ラクダ山(クレーターへ下る):円周コース、全長約8㎞、所要時間7~8時間

 もう1か所の素晴らしい展望台は40号線上にあり、クレーターの下に向かって道路が曲りくねる最初の部分にある。去年の夏にクレーターの端に「バラクとアミハイ展望台」が建設され、亡くなった兄弟バラク・イツキス中佐とアミハイ・イツキス少佐の記念場所で、駐車場もあってベンチも設置されている。

 バラク中佐は海軍に従事し、1998年の2月に武器の事故で20歳の若さで亡くなった。彼の兄弟のアミハイ少佐は、2010年11月に彼が操縦していたF16I戦闘機が、夜間訓練中にラモン・クレーターで墜落し、享年28歳であった。展望台に設置された日陰の屋根は戦闘機の翼と船の帆を組み合わせたデザインになっており、二人の兄弟への記念碑となっている。

●木工所、海岸とカラフルな砂

 ラモン・クレーターへ40号線の曲りくねった道路が終わる場所に、右に「プリズム」へ示す標識がある。自動車でも通れる砂利道を約600m入ると、四角、五角、六角の形をしたプリズム状(珪岩)の砂岩柱で覆われた丘に到着する。珪岩の山は木工所の木製プレートのように見え、そこから非公式な名前は「木工所」となっている。

 これらのプリズムは、地中深くから溶岩が押し出された後に作られたものであり、砂岩層の近くまで到達してそれを「ベーキング」した。地中が冷却され、珪岩の焼かれた地層にひびが入り、プリズムの形が作られ、例えばゴラン高原のハメシュシーム・プールで知られている、玄武岩のひび割れ現象に似たプロセスである。

 この特殊な場所に被害が出ないように、丘の上まで特殊なプリズム岩石の空中を全長約250m歩ける木製の「浮上トレイル」が設置されている。山頂からは駐車場まで違う道が下りている。そこから車で約700m南へ行くと、もう1か所興味深いステーションがあるが、そこまで黒色の短いトレイルを歩いて行くことも可能だ。

 このトレイルは「石と風と水」の場所まで続いており、以前ここではカオリン採石場があった。この採石場にある様々なミネラルを含んだカラフルな岩が展示されており、様々な色が付いた砂の山で子供達が遊べる特殊な「遊び場」もある。カラフルな砂を入れる為に、小さいガラス瓶を用意することをお勧めする。洪水と地下水でこれらの砂場の近くに巨大なため池を作り、ミツペー・ラモンの市民の間では「ミツペーの海」とも呼ばれている。

 「石と風と水」の正面にワシの展望台が設置されており、自然公園局のワシ餌付けステーションが最近まで展望でき、毒殺されて苦しんできたネゲブのワシ人口の回復を目的としている。この餌付けでオオカミ、キツネやハイエナなどのような他の動物もこの場所に来るようになった。しかし今年初旬にクレーターの中に14本の巨大電柱が建設されたことによって、この餌付けステーションと展望台の活動が注視となり、自然で特殊な景色への被害として大きな批判や抗議を生んだ。

●復元された採石場、星と恐竜

 建国当時のイスラエル国家は、ラモン・クレーターを特殊な観光自然資源とはみなさず、採石産業の豊富な供給地としか見ていなかった。しかし自然公園局と自然保護協会の活動により、段階的にクレーターの一部が自然保護地区と承認され、2000年初頭には採石活動は完全に停止した。現場には巨大な穴が数多く残っており、景色は傷つき、復興が要求された。それと共に採石場が露わにしたことにより、一般市民の目にも特殊な地質学的現象が目の当たりにできるようになった。

 2017年には、クレーターの東側にある巨大な採石場敷地(1,132エーカー)が、新しい国立公園「ラモン・クレーター・カラー」として承認された。公式な承認により採石場復興基金を筆頭に、自然公園局、ミツペー・ラモン地方自治体、ラマット・ネゲブ地方自治体の協力により、この地域の観光開発の為に推進された復元開発プロセスが始まった。この作業の枠内で、フリント似粘土とチョコレート粘土の採石場が復元され、セラミック専用の巨大かまどだけを残して他の建物は撤去され、このかまどは今でも聳え立ってクレーターのシンボルの一つとなっている。

