ユダヤ暦新年は、まだ気温も高く、ほとんどの地域の景色も乾燥して黄色になっている夏の終わりから開始する。しかし勇気ある花が最初に土から芽を出し、お祝いの白色で開花する。冬が来る前の水に入る旅行も最後となるであろう。ティシュレイの月にお勧めの観光スポットだ。
●テル・ヨドファトで数千のカイソウ
カイソウと浜百合は「秋を告げる」花として考えられているが、実際には夏の花であり、カイソウは8月半ばから開花し始める。ティシュレイの月の祭日期間には、カイソウ開花地域への旅行が理想的だ。
カイソウのスポットの一つは、下部ガリラヤにあるテル・ヨドファトで、イスラエル国内でも美しく興味深い考古学遺跡の場所である。遺跡以外に、テル周辺の景色は美しく、秋が近づくと丘の斜面を白色で覆う数万のカイソウが開花する。
このテルには旧約聖書時代と第二神殿時代のユダヤ人集落が存在していた。西暦67年に起きたユダヤ人のローマに対する第一次反乱でこの町は要塞化され、47日間の兵糧攻めに耐え、最終的にローマ軍は町の攻略に成功し、根元から破壊して住民の殆どを虐殺した。テルを一周できる短い散歩道が付いており、健脚な人はアツモン山が展望できる場所まで歩いて行けるが、現場に着くまでには車が凸凹道で良く跳ねるのを覚悟。
●「メショシェイ・ザビタン」のプール水泳
冬が始まるちょっと前、祭日期間にとても暖かい日が数日続く。しかし7月や8月のような暑い日ではない。水旅行には最も適した時期であり、ザビタン川のような真夏の猛暑日に歩いて旅行できないような困難なコースでも歩けるようになる。
ザビタン川はゴラン高原に流れる川の中でも美しく、健脚な人達ならば上流徒歩コースを歩いて行くと「メショシェイ・ザビタン」があり、深く水が透き通った水溜めで周りには素晴らしい玄武岩の岩肌で覆われている。ゴラン高原にあった火山から流れたマグマが削っていった証拠である。
プールで泳いだ後にザビタン滝の展望台まで徒歩コースが続いており、そこから右に曲がって滝まで下りて行くことを推薦する。滝までの道は急な勾配で困難だが、滝の麓にある約8mの深さがある二つのプールにまで辿り着くことが出来る。そこから駐車場に戻るまで約45分はかかるだろう。
ザビタン川は国立公園であるイェフディヤ・フォーレストの敷地内を流れており、スナップリングを利用して行くことが可能な「ブラック・ゴージ」コースもある。