ラマッラ自治政府では、被害を最小限に留めるように努力:アリカット氏の治療で暴露された関係

 PLO自治政府では、コロナに感染して重症化したPLO書記長のサイーブ・アリカット氏をイスラエルの病院に搬送するという決定が、自身の困惑と自治政府に対する批判を生んでいる事に熟知している。特に最近ラマッラとエルサレム両者の間では、完全な政治的亀裂があり、一方でアラブ首長国連邦とバーレーンとの関係を確立したイスラエルを厳しく非難し、もう一方ではPLOとハマスの間の和解を試みているからである。

 その為にラマッラでは被害を最小限に留めるように試みており、PLOスポークスマンの一人は自身のツイッターで、「アリカット氏をハダッサ病院に搬送したのは、コロナに感染したのが理由ではなく、三年前に受けた肺移植に関連した医療合併症である。この治療に最も適した医療機器とチームが存在する近い病院であるということでハダッサ病院が選ばれた。海外への病院搬送も含んだ他の治療方法も検討されたが、全ての可能性が感染の為に不可能であるために、アリカット氏はハダッサ病院に搬送された」とツイートしている。

 パレスチナ交渉課の公式ツイッターアカウントでは、エルサレムにアリカット氏が搬送されたことを隠しており、最初はテルアビブの病院へ搬送されたと書かれていた。しかし1時間後に内容を変更し、エルサレムへ搬送されたとツイートしている。

 エン・カレム・ハダッサ病院にアリカット氏が入院したことは、会話に浮上しない二つの事柄が暴露された。パレスチナ当局とイスラエル間での安全・市民調整が停止されているにも関わらず、緊急事態の場合には相互の連絡が存在していることが分かる。今回のアリカット氏病院搬送がそれを暴露したが、過去数カ月間に起きた事件の時には相互の調整は行われていた。それ以外は相互のインタレスとして報道のレーダーからは隠されていたようである。

 また安全調整が停止された為に重症者であるパレスチナ人患者は、西岸地区やガザ地区の病院で治療する能力が無くても、イスラエル国内の最新医療の治療を受けられないようになっている。その原因としてパレスチナ当局では、イスラエルの病院への入院はイスラエルへ多額な金額を支払うことが理由であるとしているが、アリカット氏のような地位と権力を持っているパレスチナ上層部に関しては、このような理由は無視されてイスラエルへ搬送されたようである。

 ハダッサ病院では、「パレスチナ当局からイスラエル政府とハダッサ病院へ要請があり、サイーブ・アリカット氏をコロナ患者として集中治療室に搬送したいと依頼があった。ルーベン医者とベルナン医者を筆頭とし、重症者として到着したアリカット氏を治療し、高濃度の酸素の呼吸器を付けている。この数時間で症状は重症ではあるが、状態は安定している」と公表した。

 ハダッサ病院院長のゼエブ医者は、「アリカット氏は、当病院に入院する他のコロナ感染者と同様に高度なレベルの専門治療を受けており、彼を回復させる為に医療チームは全力を尽くしている。ハダッサ病院では一人一人の患者を大切に治療している」と語った。

 過去20年間にイスラエルとの交渉に於いて総責任者であるアリカット氏は、段々と悪化した肺病に長年苦しみ、最終的には肺移植の為に待機リストに入ることとなった。過去にもイスラエルで治療を受けたことがあり、イスラエル国内、アメリカとヨルダンでも肺移植の候補者であった。最終的にアメリカに飛び、適合するドナーが出てくるまで待機し、アメリカで肺移植の手術を受けた。

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