 開発作業では現場へのトレイルの舗装がなされ、展望台の設置や座る場所が準備された。また全長約7㎞の自動車用道路も舗装され、ラモン・クレーター東部の主要道となり、有名な「ハン・ベエロット」の夜中キャンピング場まで続いている。主要道はある種のオープン地質学博物館となっており、全長に渡ってサイクリングロードと散歩道が用意され、クレーターへの展望台も組み合わされて、採石場跡の穴に溜まった洪水で出来た溜池、ラモン川、ガアシュの丘、北側の崖やアルドン山が展望できる。

 2017年にラモン・クレーターは、アメリカの組織であるIDA(International Dark Sky Assosiation)により、国際的な「スターライト保護地区」として正式に認定された。この称号を受けてラモン・クレーターは、世界15か国の54か所のリストに加えられ、年間を通じて殆どの夜に星を観測する条件が理想的な場所である。ハン・ベエロットには、望遠鏡を備えた星の展望台があり、説明付きの天文学活動が行われることもある。

 ラモン・カラーの主要道への入口は40号線の東側にあり、プリズムから約3.5㎞南へ下った場所にある。道路中央の白線が左折を禁止しているので、ミツペー・ラモン方面から来る人は、そのまま約1㎞走ってハゲベス・キャンピング場の入口の砂利道で右折し、注意してUターンして北上する。

 自然公園局によって運営されているハン・ベエロットは、温水シャワー、トイレ、水道や電源も提供している。同地での宿泊は有料で、個人のテントか、現地でレンタルできるテントに宿泊するか、部屋もある。詳細に関してはこちら:

◎木工所とカラフルな砂:往復直線コース、片道約1.4㎞、所要時間1~2時間

◎ラモン・カラー主要道:車往復直線コース、片道約6.7㎞、途中停車しながらの移動

 40号線を続けて走ると、クレーターの南側を出た直後に、もう1か所素晴らしい場所「アンモナイトの壁」がある。クレータ外側の白亜紀時代(約1億年から9千万年前)の石灰岩の壁には、数百のアンモナイトの化石が埋まっており、数本の触手と曲がった貝殻と水泳能力を持った古代の海洋動物は、恐竜と共に絶滅した。これはまた、古代にこの乾燥した砂漠をテチス海が覆っていたことの印である。

 ラモン・クレーターの南側の崖から出た後に40号線を南下し、赤色が付いた道への標識に沿って右に曲がる。車を駐車場に残し、赤色に沿ってアンモナイトの壁まで約700m歩いて行く。その後同じ道を通って駐車場に戻る。厳重注意:壁からアンモナイトを取り除くことは完全に禁止されている。

●泉、香料、野生ロバ、溶岩の滝

 ラモン・クレーターはラモン川から名づけられており、中央を通っていて殆どの地域の排水ラインとなっている。ラモン川の名前自身は、アラビア語の「バディ・エロマン」(ローマ人の川)から来ており、香料の道を使ってこの地域をローマ人が歩いていた歴史的記念である。

 eBayとアマゾンのずっと以前から、古代の西洋諸国であったギリシャとローマは、東洋からの製品に興味があった。「香料の道」は重要な商業道路の一つであり、アラビア半島南部から地中海のガザの港まで約2千㎞の全長であった。この道は主に没薬と乳香の香料によって名前が付き、隊商ラクダの背中に載せて運ばれた。これらの商品の目的地はヨーロッパの神殿で、神への犠牲を捧げることによって起きる不快な臭いをかき消す為に必要であった。

 この道とそれに沿った遺跡は、紀元前3世紀から西暦2世紀までのナバテア王国時代に栄えた。その後ナバテア王国はローマ帝国の属州となり、「香料の道」の活動もピークを迎えた。ナバテア人の隊商は商品を運び続けたが、ローマ人がこの道をコントロールし、道を改善して道に沿った要塞、キャンプや町々に駐屯兵が見張りをしていた。

