キリヤット・シュモナからエイラットまで:都市自然

 まだ自然保護地区に行くことが出来ず、でも自然で少し息抜きをしたい人達にとっては、自宅付近の都市部自然を訪問する絶好の機会だ。環境省の支援の下、自然公園局の環境学者が実施した、約50か所の都市自然の枠内で、町の中心部には特別で小さな自然地域が沢山隠れていることが判明した。

 これらの調査結果は市長、設計士、地方行政区運営課に提出され、自然を考慮しながらの都市開発計画の継続を可能とさせる。また環境省の支援により、地方行政区は都市自然の改築計画や、都市自然の教育センター建設計画を提出すれば、運営予算を受けられることになっている。既に訪問可能な場所と近い将来訪問可能となる場所を紹介しよう。

◎北部

●キリヤット・シュモナ:パーク・ナハル・アイン・ハザハブ

 アイン・ハザハブ川は短い川で、旅行者も殆ど知らない市中を流れる川である。川の一部はハヤルデン通りとケレン・ハイェソード通りを流れており、キリヤット・シュモナの都市パークとなっている。

 周辺住民の抗議により川付近の建設が中止され、更に泉の水が自然に流れて行くように復元され、自宅付近を流れる川の水を住民が楽しめるようになっている。この場所の調査は2011年に実施され、自然保護協会のトレイルもある。

●ハイファ:ハカルメル・ワジ

 ハイファのワジ(水無し川)は、カルメル山の山頂から地中海へ流れており、町の緑化地帯となって素晴らしい景色を提供しており、自然が直ぐそこにあるために、普段は都市部付近に見られない様々な種類の動物や植物の生息地となっている。これらのワジは市内の殆どの居住区近くにあり、中心部から数分歩いた距離に位置している。

 散策に適したワジは、ハカルメル・センター付近のワジ・シェイフ、カルメリヤ居住区入口付近のワジ・アゾーブ、ハエム公園から出ているワジ・ロータム、ジブ・センターから始まるワジ・ジブ(付近の建設の影響が大きいが)、ハリアリ学校付近のワジ・オバディアワジ・アムラムハギボリーム川は川筋にハグランド・キャニオン・ショッピングモールが建設されて川の流れが変わったが、まだ散策することは可能だ。

◎ハシャロン(海岸地帯)

●ネタニヤ:ドーラ・プールと将校の林

 ネタニヤ市は、イスラエルで都市自然調査を最初に実施した町の一つであり、3か所の都市自然保護地区がある。サージェント林(将校の林)、ハアガム・パーク(ドーラ・プール)と深紅のアイリス保護地区が隣同士にある。最近では「イスラエル・トレイル」がネタニヤ市にも新しく印付けられてドーラ・プールを通るようになった。これらの場所は絶滅危機に瀕している植物や動物の生息地ともなっている。

●クファル・サバ:カプラン・フォーレスト

 この森は町の北東にある丘に位置し、入口は預言者フルダ通りの北側からとなっている。この森には季節ごとの様々な開花が見られ、春先に見られるマウンテン・チューリップとテルアビブ・アリウム(ネギ属)や、春の終わりに見られるメソポタミア・アイリスなどが主である。また森の外れからサマリヤの山々や付近のカリキリアが遠望できる。

 クファル・サバ市の生徒達はこの森で様々な生態学を調査しており、森林評議員グループが市民の森としてこの場所を管理している。

◎中央部

●ヘルツリア:ハホーレフ・プールとテル・ミハル

 シブアット・ハコハビーム・ショッピングモールと市営スタジアム付近にあるヘルツリア・パークは、在来種の植物や動物を含む絶滅危惧種の特殊な生息地である、「ハバアサ」と呼ばれる冬の間にプールとなる敷地を含んでいる。

 2008年に実施された調査では158種類の植物が確認され、深紅のアイリス、ハナイ、クロゾフォーラ(Chrozophora Plicata)のような5種類が絶滅危惧種、また水鳥のヌマセンニュウやヨーロッパ・ヨシキリも絶滅危惧種、両生類ではアマガエル、スペードフットや縞状イモリも絶滅危惧種であった。

