ユダの荒野での発見:ローマに対する第二次反乱時の巻物、6千年前の女児の骨と古代の籠

 「あなたがたのなすべき事はこれである。あなたがたは互いに真実を語り、またあなたがたの門で、真実と平和のさばきとを、行わなければならない。あなたがたは、互いに人を害することを、心に図ってはならない。偽りの誓いを好んではならない。わたしはこれらの事を憎むからであると、主は言われる」(ゼカリヤ書9:16)。この聖句が、盗難を防ぐために2017年10月以来からユダの荒野の断崖で考古学局が実施している、複雑な国家考古学作戦によって発見された数十枚の2千年前の巻物の断片に記されている。

 この歴史的な発見は、考古学発掘で聖書の巻物の一部が最後に発見されて以来、約60年後に起きた。これらの巻物の断片以外に、驚くような発見をこの作戦は実らせている。バルコフバ時代のユダヤ的シンボルを刻んだ希少なコイン、6千年前の人骨で女児のものであり、布に包まれていてミイラ化していたもの、世界で最古と思われる1万500年前の巨大籠などである。ユダの荒野洞窟の調査と発掘の国家プロジェクトは、ユダ・サマリア市民管理局の参謀将校とエルサレム遺産省からの資金提供の協力により、考古学局の主催で荒野の洞窟や崖などで行われている。今朝(火曜日)に初めて作戦結果が公表された。

 ユダの荒野写本は、聖書の最古の写本を含んでいる。これらは20世紀最大の考古学発見とも考えられている。発見された断片は、ギリシャ語で書かれた預言者ゼカリヤと預言者ナホムの聖句で、ユダの荒野保護地区にある、空中にぶら下がったようなヘベル川の「恐怖の洞窟」に於ける考古学発掘によって発見された。この洞窟は崖の上から約80m下の渓谷の中にあり、降りるにはスナップリングが必要となる。洞窟への入口は危険で、旅行者には立入禁止となっている。バルコフバの反乱末期に洞窟へ逃げ込んだユダヤ人反乱軍が残した他の物は、竪琴やナツメヤシなどのユダヤ的シンボルを刻んだ当時の希少なコインや、矢じりや槍、織布、サンダルやシラミ取りの櫛もあった。

 約70年前のユダの荒野写本の発見から今日まで、ユダの荒野の洞窟は遺跡泥棒が狙う場所となり、洞窟内の条件は最重要な文化的遺産の資産として古代の写本や証明書を特殊に保存させることを可能としている。遺跡泥棒は自身の命を危険に晒し、洞窟や歴史的証拠の破壊を残していく。

 作戦開始以来、アリエ氏、ハガイ氏とハイム氏を筆頭とした考古学局のチームは、荒野の断崖にある全ての洞窟を渓谷を一つ一つ調査している。考古学局作戦マネージャのオッフェル学者、アミール氏、エイタン学者とファブロ氏の話によると、「現在までに約80kmのユダの荒野断崖が調査された。この複雑な作戦は、ドローンの活用やアプローチに困難な洞窟へのスナップリングなどを含んでいる。また選出された洞窟での考古学発掘も実施された。植物学的又は動物学的観点からも正確な調査がなされ、ユダの荒野の洞窟の研究に新しい光を投げかけると思われる。考古学発掘には数十人の青年たちや学生達が参加し、比較的楽に到着できる地域に限られた。これも考古学局の政策の一部で、自身の伝統に関連付ける若い世代を育てることを目的としている」と語った。

 今回の作戦で発見されたギリシャ語の13巻の断片は、二人の異なる人物達によって書かれている。考古学局ユダの荒野写本ユニットのタニヤ氏、オーレン学者とビアトリス氏が実施した調査によると、11行の聖句が復元され、ゼカリヤ書第9章16節から17節の聖句のギリシャ語訳の一部が保存されていた。また他の断片には、ナホム書第1章5節から6節、「もろもろの山は彼の前に震い、もろもろの丘は溶け、地は彼の前にむなしくなり、世界とその中に住む者も皆、むなしくなる。だれが彼の憤りの前に立つことができよう。だれが彼の燃える怒りに耐えることができよう。その憤りは火のように注がれ、岩も彼によって裂かれる」。発見された新しい断片に保存されている文書と、現存する文書を比較すると、相違が多々あり、一部はとても驚きでもあるのが発見された。考古学局ではこれらの相違は、バルコフバの反乱末期までの聖書内容の編纂過程を証明しており、今日既存の聖書までの古代写本の伝達連鎖を理解することが出来ると伝えている。もう一つ感動することはこれらの巻物は、今日の英語のように東ローマ帝国で国際言語であったギリシャ語で書かれているが、第一神殿時代での習慣であったように神の名前だけは古代ヘブライ語で書かれている。