 歴史的「香料の道」はラモン・クレーターを横断し、クレーターの中央にはサハロニーム要塞遺跡が残っており、この道を通った隊商達が宿泊するナバテア人要塞として利用されていた。この場所ではオリジナルのナバテア人の道に沿ってローマ人が舗装した幅広い道路の遺跡も見られ、良い状態で保存されている。この要塞の位置は、クレーターの最大の水源である、アイン・サハロニームの泉に近いことから選ばれた。

 アイン・サハロニームの地域には多数の野生ロバが生息しており、19世紀にはイスラエルから絶滅したが、その後自然へ戻すことに成功した。春には泉の付近でカンカニクジュヨウが咲き、約50㎝の高さまで到達する見事な花を茎を持つ寄生性の砂漠植物である。花の色がピンクか紫色のホンオニクは、通常アカシアの木の周辺に生え、花の色が黄色の砂漠カンカニクジュヨウは、通常ソルト・ブッシュやジゴフィルム・デゥモスムなどの低木の付近に生えている。

 サハロニーム要塞の近くに作られた駐車場から、ラモン・クレーターのクラシックな散歩トレイルの一つに出ることが出来、ニクロットUターンコースだ。ラモン・クレーターの南端にはニクロット川が流れており、全長約60㎞で最後にアラバー川と合流している。ラモン・ゲート付近のクレーターの南側で、この川筋は馬の蹄のような形となり、深い渓谷の間に洪水が溜まり、深いプールを形成している。特にネゲブで雨が降った年は、プールは池のようになり、深さは3mにまで達することがある。

 このコースを旅行するには、ラモン・カラー主要道を通ってハン・ベエロットに辿り着き、そこから「アイン・サハロニーム駐車場」の標識に沿って砂利道を走る。ラモン川に沿って通る青色トレイルは家族にも適応している円周コースで、水が豊富に湧き出ている泉のお陰で、この部分だけ年中水がある。しかし泉での水泳は禁止されている。

 トレイルは「ラモン・ゲート」を通ってクレーターから外に出て、ニクロット川の広い深い川筋の中に合流し、洪水が溜まっているプールがある狭い場所まで続いている。プールから約500m行ったところ、この文章を書いている時には約50㎝の深さの水の中を歩いて行く必要があるが、トレイルの交差点に到着する。アイン・サハロニームの駐車場へ戻るには左に曲がり、緑色のトレイルに沿って歩いて行く。左に曲がって約700m行くと赤色のジープ・ロードと合流し、そこから約700m行くと駐車場に戻る。

 もう一つお勧めのコースは、クレーター東部にあるアルドン川で、カラフルな砂岩で覆われている。この川の北側の崖にはドロマイト、砂岩、赤緑色の粘土などのカラフルな石の地層が露出している。これらの地層の中に7本のマグマ性岩柱が突出し、乾いた溶岩の滝のように見えている。

 アルドン川コースを旅行するには、ラマット・サハロニーム駐車場からで、そこにもラモン・カラー主要道からハン・ベエロットまで行き、そこから「ラマット・サハロニーム駐車場」の標識に沿って砂利道を走る。駐車場からは青色のトレイルを歩き、ラマット・サハロニームへ登れるようになっている。左側には後述する全ての地質学的現象が見られ、川にそびえる黒い円錐形の丘についても同様だ。丘から降りると黒色のジープ道に到着し、そこを左に曲がってアルドン川の中を通るジープ道を歩いて行く。

 ジープ道は最後に駐車場までつながっているが、しかし挑戦的な旅行者は、川の真ん中にあるトレイルの分かれ道を右に曲がり、赤色のトレイルを歩いて円錐形の丘まで行き、緑色のトレイルに沿って山頂まで登る。赤色のトレイルで丘から下った後に、青色のトレイルの合流点で左に曲がり、真っすぐ(黒色のジープ道と合流するので)駐車場まで戻る。

◎ニクロットUターン・コース:円周コース、全長約5㎞、所要時間3~4時間

◎アルドン川(円錐形の丘無し):円周おーす、全長約5㎞、所要時間3~4時間

●クレーターの角、チューリップとアイリス

 エジプトとの国境からそう遠くないラモン・クレーターの南西部角の上には、標高1,037mのラモン山が聳え立っており、ネゲブ山では最も高い山頂となっている。冬の夜中には気温は0度以下にもなり、雪が降ることもある。

