パレスチナ出稼ぎ労働者のワクチン接種が拡大

 シケム地方に在住する数千人のパレスチナ人労働者達が、ワクチン接種会場が設置された、サマリア地方のバルカン工場地帯にあるディポーバッド工場のハンガーに早朝集まった。ワクチン接種作戦は先週開始したパイロット後に入植地にも拡大され、昨日は検問所での接種も開始した。バルカンでは赤ダビデの星が描かれた段ボール箱を使用して囲まれた、即興の接種室会場が設置された。

 パレスチナ人労働者達は、工場地帯の工場毎のグループで到着し、各工場に接種時間が事前に決定されていた。接種会場入り口には密集した列で並び、入口に座っていた二人のイスラエル軍女性将校達にIDを見せた。会場内には救急医療代表者達が待機しており、モデルナ社製のワクチンを接種した。

 「注射が怖い」とジャムイン村のジハッド・ハジ・アリ氏は語った。「痛いし、針も大きい。クウェートで接種をした若者が数時間後に死亡したとも聞いた。列に並んでいるけれども悩んでいる」と語った。最終的に彼は恐怖に打ち勝ち、最初のワクチンを受けた。「2回目の接種でまた4月に合おう」と言って去った。

 同じ村の住民で、ハジ氏と一緒にバルカン工場地帯のビレッジ・エッグ工場で仕事をしているムスタファ氏は、ハジ氏の言う事に賛同して彼の手を握った。「ワクチンは我々を救ってくれる。我々は一緒に住んでおり、イスラエルは正しいことをしている。我々を無視することは不可能だ。パレスチナ当局は市民を大切にせず、ワクチンを購入していないが、我々はイスラエルで労働をしているのでイスラエルにその責任がある。労働者だけではなく、パレスチナ民族全員を接種する必要がある。イスラエルがする義務がある。我々も人間だ」と付け加えた。

 「コロナに関してパレスチナ当局に対して大きな批判がある」と接種を受けに来た若い労働者のイアス氏は語った。「また感染が拡大しており、アブマゼンはワクチンを用意していない。オーナーには我々だけではなく、家族も全員接種を受けられるようにお願いしている。コロナは相手を選ばずに全員に感染する」と語った。

 パレスチナ人労働者ワクチン接種作戦は、先週実施されたパイロット後に今日から開始した。この作戦枠内で、ユダ・サマリア地方に4か所の接種会場が設置された。アリエル、バルカン、ミシュール・アドミームとエフラットだ。これらの接種会場は、イスラエルとパレスチナ当局との検問所に設置された他の8会場に追加され、もう一か所がエルサレムの近くにあるアタロット工場地帯にも設置された。

 これらの接種会場では、ユダ・サマリア地方で有効な労働許可を持っている約12万人のパレスチナ人労働者にモデルナ社製ワクチンが接種される予定で、その内の約8万5千人がイスラエル国内(1967年国境線)、約3万5千人が入植地で働いている。

 国防関係者によると、赤ダビデの星、民政、イスラエル軍、ユダ・サマリア地方議会が強力して行われる接種に、毎日700~1千人の接種を受けさせるのが期待されているとのこと。しかしユダ・サマリア地方(西岸地区)には約280万人のパレスチナ人が住んでいるとのパレスチナ当局のデータによれば、この接種数はとても低いものと考えている者もいる。「政府レベルの決定であり、もしかすると接種作戦も拡大するかもしれない。しかしこれらの12万人の労働者は、毎日直接イスラエルへ来る人達である」と同関係者は語った。

 ユーリー保健大臣はバルカン工場地帯を訪問し、サマリア地方議会議長のヨッシー氏と共に接種会場を開設した。「コロナはユダヤ人かアラブ人か判別しない。我々はパレスチナ当局がしていないことをする。この接種作戦によって経済が再稼働するであろう」とヨッシー氏は語っている。

 今回は、イスラエルがパレスチナ人に対して直接支援をする稀なケースであり、パレスチナ当局を通じて支払われる支援金や給料でもなく、アラブ諸国を仲介して行われる人道的支援でもない。

 「とても感動的で、オーナー達や労働者達が接種を受けに多数来ているのは嬉しい。結果的に相互の経済的・健康的関心事であり、一つの疫学空間であり、全員で感染防止を努力する必要がある」と、民政雇用担当副主席補佐官であるミハル氏は語った。

 エフラット地方議会議長のオデッド氏も同様の事を語っている。「この接種作戦は、コロナによって相互の隣人関係がどれほど重要なものかを学ぶチャンスから生まれ、入植者達とパレスチナ人達がお互いに手を組んで、より良い関係を築き上げることが出来る」と語った。

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