ハヌカ祭の律法や習慣

 今年のハヌカ祭は木曜日の夜から開始し、最初のロウソクは2020年12月10日から始まって最後は2020年12月18日の金曜日となる。

●ハヌカ祭の特別な律法はロウソクに火を灯すこと

 ロウソクの数:第一日目に一本、毎日ロウソクを増やしていき、八日目には八本のロウソクに火を灯す。ロウソクの量が不足している人は、一本だけでも火を灯すこととなっている。ハヌキヤ(9本枝の燭台)を使う義務はないが、ロウソクは隣同士で一列に並べる必要がある。

 ハヌカ祭のロウソクの火を使用することは禁止されているので、もう一本のロウソク「シャマッシュ」と呼ばれるロウソクを追加する。このロウソクは、もしハヌキヤの光が必要となった場合に備えてのものであり、ハヌキヤのロウソクを使用しているのではなく、シャマッシュのロウソクを使用していると理解される。

 灯す場所:自宅の中でロウソクに火を灯すのが律法だ。一番最適な場所は、メズーザ(家のお守り)の正面となり多くの人達に向いている入口の横。又は多くの人達に向いている窓際で火を灯すことも可能だ。共同住宅だと建物の入口で火を灯したり、窓際で灯す人もいる。もしどちらも不可能な場合には、家の入口の内側で火を灯し、火を灯すことが重要となっている。

 シナゴーグでも、夜の祈りの時に祝福の祈りを捧げながら火を灯す習慣となっている。今年はコロナの影響でシナゴーグの屋外で火を灯すこととなった。シナゴーグで火を灯したとしても、自宅でも祝福しながら火を灯す必要がある。シナゴーグで火を灯す習慣があることから、公共場所でも火を灯す習慣となり、これによって「奇跡の通達」を実行している。公共場所でも祝福の言葉が必要としている人もいるが、多くは祝福は必要ないとしており、「ハネロット・ハラルー」と、灯した後に歌う「マオズ・ツール」のみとなっている。

 火を灯す場所は、障害が無い最低でも30分は火が付いている場所である。ロウソクの火を消す恐れがある風が吹くような場所では禁止されている。屋外で火を灯す場合には、ガラス容器で守られたものや、ガラス製のランタンに灯すことも可能だ。

 火を灯した後には、最低でも30分はそれを移動させることは禁止されている。車のような可動式のものの上で火を灯すことは禁止されているが、奇跡の通達を目的としているならば許可されており、ただしその場合には祝福の言葉は必要ない。

 灯す時間帯:日没後に火を灯す習慣で、一部では最初の星が出た時に灯す習慣もある。金曜日の夜や、外出しなければならない場合には、昼の祈祷時間の時に先に祝福して火を灯すこともyるされており、その時には日没後に最低でも30分間火が消えないように大きなロウソク、又は油の量を使用する。どちらにしても日没時間に可能な限り近い時間で灯すことが優先される。

 日没の時間帯で火を灯せない人は、通りに人通りが多いのであれば祝福して灯すことが出来る。家の中で灯す人は、夜明け前までに祝福しながら火を灯すことが出来るが、自分以外の人が一緒にいてロウソクを見ていなければならない条件となっている。もし自分以外に誰もいない場合ならば、祝福しながら灯しても良いという人達もいる。

 習慣の殆どでは、安息日用の燭台に火を灯す前にハヌカのロウソクに火を付け、安息日明けは最後の祈りが終わった直後となっている。安息日用の燭台の後に火を灯しても可能であるが、安息日をまだ受け入れておらず、まだ安息日に入っていないのが条件だ。一部の人達は、安息日明けの夜の祈りでシナゴーグに来る前に自宅で火を灯す習慣もある。

 灯す人:全員がハヌキヤのロウソクを灯す義務がある。女性も男性と同様に灯す必要がある。火を灯す義務は家そのものにかかっており、スファラディ―系ユダヤ人(有色人系)の家庭では、家全体用に一個のハヌキヤに火を灯す。アシュケナジー系ユダヤ人(白人系)は、老若男女一人一人の為に一個ずつハヌキヤに火を灯すが、夫婦は同じハヌキヤを一個使用したり、一部には女性を数に含めずに、火を灯すのも男性のみという習慣もある。

 もし家族構成人数が多い場合には、各自違う場所で火を灯すことが推薦され、こうすればハヌキヤに灯されるロウソクの数も増えるし、全ての入口や窓際に置かれて奇跡と通達を実行することとなる。

 灯す燃料:オリーブオイルが推薦されるが、全ての油や全ての芯、全てのロウソクはハヌカ祭ロウソク用にコーシェルでなければならない。電気で灯すことは許されていないが、しかし他の点火方法が無い場合には、何もしないよりかは電気で灯すことが許可されている。

 屋外:家のない場所でハヌキヤに火を灯すことは禁止されている。もし旅行中で外泊したとする。他人の家に宿泊し、もし兵隊専用の部屋や、寮生の学生や、ホテルに宿泊している観光客のように自分専用の部屋があるならば、滞在している部屋で祝福しながら火を灯すことが出来る。もし自分専用の部屋がないならば、ロウソクに火を灯す為にシンボル的な料金を支払って家主と一緒に参加することが必要である。