 案長には墳丘墓の野原があり、中期青銅器時代(紀元前2千年から紀元前1,550年の間)の石の山で、埋葬用に使用されたと予想されており、「Kライン」と呼ばれる低い石の壁がその近くを通っている。この壁の全長は約4.5㎞で、ラモン山の古代居住地とロメム山の古代居住地間とを結んでいた壁と見られている。

 この地域の特殊な地形の為に、ラモン山山頂からの景色は特に印象深くもないが、そこから歩いてクレーターの端まで行くと、クレーター内にある7個の黒い玄武岩の丘の素晴らしい景色が見渡せる。これらの丘は「ラモンの角」と呼ばれており、最も高いのはアルード山で標高は945m、クレータのこの付近の山では最高地点となっている。

 ラモン山の駐車場に到着するには、40号線をミツペー・ラモンに向かって南下し、ハルホット交差点で右折して171号線に入る。約28㎞走ると左に砂利道が見えてくる。駐車場から赤色のトレイルを歩いて山頂まで行き、大きな石で印がつけられている。山頂からと怜悧を右に行き、墳丘墓の近くを通り抜けてクレーターの端に向けて下り気味になってくる。遠くからは見えないが近づくと見えてくる。クレーターの端に到着する前に短い上り道があるが急な勾配で、その後直ぐにラモン・クレーターの西側の端の息が止まるほどの素晴らしい景色が目の前に現れる。

 そこからトレイルに沿って左に曲がり、クレーターの端に沿ってもう一つの展望台の所まで歩いて行き、「コロンビア」スペースシャトルの7人の宇宙飛行士チームを記念した展望台で、その中には2003年2月の空中分解で死亡したイスラエルの初めての宇宙飛行士故イラン・ラモン氏も含まれていた。この展望台から数メートル戻り、右に曲がって黒色のトレイルに入り、ラモン山の山頂を通って駐車場に戻る。健脚な人はアルードの坂を含んだ長い円周コースを計画することも可能だ。

 ロメム山の麓の171号線の反対側に「ルッツの穴」と呼ばれる地域があり、2㎢の地帯に広がった17個の溜池の穴がある。カナン時代のものと思われる古代農業居住地の遺跡であり、古代の脱穀場、テラスと溜池(斜面に彫り込まれた貯水槽で、中に入る階段も掘られている)が残っている。古代農家の人達はこの場所に住むことを選択し、何故なら比較的高い場所であり、ネゲブのその他の地域と比べて雨量が多かったからだ。

 比較的冬の雨量が多い年の最後には、これらの貯水槽の周りには様々な色を持った開花や緑のカーペットが現れる。ここで開花する多くの花の中には、とても特殊で希少な2種類があり、多色チューリップとトビヤ・アイリスだ。

 多色チューリップは通常のチューリップの特に希少な種類であり、白色とピンク色の花に濃い黄色の花弁となっている。ネゲブ山は世界で唯一この種類のチューリップが生えている場所だ。紫色のトビヤ・アイリスはネゲブ山、エイラット山脈とエドム山脈だけに生えており、1946年に初めてそれを発見した植物学者トビヤ・クシュニルの名前で呼ばれている。その2年後の1948年1月に、クシュニルは参加した装甲車で戦死した。

 このコースに沿ってもう一つ突出した花は、ここではピンク、深紅と白色のヘリアンテウム・ベシカリウム(ハンニチバナ属)で、名前のように雲の間から太陽が出る時にだけ開花する。またこの場所には赤色の花を持った砂漠チューリップ、アスフォデリネ・ルテア、アネモネやその他の砂漠の花々が開花する。殆どの花は季節になればラモン山でも見られるが数は少ない。厳重注意:開花量は年毎に代わり、旅行に出る前に現地の最新情報を調べることをお勧めする。

 自然保護地区には幾つかのトレイルがある。赤色トレイルは「ルッツの穴の円周」と呼ばれており、短いコースで、古代の貯水槽の近くを通り、重要な花の間を抜けられるようになっている。緑色トレイルは、現地で「ピラミッド」のように突出しているアロット山頂へ続いており、山頂からはネゲブ山地域への素晴らしい景色が展望できる。

