モーセ五書と23個の事実:あなたの知らないトーラー

 聖書の最も長い書物はどれか?モーセ五書のセレブは誰?エルサレムに神殿が建設されたとは何処に記述?(ヒント:書かれていない)。イスラエルの民はエジプトのピラミッドを建設したか?(ノー)。トーラー伝授の日、及びモーセ五書朗読の完了と開始の日を記念し、聖書に関した興味深い事実をここに記してみた。

1.一番長い書物

 モーセ五書の中で最も長い書物は創世記である。50章と1,533節から成り立っている。創世記が提供する全てのデータの年数を計算してみると、モーセ五書は世界と国民の2,309年間の歴史を語っており、天地創造からヤコブ達がエジプトへ下るまでだ。それ以外の他のモーセ五書は、全部合わせても40年間しか語っておらず、出エジプトからモーセと別れてカナンの地に入るまでだ。

2.一番有名な書物

 出エジプト記は人口調査に突出している。イスラエルの民の人口調査2回と、同行した者達の特別な人口調査1回だ。賢者達はこの書物を「人口調査の書物」と呼んでおり、外国語名(70人訳によって与えられた名前)はNumeriだ。

3.トーラーのまとめ

 トーラーとトーラー注解書がある。約束の地に入る前夜のモーセ演説が含まれた聖書の物語により、申命記はこのように呼ばれている。その演説でモーセはトーラーをまとめており、又は最低でもその一部について語っており、この書物はトーラー注解書の分類だとしている。マイモニデスは、記念的な律法の作品を「トーラー注解書」と呼び、恐らくトーラーの世界の更新版になることを意図していたのであろう。

4.サマリア人のトーラー

 サマリア人もモーセ五書の聖書を今日まで所有している。サマリア人のトーラーは、我々のトーラーと似ている。確かに約6千か所の違いがあるが、殆どがマイナーな内容であり、少数派のみがサマリア人と我々の信仰の違いを反映している。

5.パピルス版

 羊皮紙に記されたトーラーを知っているはずだ。どのシナゴーグでもこのようなトーラーが見られる。クムランの最古の巻物も羊皮紙に記されている。しかしトーラーの一部はパピルスにも記されている。紀元前2世紀又は紀元前1世紀の古代パピルスであり、十戒の古代版や、シュマアの祈りの古代版が記されている。考古学者のワルター・ナッシュは、エジプトの古物商人からそれを買い取り、それ以来「ナッシュのパピルス」と呼ばれている。

6.世界最古

 聖書の聖句の最古の手書きは、祭司の祝福であり、第一神殿時代(紀元前7世紀又は紀元前6世紀)の小さな銀製の巻物2個で、古代ヘブライ文字で祭司の祝福が記されている:「願わくは主があなたを祝福し…」、民数記の聖句だ。

7.トーラーのセレブ

 我々の預言者モーセが、トーラーで最も多数出てくる人物で、合計613回だ。ところで、聖書全体ではモーセは合計727回言及されており、2位になっている。聖書全体で言及されている1位はダビデで、合計919回言及されている。

8.トーラーで一番長い文章

 民数記第7章には89節あり、これでも聖書で最も長い文章の半分くらいで、詩篇第119章には176節ある。民数記第17章では、幕屋への奉納でイスラエル部族の12人の代表が持ってきた犠牲に関して論じている。興味深いのは、全員が同じ犠牲を持ってきており、この章では、各犠牲の内容を12回詳細に記している事だ。

9.3回(乳製品)

 トーラーでは、「子ヤギの肉をその母親の乳で煮るな」と3回言及している:出エジプト記で2回、民数記で1回だ。

10.我々の祖先がゆっくりとトーラーを朗読完了していた時代

 今日毎週聖書朗読と解釈がなされる方法は、バビロン方式である。この方式では54個の解釈があり、トーラー全体を1年通じて読み切る。バビロン方式は、イスラエルの現地の方式を退け、現地では3年に1回、又は3年半にゆっくりと聖書朗読を完了していた。

11.神殿の謎

 トーラー全体で、神殿がエルサレムにあったとは何処にも言及されていない。神殿や、そこの中だけで行われる聖職の義務に関して多くを語っている申命記でさえ、神殿については謎の名前である「選ばれた場所」と呼んでいる。神殿の場所がモリヤの丘であるというヒントは、モリヤの丘で起きたイサクの犠牲の話の最後にあるが、これもヒントであるにしか過ぎない。

12.オリジナル・バルミツバ

 聖書の文章を伴う聖書の朗読システムには、イスラエル人の出身地別と同じ数の様々な朗読習慣がある。離散以前のイスラエルの地で聖書を歌っていた、オリジナルの朗読音を復元することは出来るのか?それを試みている研究者達はいる。

13.男性全員には名前があるが、女性には?

