何人のイスラエル人が1回目の接種を受けたか?ネタニヤフ首相は、デンマーク首相とオーストリア首相との共同会見で、16歳以上のイスラエル人の90%が接種済みと主張した。保健省が発表しているデータを良く見ると、ネタニヤフ首相は数値を正確に伝えていないことが分かる。
感染していない16歳以上のワクチン接種対象者のみだけを見てみると、82.2%が接種を受けたというデータになる。これも素晴らしい数値であるが、90%の接種率ではない。ネタニヤフ首相はフォックスニューズのインタビューでも、90%がワクチン接種済みと語っている。イスラエルのワクチン接種作戦に関してはネタニヤフ首相は、「アメリカでは人がワクチンを待っているが、イスラエルではワクチンが人を待っている。老人から開始したが、今では対象者誰でも接種が受けられる。イスラエルは世界で最初にコロナ禍から脱出する国だ。グリーン・パスでレストラン、劇場、映画館やスポーツ観戦も可能となる。我々は現状を打破する」と語っている。
また「勿論コロナが完全に終息したとは言えないし、まだマスク着用も必要であるが、峠は通り越した。我々は将来を見据え、将来の為のワクチン製造センターをイスラエルに作ろうと語り合った」とも語った。
保健省のスポークスマンによると、毎日ワクチン接種状況、接種者と回復者の情報が発表されている。今朝6時半の最新の報告書によると、105万2千人のイスラエル人が未接種であると記されている。
保健省によるとイスラエル人の12%が未接種だ。という事は88%が接種済みという事になるが、これは正しくはない。何故なら88%には16歳以下の子供達と、つい最近まで接種対象外であった感染回復者が含まれているからだ。保健省のデータによると、253万2千人の子供達が対象外となっており、66万6千人が感染回復者となっている。
保健省の最新の情報によると、485万5,002人のイスラエル人が接種済みだ。つまり接種対象者合計数は590万7,002人であり、これが基本数ということになる。ネタニヤフ首相は、感染回復者と16歳以下の対象外の数を接種済みの数に入れてしまい、ここから首相と保健省が提示したデータの相違が発生している。
誰がまだ未接種か?ここも保健省のデータは不正確である。保健省の発表では、一般セクターの61万5千人のイスラエル人が未接種であり、アラブ人セクターは43万人、ユダヤ教徒セクターは15万8千人となっている。もしこれらの数字を全て足すと120万3千人が未接種ということになり、保健省が発表した105万2千人とは違う。
もし対象者でありながら120万3千人が未接種であるならば、接種率は80%ちょっとという事にある。これは本当に素晴らしい接種率であるが、近日中か数週間後にネタニヤフ首相が言っている数値に到達する期待がある。
これと関連したことであるが、あるテレビ局では数週間前に間違えて1回目と2回目の接種率を足してしまい、それを全体の接種数と計算してしまった。この間違いは直ぐに修正されていたが、もし同じ間違いをしたとすると、1回目の接種率52.48%と2回目の接種率38.78%を足せば90%以上の接種率という事になる。つまり91%以上のイスラエル人が1回目の接種を受けたというのは完全な間違いだ。
同様な間違いが接種者の情報を提供しているインターネット上でも見られ、1回目と2回目の接種の違いを区別していない。