 赤色トレイルの沿ってある貯水槽のメイン貯水槽は、直径約17m、深さ約4mの貯水池で、降水量が多い年には砂漠のオアシスのように見える。全貯水槽の水の中に入るのは禁止されており、フェンスも無いので慎重に近づくこと。

 ここに到着するには、ハルホット交差点から171号線を西に向かって約30㎞走り、ルッツの穴へのキャンプ場へ続く砂利道が右側に見えてくる。駐車場があり、散策トレイルの説明標識、トイレや水もある。興味がある人は、この場所での宿泊は無料であり、個人のテントの使用だけで、テントをレンタルすることは不可能だ。

◎ルッツの穴円周コース:円周コース、全長約4㎞、所有時間2~3時間

◎ラモン山コース:円周コース、全長約3㎞、所有時間2~3時間

 このキャンプ場から赤色のトレイル(短距離)を歩き、最後にまた駐車場に戻ってくるか、緑色のトレイル(長距離)を歩いて、アロット山頂から下ると赤色トレイルと合流する。その代わりに赤色トレイルをまず歩き、そこから緑色トレイルに出てアロット山頂まで登り、アロット川に沿って駐車場に戻ることも出来る。アロット山頂付近は軍の演習場でもあるので、緑色トレイルは週末だけ、又は南部方面本部と連絡を取ってから旅行すること:08-9902927/6。

●クレーターを一回りする旅行

 健脚な人でクレーターの全ての美しいコーナーを体験し、何一つぬかしたくない人達にとっては、5年前に全長130㎞の「ラモン・クレーター一周」コースが作られたのを知って喜ぶだろう。この円周コースはミツペー・ラモンから始まって、ミツペー・ラモンで終わり、8か所に分かれていて各箇所が1日終日の徒歩に適応している。各箇所の終点にキャンプ場があり、宿泊可能となっている。

 「ラモン・クレーター一周」コースは、紫色で印付けられており、日帰りの旅行では普段いかないようなその他の場所を訪問することが可能となっていて、例えばハマットの貯水池、ニッツァーナ川、イド山、オデッドの丘などがあり、香料の道の北側のハマル要塞を通ってクレーターから出る場所には、古代の商業通路に沿って建設されたもう一つの要塞の遺跡もある。

 このコースは無料だが、全周には食料を購入する場所も無く、7か所のキャンピング場でも3か所しか水を得られる場所がない。歩いて行くのに軽い装備で行きたい人は、ミツペー・ラモンのロジスティック会社と連絡を取れば、水、食料やキャンピング場で必要な機材を届けてくれる。

 このコースには特殊な地図も作成され、ここを歩く説明書にもなっている。このコースに関したその他の情報、本や地図の予約にはこちら:(ヘブライ語版のみ)。この地図は、ミツペー・ラモンにある自然公園局のビジターセンターでも購入できる。

◎厳重注意点:

・ラモン・クレーターの殆どのコースは日陰が無い、その為に主に10月から5月の間に旅行することをお勧めする。夏の時期には日中に長い距離を徒歩で旅行することは避けること。冬でも最低一人3リットルの水を常備すること。

・早朝に旅行を開始し、暗くなる前に終了するように計画すること。キャンプ場以外での野外での宿泊は禁止されており、危険の恐れもあり、野生動物への妨げにもなる。

・自然保護地区の殆どのコースには、崖や急ばいな坂道がある。安全の為に崖には近寄らず、崖を降りることもしないこと。また印の付いたトレイルから外れないこと。

・曇った天候や、特に洪水警報が出ている日には、川底に入ったり川を渡ったりしないこと。死ぬ危険がある!

・自然保護地区の自然、動物、植物や無生物も厳守し、それらを将来にも楽しめるようにすることは重要である。野生動物には絶対に餌を与えず(餌を頼んでいるように見える野生ヤギにも)、花を摘まず、岩に何も彫り込まず、遺跡を破壊せず、化石も集めてはならない。

・コースにはゴミ箱はない。事前にゴミ袋を用意し、持ち帰ること。現場にゴミは残さないこと!

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