チュニジア:「政府の後ろ盾」で、ユダヤ人に対する暴力の波

 今日(4月8日)ホロコースト記憶日に、チュニジアのジェルバのユダヤ人会衆に深刻な攻撃が起きている。2人の現地人の男性が「祭司の島」にあるユダヤ人地区にやってきて、自宅前にいた20代のユダヤ人女性の首を長時間絞めていた。

 幸運にも通行人が事件を察知し、襲撃者達を追い払うことに成功したが、地元の警察でも未だ犯人を確定できていない。ユダヤ人会衆では、今回の事件はチュニジアのユダヤ人会衆に対して日常的に暴力が行われている結果の一つであり、今年1月にチュニジアのケイス大統領の物議をかもす発言から始まったとのこと。

 今回の襲撃事件は、日中でユダヤ人地区の女性宅付近で起きた。警察が現場に到着した時には、警察官は強盗未遂と主張していたが、会衆では警察も反ユダヤ主義である感情が拭えないとのこと。

 先週もユダヤ人の10歳の子供が襲撃された事件が同地区で起こり、イスラム教徒の現地人によって殴られた。この事件でも警察は誰も逮捕していない。

 チュニジアのユダヤ人会衆は約1,500人で、警察もユダヤ人ドライバーに対して嫌がらせをしており、警察の関係者もユダヤ人会衆に対し、ユダヤ人は最近起きている衝撃事件に関して警察は何もしておらず、国際社会の圧力のみがこの状況を変化させると伝えた。

 チュニジアのユダヤ人会衆は、ラビ・ハイムを筆頭としてジェルバの島に大きなユダヤ人地区があり、彼等の考えでは第一神殿時代から聖書と律法を守っているユダヤ教徒達だけが住んでいる。イスラエル以外で古い会衆の一つであり、イスラエル伝統の厳格な守りが特徴となっている。コロナ禍以来、ラビ・ハイムを筆頭とする会衆委員会の決定に従い、同国保健省の規制を市民は厳守した。

 今年1月にチュニジアのケイス新大統領は、チュニジアの首都で視察中に、公衆の面前で国内の不安定な状況の責任はユダヤ人にあると発言した。ユダヤ人組織やヨーロッパ・ラビ委員会ではケイス大統領を非難し、同国内のユダヤ人会衆の安否に懸念を示した。

 モスクワのチーフラビで、ヨーロッパ・ラビ委員会会長であるラビ・ピンハスは、「よーろ・ラビ委員会は、ジェルバのユダヤ人達に対して起きている襲撃事件を心配して見守っており、現地警察の無力さにも懸念している。委員会はチュニジア政府に対し、同国内のユダヤ人の安全と健康の責任は政府にあると伝えた」と述べた。

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