 聖書の多くの女性には名前が無く、彼女達と関連したもので知られている:例えばロトの妻、ポティファーの妻、ロトの娘達などだ。しかし彼女達も話に何度も登場する重要人物である。ところで、トーラーで名前がない重要人物の女性は、勿論モーセをナイル川から引き揚げたパロの娘であるが、歴代誌には彼女の名前が記されており、バティヤとなっている。

14.ジェシカもトーラーからだ

 モーセ、アロン、アダム、タマル、ユダ、ハバ、ヤコブ、イサクなど聖書の名前は有名だ。しかしジェシカは?ジェシカ・アルバ、ジェシカ・ラング、ジェシカ・ベイル、全員聖書の人物の名前を付けており、その名前はイスカで、ハランの娘、我々の祖先アブラハムの姪だ。一部の解釈では、実はそれはサラだったとされている。

15.最初のミュージシャン、最初の入植者

 トーラーは、人類に最も重要な分野を設立した、3人の兄弟に関して記している:アベルは、定住地のアイデアを発明した最初の人物、アベルの兄弟は楽器を発明した人物、父親側の半兄弟であるトバル・カインは、鍛冶を発明した人物である。素晴らしい才能のある家族であったようだ。

16.エジプトのピラミッドをイスラエルの民が建設したか?

 世間一般に理解されているのは、エジプトのピラミッドをイスラエルの民が建設したことだ。ピラミッドが非常に印象深い建物であることに間違いはなく、これらを建設する為に古代エジプト人は奴隷を利用したと想定することは可能だが、トーラーによるとイスラエルの民は「倉庫の町」を建設した。倉庫という言葉は、財宝という意味であり、つまりとても重要な財産をエジプト人が保管していた場所であり、巨大な貯蔵庫であったと考えられる。

17.追加の数字

 トーラーでは、世界は7日間で創造されたと記されているが、12という数字への愛情も強い:ヤコブには12人の子供がおり、大祭司には12部族を表した12個の宝石が入った箱があり、モーセも12人の斥候を約束された土地へ派遣した。

18.言葉の表現

 英語のトーラーの名前を見てみると、書物の内容に関連したものであり、ヘブライ語では他の名前も存在している。出エジプト記はExodus、つまり「脱出」であり、出エジプトに関連している。レビ記はLeviticus、「レビのトーラー」であり、祭司の規定に関する書物であることを表している。申命記(ヘブライ名”ドゥバリーム”)はDeuteronomyと呼ばれ、ヘブライ語の名前の音に似ているにも関わらず、言葉の意味は「二次法」であり、又はヘブライ語でも時々申命記が呼ばれる名前「トーラー注解書」と呼ばれることからである。

19.10×10

 最初のアダムからノアを通してアブラハムまで丁度20世代あり、アダムからノアまで10世代、ノアからアブラハムまで10世代と二つのグループに分けることも出来る。

20.誰が「乳と蜜の流れる地」と言ったか?

 イスラエルの地を表すこの言葉を誰もが知っている。その起源はトーラーであり、燃える柴の木で初めて言及されており、神がモーセに対して約束された土地へその民をどのように導き、その地は乳と蜜の流れる地であると伝えている。

21.40対40

 何故荒野でイスラエルの民は40年間さまよったと描写されているのか考えたことはあるだろうか?何故20年や50年では無いのか?その理由は斥候の罪と関連している。斥候は40日間派遣され、殆どが約束の地に関する嘘を伝え戻ってきた。民はそれを信じ、エジプトに戻ることを要求した。斥候の40日間の派遣に対し、40年間さまようこととなったのだ。

22.トーラーの首相達

 多くのイスラエルの首相の名前は聖書の人物の名前だ:モーシェ・シャレット、レビ・エシュコール、イツハック・ラビン、イツハック・シャミール、シモン・ペレス、ビニヤミン・ネタニヤフ、ナフタリ・ベントなど、実際にモーシェ・シャレット以外の名前は全員創世記だ。

23.創世記のふすだしう

 ふすだしう(ビーナッツ)というヘブライ語の言葉は、創世記で唯一の言葉(つまり聖書全体で一回のみ言及)である。ピーナッツはイスラエルの地の名産品の一つで、ヤコブがエジプトの責任者(実際には息子のヨセフであったが)へ送ったものだ:「それではこうしなさい。この国の名産を器に入れ、携え下ってその人に贈り物にしなさい。すなわち少しの乳香、少しの蜜、香料、もつやく、ふすだしう、あめんどう」(創世記43:11)。ところでふすだしうとはピスタチオ(ナッツ・アカシアの実)のようで、皆がお店で買うようなピーナッツでは無いようだ。

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