過越し祭前夜祭のワインはどのボトルが使用されるのか?「イスラエルのワイン販売の60%以上が、過越し祭と新年祭用に作られている」と、我々の地域で最古の製造産業の一つであるワイン産業の過越し祭に対する重要性さをレカナッティ・ワイナリー副社長のギル氏は語った。
イスラエル人が好むワインは赤ワインだが、ここ数年間ではローゼワイン、ゲベルツトラミネールをベースとしたワイン、洗練された口当たりの良いワインが増加している。
2020年はワインにとって良い年であり、コロナ危機に反してチェーン店や専門店での販売は二桁の数字で増加している。ワイン市場全体では、レストラン、式場、バーやホテルの閉鎖により、約4%の少ない増加であった。2020年の過越し祭では、イスラエル人が各家族で前夜祭をお祝いし、親戚へ祭日プレゼントとしてのワインを持っていく必要が無かった為にワイン消費量が低下した。更にギル氏によると、ワイン産業は輸出でも多大な減少で苦しんだとのこと、「コロナ禍によって主にアメリカへの輸出が減少した」。
全ての大手ワイナリー、カルメル・ワイナリー、バルカン、ゴラン、テッパーバーグ、セゲルやタボールなどでは販売が伸びた。年間4百万本を製造し、イスラエルで5番目に大きなワイナリーと考えられている、エルザ・ワイナリーとハヨツェル・ワイナリー社長アルエル氏によると、「2020年前半は販売が凍結したが、後半はとてもよかった。去年の新年祭は最も素晴らしい売上日の一つでもあった」と語った。
「現在我々は施設市場(店舗、チェーンストア、スーパー以外)の回復も見始めており、レストランやホテルに販売していた問屋も最近戻って来たが、この市場の回復には長い時間がかかると予想している。残念ながら閉鎖されたレストランが沢山ある。ワイナリーとして2020年は最高の状態で通り抜け、今年は嵐のように始まった」とも語った。
●イスラエルで最も売れているワインと市場を占める割合:
1.カルメル・セレクティッド 10%
2.バルカン・クラシック 8%
3.ハル・ヘルモン、ゴラン 7%
4.カルメル・プライベート・コレクション 6%
5.セゲル 6%
6.ヴィーゼン、テッパーバーグ 3.9%
7.バルカン・プレミアム 3.2%
8.カルメル・バズ 3.1%
9.テッパーバーグ・インプレッション 2.8%
10.ハル・タボール 2.4%
11.カルメル・ヴィノ 2.1%
イスラエルの大手ワインの関係者も、2021年はワイン産業に良い年になると考えている。「1~2月のワイン販売は、約23%の多大な増加を見ることが出来る。今年の2月にプリム祭があったのも売り上げの増加に関係している。今年の過越し祭も良い祭日となるだろうと予想している」と語った。
2020年は、約1千7百万リットル(2019年と比較すると12.5%の上昇)の消費量としてワイン市場の規模の増加が始まり、金額では約6億6千3百万シケルで2019年と比較して15.5%の増加となっている。金額の上昇が消費量の上昇より大きいのは、ワイン・カテゴリーの値上がり、又は高級ワインの販売増大という意味となる。
ハケレム輸入販売会社会長のアリエル氏は、主に上流社会の地位の人達のワイン消費にプレミアム傾向があると説明している。「特定のケースでは、式場市場での消費消滅を補ってくれた。イベントなどが無かった為に郊外での消費も減少したが、プレミアム・ワイン、モルト・ウイスキーやコニャックなどの高級アルコール品を自宅用に購入している。殆どバーに販売されていた、クワントロ・リキュールが自宅用に販売されている事を発見した。つまり皆自宅でカクテルを作っているということだ」と説明している。
プサゴット・ワイナリーとパンコ・インターネットサイトのオーナーであるヤコブ氏は、ワインのセグメント、特に高品質のブティック・ワインが2020年度の販売で特に上昇し、オンライン販売で数十パーセントの上昇を見せたと同意している。「ワインは文化と生活に関連しており、酔うためではない。ウイスキーの販売も上昇し、自宅で飲みながら楽しみ、騒ぐためではないからだ。それに反してイスラエルで良く売れていたウォッカが、式場やバーが閉鎖された為に数十パーセントも売り上げが落ちた。イベントやカクテル用の味が付いたウォッカの販売が最も下がっている」。
「アルコール消費量がコロナ禍で20%上昇したと発表されたのは、経済を理解する上で基本的な間違いである。発表されたデータは全てスーパーマーケットのものだ。スーパーでの売り上げはとても上昇したのは疑問の余地も無いが、消費は施設市場つまり自宅用であり、実際には市場全体でアルコール販売がとても減少しており、最もアルコール消費量が大きいのはイベントの分野なのは明確だ」とも語った。
最近チェーン店では色々な割引の表示が出ている。2本で55シケル、2本で50シケル、3本で100シケル、2本で100シケル、4本で1シケル、5本で100シケルや2本で36シケルさえもある。チェーン店では過越し祭に向けてこのような販売をしている。ワインを買うなら今で、過越し祭のお陰で値下がりし、製造元ではコストで突出した変動はないために、販売元が差額を被る。ヤコブ氏によると、「ワインの値段は5年間変動していない」とのこと。
「チェーン店が一つ有名なワインの値段を下げたら、他のチェーン店もそれに引っ張られる」と製造元は語った。「その時だけチェーン店はワインの損害を被ることになる。またホテルやレストランが閉鎖した為に、多くのワイナリーで在庫に困っているので大量に販売を必要とするところもある」。
つまり洗練されたアルコールの飲み物の高級なイメージに反し、スーパーマーケッでのト主な販売は35シケルまでのワインであり、この市場のカテゴリー販売全体の約84%を占めている。過越し祭では値段が20~25シケルまで下がる。25シケルまでで売られているワインが、このカテゴリー販売全体の約50%を占めている。
20~25シケルで販売されているワインのセグメントが最も成長している。ワインチェーン店でも、量的に販売されている約60%が60シケルまでのワインであることが、チェーン店、キヨスク、個人商店の一部やアルコール専門店を調査しているストアネクスト社のデータによって明らかになっている。
安いワインは質が低いのか?大手ワイナリーの1社は、「35シケルまでで売られている殆どのワインは、1年間だけ寝かせているのでより安い。35~60シケルまで売られているワインは2年間寝かせられており、飲みやすくフルーティでハーモニーがあり、イスラエルの消費者はこういうワインを好む。300シケルで販売されているワインもあるが、数年間寝かせている」と説明した。
アルエル氏によると、安い供給に反し、プレミアム化の傾向が継続しているとのこと。「新年祭ではボトルに対する支払が減少したのを見た。つまり安いワインを探していたのだ。例えば今までに100シケルのワインを買っていた人は90シケルの物を探しており、量は変わらないが支払金額が変わる。過越し祭では支払金額が多くなってきており、消費者は高いシリーズを買い始めている。我々の会社でも特に高品質で高いワインの要望が急上昇している」。
「またお祭り用のパッケージも成長しており、会社で乾杯が出来ない組織が多く、ズームで乾杯をするために、従業員にワインのパッケージを贈呈してバーチャル乾杯をしている。過越し祭のパッケージ需要は物凄い、こんな状況は今まで見たことが無い。もう少しで品質の高いパッケージの在庫が無くなりそうで、全部売れた。残念ながら対照的に寄付をお願いされるのも多くなった」とかなった。