 テル・ミハルでは、ヘルツリア市で最大の植物品種が存在し、全部で172種類もある。また様々な動物も確認されている。

●ブネイ・ブラク:独立の山

 ブネイ・ブラク市のシュマイヤ通りとハロハミーム通りの隣になる町の中心部に、3方向に急な丘がある砂岩の丘の自然地域がある。この場所はソコロブの丘や「仲たがいの山」とも呼ばれており、正面にあるもう一つの丘が「平和の丘」と呼ばれているからだ。

 丘の上には水道タワーやイスラエル戦争で戦死した同市の記念碑がある。南西の方向が最も素晴らしい眺めになっており、様々な植物が砂岩の斜面に咲いている。砂漠レタマ、サルビア・ラニゲラ、チムス・カピタツス、ハナキンポウゲ、ヤッフォー・ライナリア、更に絶滅危惧植物であるシレネもある。

●ラマット・ガン:テル・ハショメルの丘

 ラマット・エフアルとメソビーム交差点の近くにテル・ハショメルの丘があり、2008年と2018年に実施された調査によって発見された地域の高い評価の結果、今日ラマット・ガン市によって都市自然地区として計画されている。

 これらの調査では、約200種類の野生植物が発見され、その中にはテルアビブ周辺から殆ど消滅してしまった多くのジオファイトが含まれている。アネモネ、マウンテン・チューリップ、アナカンプティス・パピリオナケア(ラン)、オルキス・サンクタ(ラン)などである。また確認された動物では、鹿、カメレオン、ウズラ、ゴシキヒワやヤマアラシなどである。

●ギブアタイム:コズロブスキーの丘

 コズロブスキーの丘は、大テルアビブ圏では最も高い位置であり、標高85mとなっている。自然の砂岩地域であり、この地域に残った最大の場所でもある。2016年に実施された調査では146種類の植物が発見され、パンクラチュームやオルキス・サンクタなどを含んだ、その内の20種類が希少で保護された品種であった。また鹿などの動物も確認されており、イスラエルではこの数年で絶滅危惧種になっている。

●テルアビブ:ハフルショット・パーク

 ハフルショット・パークは、テルアビブのベン・ツビ通りとキブツ・ガルヨット通りの中間にあり、ピンハス・ラボン通りの両側に広がっている4つの林地帯である。2008年に付近の住民、自然保護協会と市役所との協力で、市役所がこの場所を「ハフルショット・パーク」と定義して開発計画を発表した。この場所を自然、歴史と市民の価値がある場所とし、住民にとっても重要な場所であると認識した。

 春になるとこのパークの野原は、ノギク、ケシ、シクラメン、シラー・ヤッキントン、黄花ルピナス、イスラエル・ルピナス、イスラエル・シレネなどの様々な野生の花で覆われる。同地にあるロシア正教教会の東側に生態系プールが設立され、多くの水鳥を招き寄せており、現地に建設された展望台から野鳥を観察できるようになっている。

●ホロン:ハホロット・パーク

 ホロン砂丘は、メナヘム・ベギン・アベニューとペレス・パーク、4号線、シムハ・エルリッフ通り、キリヤット・ベングリオンとの間にあり、リッション・レツィヨン市との境界線に位置している。

 砂丘地区は大テルアビブ圏の一部であり、町の開発過程でどんどんと小さくなってきている。この砂丘地域では砂岩、砂状赤土や海岸砂岩峰などが覆っている。この地域での将来の建設計画では、新居住区の隣に都市部自然パークが建設され、ホロン市のパーク計画の為に自然保護協会が都市自然調査を実施している。自然パークの規模は、自然保護協会が長期にわたって闘った結果、拡大されることとなった。

◎エルサレム

●モディイン:シェールの丘とティトゥーラの丘

 シェールの丘はブッフマン居住区の正面、ハハシュモナイーム通りに位置している。この丘には様々な考古学遺跡が残っており、以前ここで人が生活していた証拠でもある。また様々な野生の花が果樹園の木と共にあり、全方向に素晴らしい景色が広がっていてモディインで最も興味深い丘の一つでもある。