 灯す順序:ロウソクは右から左へ並べて行き、新しく追加したロウソクがある左から右へ毎日点火していく。シャマッシュを使って他のロウソクに火を灯すか、シャマッシュを固定させてそこへ他のロウソクを持ってきて火を灯す。ハヌキヤのロウソクとは別々に、シャマッシュにはまた違うロウソクを使用して火を灯し、シャマッシュは火を灯す律法とは関係が無いことを明確にする方法を使用する人達もいる。

 祝福:第一日目には3つの祝福がある。「レハドゥリク・ネル・シェル・ハヌカ」、「シェアッサー・ニッシム・レアボテイヌー・バヤミーム・ハヘム・バズマン・ハゼ」と「シェヘフヤーヌー」だ。それ以外の日には「シェヘフヤーヌー」の祝福は言わない。

 火を灯した後に、「ハネロット・ハラルー」を歌い、詩篇の一部や歌を歌うのは各出身地によって様々だ。最も有名な歌詞は「マオズ・ツール・イェシュアティ」である。

 火が灯っている時間:ロウソクは点火後に最低でも30分間は火が付いていなければならない。ロウソクを見ている人達がいる場合には、可能な限りロウソクの火が灯るような場所を用意する。

 しかしこの時間を過ぎればロウソクの火を消しても良い。もし外出する必要があるならば、火を消しておく方がいいだろう、何故なら火事の原因になりかねないからだ。油を使用している場合には翌日も同じ油を使ってもいい。ハヌカの最終日に、ハヌキヤに残った油や芯を全て捨てるか焼いてしまう習慣があり、使用できない聖別されたものというのが理由だ。全く使用されなかったロウソクや油と芯は聖別されていないので、他のことにも使用して良いこととなっている。

 祈祷と祝福:立ち祈りと食事の祝福に、ハヌカ祭の祭日中は「アル・ハニッシム」を追加する。祝福を終えていたならば、立ち祈りを感謝の祝福である「ベレハ・ナエー・レホドット」で終え、食事の祝福は「ボネー・イェルシャライム」で終える。また食事の祝福の最後に「ハラフマン・フー・ヤアセ・ラヌー・ニッシム・ベニフラオット」を追加する。

 ハヌカ祭中毎日朝の祈りの時の立ち祈り後に、祝福でヒレル・シャレムを言う。聖書を読んだり、祭壇を落成した時に犠牲となった祭壇担ぎの犠牲朗読箇所(出エジプト記)を読む。毎日第一章から第七章まで一章ずつ読み、最終日に注釈部分や、アロンによって神殿でメノラ―に点火された箇所など全ての個所を読む。

 祭日:ハヌカ祭には安息は無く、創造と労働の禁止は無い。しかし一部では、ハヌカの奇跡を受け入れている印として、ロウソクの点火後30分間は女性は一切火事を行わないという習慣がある。ハヌカ祭中は断食も追悼も無い。

 食事:ハヌカの特殊な食事律法はないが、様々な国から来たユダヤ人はこのお祭りに特殊な食事文化を発展させた。乳製品を食べる習慣が多く、これもイェフディットが異邦人統治者であったホロフランスにこれらの食事を与え、眠らせてから殺したという話を記憶するためである。

 イスラエル人のメニューとハヌカの歌の歌詞には、油で一杯の二種類の食べ物がスターとなっており、それらはレビボットとスフガニヤだ。健康志向はこれらの食べ物にもやってきており、太るお祭りの食べ物にも低脂肪や健康バージョンのものを見つけることが出来るようになった。

 ハヌカ祭の習慣:ハヌカ祭には二つの個別に存在している習慣があるが、今ではそれらも一緒くたになっている、ハヌカ小遣いとコマ遊びだ。

 ハヌカ祭で子供達に小遣いを配る習慣は、それ以前に行われていた会衆の教育施設への寄付金集めが元になっていると思われる。ハヌカは聖書と精神の勝利祭であり、この時期に聖書を学ぶ施設を強化することが理由となったのであろう。

 しかしコマ遊びの起源は少々疑い深い。これはヨーロッパの異邦人の環境から来たとされており、コマの表面に「ネス・ガドール・ハヤー・シャム」(N.G.H.S)の頭文字四文字を付け加え、ユダヤ化したものと考えられている。ユダヤ人がイスラエルへ帰還し始めた時にそれもヘブライ語化されて、「ネス・ガドール・ハヤー・ポー」(N.G.H.P)に変わった。

 これらの二つの習慣は一つとなり、子供達がハヌカ小遣いを受け取ってもコマ遊びはしなくなった。大人もハヌカ祭ではボードゲーム、サイコロやトランプで遊ぶことが習慣となった。色々な世代の偉人達は、この習慣が全くお祭りに関係なく、精神を鍛えて聖書を学ぶためのお祭りだと口を酸っぱくして注意してきた。ただハヌカ祭の精神の強化によって、特別な聖別も無いお祭りの雰囲気を組み込んで、少し普段より頭を柔らかくするのも可能ではないかと思われる。

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