 恐怖の洞窟の奥の部分では、もう一つの素晴らしい発見があった。6千年前の子供の骨で布に巻かれており、ミイラ化の過程を通っている。平たい2枚の石の下に掘られた穴と人骨が発見され、女児と思われる。赤子のような形で女児は埋葬され、布で頭と上半身を小さい毛布のように多い、両足は外に出ていた。

 考古学局ではこの女児を埋葬した者は、遺体を包んで布の端を下に押し込んでいた。女児の両腕は、身体の近くに折り曲げられている。女児の骨と覆っていた布は、洞窟の気候条件の結果素晴らしい状態で保存されており、自然のミイラ化過程が発生し、長年にも関わらず皮膚、筋と鼻毛の一部は保存されている。

 この骨は現在考古学局ロニット氏と、テルアビブ大学医療学部のヒラ学者によって調査されている。世界最古の完全な籠は、考古学局ナアマ学者とヤニール学者によって調査されている。骨と籠は、バイツマン科学研究所科学考古学ユニットのエリザベッタ学者によって炭素14による年代測定が実施された。

 ダルガ川保護地区で現在知られている限り世界で唯一の発見物は、四角い洞窟の一つで青少年達によって発見されたものである。この地域にある高熱の気温と過酷な乾燥度のお陰で特殊に保存された、蓋つきの巨大な籠である。この籠は、今から約1万500年前の前陶器・新石器時代のものと測定されている。完全な形で発見された世界で最古の籠だと思われ、とても重要性が高いものとなっている。保存用に使用されたと思われる籠の容量は90~100リットルある。考古学局では、この籠は、陶器が発明される1000年前の製品保存の方法に関して、興味深い新しい情報を提供してくれると伝えている。植物物質によって編まれており、編物業界では知られていない方法で作られている。中は空で、中に残っていた少量の土を将来調査することにより、何に使用されて何が入っていたかを発見することになると思われる。

 「国家作戦の目的は、遺跡泥棒の手から荒野の希少で重要な遺跡資産を救うことである」と考古学局局長でプロジェクト発案者のイスラエル氏は語った。「荒野チームは並外れた勇気、献身と目的への執着心を見せ、空中にある洞窟まで下りて行き、埃っぽい息が詰まるような条件で発掘してフィルタリングし、人類文化にとても貴重なプレゼントを持って帰ってきた。新しい写本の断片発見は、国家に新しい時代を迎えさせる。歴史的重要性を持ったこの作戦を完了させる為に、様々なリソースを割り当てる必要がある。遺跡泥棒が辿り着く前に、これらの洞窟で発見されることを待っている、全ての情報を探しきるまで続ける義務がある。お金では得られないものである」とも語った。

 エルサレム遺産省局長のアビ氏は、「聖書の聖句も含んだ写本の断片、コインやその他の第二神殿時代のものが特殊プロジェクトで発見され、この地域のユダヤ伝統への直接的で信頼ある証拠であり、イスラエルのこれらの場所と長年のユダヤ文化創作間との隔てることのできない関係である。これらの発見物を一般市民に公開することは感動的で、これらの発見物は歴史に大きな光を当ててくれる。これらの発見物は我々だけの重要で特殊な国家的遺産ではなく、世界的文化遺産の重要性を持っている。総理府、考古学局と市民管理局の継続的活動と専門的協力が無ければ、これらの特殊な遺産は一般市民に公開することも出来ず、遺跡泥棒の手に落ちていたことだろう。遺産省では、これらと同類の発見物が存在する洞窟のマッピングの完成を目的としてプロジェクトの協力を続ける」。

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