シュバットの月(1~2月)花咲くイリスと流れ落ちる滝

 白い雪に覆われたヘルモン山の手前にレバノン・イリスが咲き、雨のお陰で川には水が流れ、春が近づいている事を告げるイリス・アトロプルプレアが咲いている。シュバットの月にお勧めの観光スポットだ。冬のピークは白い山頂と増水した川のドラマチックな景色を短い期間にもたらし、それらを見逃すことはお勧めしない。またこの時期には特別で珍しい花と出会えることもできる。

●ベンタル山のヨーロッパ風の花旅行

 ベンタル山はゴラン高原の北東に位置する休火山であり、冬の時期にとても美しい旅行の一つを提供してくれる。そこから展望できるヘルモン山は、既に雪で覆われている。

 寒さに反してこの山は、イスラエル国内で最も美しく珍しい花が二種類花咲く場所である。青色のレバノン・イリスとピンク色のグリーク・シクラメンで、その形状は特殊で国内の他の場所に咲くシクラメンとは違っている。

 散策はヤルムーフ川の排水流域の洪水を堰き止める、ベンタル貯水池に近い959号線の隣にある野原の駐車場から始まる。

 山の麓に駐車することになるが、登山を開始する前にお勧めするのが近くにあるブラウン池自然地区へ立ち寄ることだ。この池は玄武岩の窪地を形成された後に約4メートル深さの湖に変わり、年中水が無くなることは無い。アラビア語では「バブ・エル・ハワ」(風の門)という名前が付けられている。

 駐車場の野原から「ゴラン・トレイル」(白・青・緑ライン)のマークに従い、959号線に沿って北に向かって歩くと、「風の門」に関しての案内板があり、そこでトレイルから外れて左に曲がり、自然地区を囲っている印の無い農道を歩く。その農道の両側にピンク色のグリーク・シクラメンが開花しているのを探してみる。歩き易い農道を30分ほど歩くとまた959号線に出るので、そこから道路に沿って他の車に注意しながら駐車場に戻る。次はベンタル池の隣にある「ゴラン・トレイル」を南に歩こう。もうそこから道の両側にレバノン・イリスの青い花が咲いているか探索し、開花の季節であれば数百本の花が見られるのは約束する。

15分くらい歩くとトレイルは赤色のトレイルと合流し、そこからベンタル山の山頂へ比較的に勾配が緩やかな道となっている。

 全ての花は保護されており、一部はとても希少である。触れることも持ち帰ることも固く禁止されている。

1時間半かけて山頂まで登る(車で山頂まで行くことをお勧めします)と、ベンタル池、ヘルモン山とゴラン高原の素晴らしい景色が見渡すことができ、山頂には第三次中東戦争で放棄されたシリア前線基地跡にあったイスラエル軍前線基地が復元されており、その横に「コーヒー・アナン」という喫茶店がある。

 基地にある塹壕とトーチカ―に入ることもでき、各スポットに設置してある自動案内機に耳を傾けるのも良い。ゴラン高原、ヘルモン山とシリア領クネトラ市の素晴らしい展望台もある。

 「ゴラン・トレイル」に沿って歩き続けると、もう一つの放棄された基地に辿り着き、近くのアビタル山の火口跡を展望でき、そこから9882号線へ下って行くとキブツ・マローム・ゴランの入口に到着する。そこから道路に沿って北上していくと959号線と合流するので、そこを右に曲がって車が置いてある駐車場まで戻って行ける。

*要注意:

 アビタル山の山頂にはイスラエル軍監視所があります。山頂にはカメラを向けないように気を付けてください。そちらにカメラを向けて写真を撮影していると、直ぐに軍のパトロールカーがやって来てカメラを没収されます。

●サアルの滝に暴風雨の後に行く

 サアル川はゴラン高原とヘルモン山脈との地理的な境界線となっており、バニアス川の源泉から300m下流で合流している。この川には二個の大きな滝があり、小さい滝は数十個ある。自然のままであればこの川には年中水が流れているのだが、ヤアフォーリー・バレーの泉から水を汲み上げていることにより、冬の雨と暴風雨の後にしか水が流れなくなってしまった。でも水が流れている時の景色は圧巻である。

99号線(キリヤット・シュモナからマスアデー方面)で、ニムロデの要塞の曲がり角の約100m手前、道路の右側に大きな駐車場が見えてくる。そこに車を置いて道路を反対側に渡り、そこから3段の滝が展望できる。上段と下段の滝は高さ8m、中段の滝の高さは20mもある、これがサアルの滝だ。そこからトレイルをちょっと歩くと川にかかっている橋まで行ける。入場は無料。

●ネス・ツィヨナ・ヒルの真っ赤なイリス

 イスラエル国内のイリスの中で、最も美しいのはホール・イリス(Oncocyclus Iris)である。特殊な花の形状からこの名前が付いており、自然国立公園のシンボルともなっている。世界には約30品種のホール・イリスが存在し、全品種が中東だけに存在している。その中の9品種がイスラエルに生息し、1品種だけを除いて他の品種は他の国には存在しないイスラエル固有の品種となっている。

 イスラエル固有イリスの一つはイリス・アトロプルプレア(深紅のイリス)であり、以前はアシュドッドからビニヤミナまでの沿岸平野の砂浜と砂岩尾根に分布していたが、この地域の開発が生息地に被害をもたらし、今日では深刻な絶滅危機に瀕している。

 イリス・アトロプルプレアは、1月から3月の間に開花し、開花のピークは通常2月半ばとなっている。その色は濃いボルド色から黒色であり、「赤毛イリス」と呼ばれている黄・橙色の花も稀に見つかることがある。

 イリス・アトロプルプレアはネス・ツィヨナ・ヒルでその雄姿を見ることができ、現場は自然公園となっている。現地の主要トレイルは徒歩と自転車用になっており、約2.5kmに及ぶ「丘を守る道」と呼ばれたサークルコースで、数か所のスポットとイリスが咲き乱れているスポットを通っている紫色で印付けされている。

 ネス・ツィヨナのハシルヨン通りのサークル交差点の近くの駐車場から、砂岩尾根を通って歩いて行けるようになっている。またこの丘はまだ印の付いていないトレイルが交差している。

 イリスはベイト・ハナンの近くにあるイリス・アトロプルプレア自然地区、ネタニヤのイリス・アトロプルプレア自然地区シャアル・ポレグとポレグ川、ハデラのアイン・ハヤム居住区の近く、ゲドール海岸自然地区カディーマ・フォーレストイラノット・フォーレスト、パルマヒームのフムラー・ヒル、リッション・レツィヨンのイリス・ヒルと、テルアビブでもアフェッカ洞窟で見ることができる。

 イリス・アトロプルプレアは保護された花で、とても希少である。触れることも持ち帰ることも固く禁止されている。また徒歩観光中にまだ咲いていない花を踏みつけないように気を付けてください。

イリス・アトロプルプレアはイリスの中でも早咲きで、春が近づいてくると他のイリスも咲き始める。紫色ギルボア・イリス、ヒョウ柄ナザレ・イリスや、ネゲブ砂漠で花咲く珍しい青色トビヤ・イリスなどである。

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