パレスチナ当局は、総選挙中止の地盤を準備中

 1か月後に西岸地区とガザ地区の約250万人のパレスチナアラブ人が、15年ぶりにパレスチナ議会選挙に投票する予定である。しかしここ数日間パレスチナ自治政府が、総選挙が無期限に延期される可能性について世論を準備しており、実際には中止される予定であることが明らかになった。

 総選挙延期の公式理由は、イスラエルが今までに東エルサレムに於ける選挙の実施を許可しなかったことになっている。以前からの経験では、イスラエルはパレスチナ人の要求に対して無回答又は無視することが予想されている。現在イスラエル治安部隊は、東エルサレムでの選挙活動を防止しており、ホテルや式場での選挙集会や記者会見などの政治活動を試みる活動家や候補者を逮捕している。

 パレスチナ人は国際キャンペーンを引き起こす為に、主にEU諸国を対象とした公衆の面前で活動し、イスラエルに圧力をかけて総選挙の実施を可能とさせるようにしているが、同時に彼等も分離壁のパレスチナ自治区にある東エルサレム居住地内や、外国の領事館内に投票箱を設置するなどの東エルサレムでの独創的な解決案を推し進めることもしていない。

 今回の延期を選択した本当の理由は、ファタハが同じ有権者に対してだけ争っている3つに分かれた政治的分裂と、弱体化した状態で選挙に臨むことが理由のようだ。同組織の公式政党、マルアン・バルグッティの政党とムハマッド・ダフランの政党だ。ファタハが勝利する確率を最も少なくする有権者の分裂は、ハマスが統一され整った1つの政党で総選挙に臨むことが予想されているのに対して起きている。

 ここ数日間ファタハの上層部では、総選挙実施に関して不明確で矛盾している発言ばかりを続けている。アブマゼン顧問のナビール・シャアット氏は一昨日、「総選挙を延期したくないが、もしイスラエルに対する国際世論の圧力が失敗すれば、その可能性もある」と公言した。しかしアブマゼンの右腕でありスポークスマンであるナビール・アブ・ロディナ氏は、昨日総選挙は予定通りに実施されるが、エルサレムがレッドラインであり、EUはイスラエルに対して東エルサレムでの総選挙実施に同意させることを強要することは出来ないとも語った。

 ハマスもこれらの発言を利用し、ファタハを打ち破る為に総選挙延期を検討している。「東エルサレムでの総選挙実施に対するイスラエルの拒否のせいで総選挙が延期されるならば、敵に対する降伏とみなされる」と、ハマス副リーダーのサラッフ・エルアアローリ氏は公言し、パレスチナ当局に対してはイスラエルが反対しようが東エルサレムでの総選挙実施と、もしイスラエルが選挙を妨害するならば反対運動が起きる恐れがあると呼びかけている。ハマスの非難に対してナビール氏は、「一部は我々が総選挙を延期する言い訳に東エルサレムを利用していると考えているようだが、民族の一部が参加できない総選挙を実施したくないだけだ」と反論している。

 現在イスラエルは、西岸地区からのハマスの活動家や上層部、パレスチナ議会立候補者数十人の逮捕作戦を継続している。これらの逮捕はガザに於けるハマスのキャンペーンを妨害し弱体化するのが目的であるが、イスラム原理主義組織はラマダンの月を利用して、人で一杯のモスクの中で選挙活動をし、ハマスへの支援を強化している。

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