シバンの月(5~6月)ヘルモン山の開花とフォーレスト・プール

 ヘルモン山の特別な夏花と、荒野で開かれた「海水浴季節」と出会い、ハデラ・フォーレスト湿地帯の一部として残った湖の訪問。これらがシバンの月にお勧めの観光スポットだ。たった数センチの雪が、数千人の訪問者をヘルモン山にあっという間に呼び寄せ、数時間も渋滞に巻き込まれる。しかし雪が溶けるとほとんどのイスラエル人はイスラエルで一番高いこの山のことを忘れてしまい、次の冬にしか思い出さない。しかし夏の時期は、ヘルモン山の最も特別な時期となっている。

 冬の洪水の後と夏のピークの猛暑の前に、ネゲブ砂漠とユダの荒野に行くこともお勧めする。パーク・ハシャロンのフォーレスト・プールにも訪問する時であり、この時期は花で一杯の湖に変わっている。

●ヘルモン山の開花、イスラエルで高い場所のコース

 夏が始まり、国内の殆どの景色は乾燥しているが、ヘルモン山の山頂は春の始まりであり、開花のピークを迎えている。山頂ではイスラエルの他の場所には無い多くの花が咲いており、その場所には数百、もしかすると数千の多彩な蝶々が飛んでいる。

 ハブシット山コースは、ヘルモン山の山頂から下り坂になっており、国内で一番高い場所にあるトレイルである。このコースはリフトの最上駅(標高2,028m)から始まり、スキーの時期にしか稼働していないヘルモン山の入口にあるキャッシャー付近(標高1,472m)で終わっている。

 このコースにある突出した植物の一つは、ピンクの花と夏に熟す赤い果実を持つサクラ・プロストラータ(Prunus Prostrata)である。山の麓では、花咲く季節のピーク時には、カイソウを思い起こすエレムルス・スペクタビリスの密集した開花の柱群、鮮やかなオレンジ色のハゲ・ポピー、深い青紫色で開花するマウンテン・イキシオリリオン、明るいピンク色の花を持つオノブリーキス・コーナッタ(Onobrychis Cornuta)、黄色い花のヘルモン・アリッサム、明るいピンク色の花のイヌバラ、明るい青紫色の花を持つメソポタミア・イリスなどと出会える。この時期の初期の短期間で山百合も咲き、他の地域では開花時期が終了した二か月後となる。

 コースの道は、ギザギザに尖った石灰岩の山の斜面を曲がりくねり、雪が溶けた数週間後でもその途中で幾つか残雪が見られるかも知れない。また途中でカルスト洞窟の崩壊で出来たシンクホールや、スタラクタイト(つらら石)とスタラグマイト(石筍)も見ることができる。森林が密集しているヘルモン山の西側斜面麓が見える道では、視界が良ければレバノンのビュッフォート要塞の山頂が見ることもできる。

 ヘルモン山山頂からの違うコースは、シリアからヘルモンを奪還した時の激戦地があった地域を通っており、1973年のヨム・キプール戦争(第四次中東戦争)で最初シリアに奪われてしまった。しかし国境に近いことからこのコースは、自然国立公園のゴラン高原自然学校のガイドが週末に行うガイドツアーの枠内でしか可能となっていない。急斜面のハブシット山コースとは反対に、「戦闘の丘」コースはほとんどが平らで、家族旅行に適している。

 ガイドツアーは標高2,040mの展望台とレバノン山脈、上部ガリラヤ山脈、シリアとゴラン高原の説明から始まり、何故ヘルモン山が「国の目」というあだ名が付いたのかが分かる展望台だ。

 この地域では特殊で美しい花の開花季節になると、白紫色のヘルモン・チューリップ、スノー・ロムレア、空色と茶色斑点のヒョウ柄の花を持つ特に珍しいウエスト・イリスと出会うことができる。

●砂漠の海水浴季節、ツァフィーラ・プール

 多くの人は驚くだろうが、不毛の地であるユダの荒野の方が、涼しくて美しい水場が沢山見つけることができる。もし十分な雨が降ったならば冬の洪水の溜まり場があり、砂漠の「海水浴季節」がオープンされる時期である。洪水によって出来た小さい砂漠のプールが、水遊びや水浴へ旅行者を招いている。

 ユダの荒野で最もフォトジェニックな砂漠プールはツァフィーラ・プールで、ツェエリーム川の上流にある大きな岩のプールである。このプールは約100mの高さの大きな滝の上に位置していて、雨の洪水で水が溜まれば魅了的な景色が見える素晴らしい水場と変わる。実際には深さが違う三つのプールがあり、一番下のプールから展望ができる。

 ここに到着するには、Waseのカーナビアプリで「Tzeelim upper campground」と入力し、そこから歩いて(片道約1.5km)でプールまで到着できる。しかし上り下りが急で、プールへの下り道もとても急な勾配になっており、ハーケン(崖用くさび)の利用が必要で、崖の縁を歩いて行くこととなる。高所恐怖症又は山登りに不慣れな人には適していない場所である。

 駐車場から緑色の印が付いたトレイルを降りて行くと、ツェエリーム川(川は砂利道を二分して流れている)まで続いている黒色の印が付いた広い道につながる。ツェエリーム川に着いたら黒色のトレイルを離れ、次は青色の印が付いているトレイルで川岸の東側に上り、緑色の印が付いたトレイルに辿り着く(右に曲がる)。

 トレイルが交差する場所で素晴らしい展望が出来、緑色のトレイルに沿って急な勾配の下り道を行くと水溜まり場所に到着でき、それを注意して対岸に分かると、崖の端にある大きなプールに辿り着ける。

 キャンプ場に車をそのまま残していくことはお勧めしないので、クファル・ノクディームに車を残して、そこから北へ約3km歩いて行くとキャンプ場に辿り着ける。

●開花するフォーレスト・プールへの旅行

 春を代表するチューリップのカーペットが花咲き、それが枯れた草やトゲの黄色いカーペットへと変わっていくが、一か所だけハデラの近くにこの時期に開花のピークを迎えている場所がある。フォーレスト・プールだ。

 フォーレスト・プールは大きな湿地帯であった「ビリケタス」の名残で、マラリアを伝染させたハマダラ蚊の生息地で、ハデラ市の創設者達に恐怖をもたらした湿地帯の一つであった。最終的にほとんどの湿地帯は干拓されたが、ハデラ・フォーレスト南部にはアラブ人のアタ家族が所有していた土地の湿地帯が残り、今日までそれが保存されている。

 この池には降った雨水が四方から流れ込み、特に雨量が多い年には約400エーカーかそれ以上の面積の大きな湖に変身する。雨量が少ない年には夏の終わり頃に池は乾ききってしまう。

 この時期には殆どの池エリアは素晴らしいピンク色の花で覆われており、これがハナイだ。珍しい植物で、生息地であった湿地帯が消滅していることから絶滅危惧種となっている。

 一部はとても浅瀬になっており、目がいい人ならば、浅瀬や水溜りに浮いている、又は数千個の花で水面全てを覆っているアネモネの親戚となる白色と黄色の花を持ったウォーター・バターカップも見ることが出来るかも知れない。この池は動物の希少な生息地でもある。冬と春にはこの池に多くの水鳥がやって来て、一部は夏場でもそのままこの場所に残っている。またこの池は両生類にとっても重要な繁殖地となっている。

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