 ティトゥーラの丘は景色、考古学、観光の観点として重要な場所であり、ハナハリーム居住区とハプラヒーム居住区に面しており、アズリエリ・ショッピングモールも近くにある。この丘の名前は帽子の平らな部分に形が似ていることからティトゥーラと名付けられた。この場所で行われた発掘によると、今から5千年以上も前の銅器時代から今日に至るまで人が住んでいたことが発見された。

 この丘には古代の遺跡、素晴らしい景色の展望、多彩な野生の花と観光・教育の大きな可能性を持っている特殊な組み合わせがある。展望台からは殆どの海岸地域、低地の丘陵やエルサレムの山々などが見ることが出来る。花以外にこの丘には、多年草の大きなキリストノイバラ、この丘の住民が色々な時期に植樹したアーモンド、ザクロやオリーブなどの果樹園の木などがある。

●アブ・ゴッシュ;ディール・アズハル

 ディール・アズハルは高い丘の上にフェンスで囲まれた場所で、神の箱教会が立っており、周りはオリーブ畑のテラスとなっている。果樹園や地中海森林の一部が保存されている。

 丘に点在している樹木の豊かな実を求めて、多くの渡り鳥がやって来る。2019年に実施された調査では、都市部でも野原に巣作りする多くの種類の鳥が確認され、コキジバトやムナフヒタキのような絶滅危惧種も確認されている。

●エルサレム:鹿の谷と野鳥研究センター

 鹿の谷パークは、イスラエルで最大の都市自然地区である。市役所の所有で自然保護協会が管理しており、生態系システムと自然の特性を守りながら常時開発保持し、現地での一般市民へのガイド付き見学や教育活動などもしている。

 鹿以外にも季節ごとの開花が見られ、鹿の谷が展望できる場所、水鳥を多く呼び寄せる大きな湖、ラケフェット川とラハビア川を集水するプール、メジロガモなどの絶滅危惧種の動物などが見られる。

 ニリー&ダビッド野鳥研究所は国会議事堂に近く、多彩な鳥が数十万匹引き寄せられる場所でもある。隠れ場所があってそこから敷地にいる鳥を間近に観察でき、早朝には専門家による鳥の印付けも行われているのが見られる。観察場所は年中無料で開放されている。

◎南部

●アシュドッド:サウス・ビーチ・パーク

 モーシェ・ダヤン通りの西側、ハシャローム・スクエアとアイン・ハシェメッシュ・スクエア(11地区、15地区の西側)の間にある自然地区。砂丘地帯で砂丘に生息する動物や植物があり、ホワイト・ジゴフィルムやクルシアネリなどは絶滅危惧種となっている。この場所はここ数年、オープンスペース基金の支援でアシュドッド市によって都市自然場所として計画されている。

 この砂丘の近くには砂岩が突出した峰に沿って質の高い砂の海岸がある。アシュドッドからアシュケロンまでつながっている幅広い海岸線地帯となっている。北側にはアシュドッド・ヤム要塞があり、鉄器時代からの考古学遺跡となっている。

●イェルハム:イェルハム・レイク

 レビビーム川の川筋に1950年代に人工的に建設された湖で、雨水を集水するのが目的である。湖とその周辺は大きな砂漠のオアシスとして利用されており、砂漠に生息する動物などを引き寄せている。

 この場所はイスラエルで初めてスワンフェンが巣作りした場所でもあり、イスラエルでは最近までとても希少な、光沢のある青紫色の湿地帯の大型鶏である。この場所には他の水鳥も多く集まり、フーラ湖と並んで重要な野鳥観察場所の一つでもある。ここ数年間の調査では300種類近い鳥が観察され、一部は今まで数度しか観察されなかったものもある。湖の周辺には観光や娯楽用の林もある。

●ネティボット:ボフ川

 ボフ川はネティボット市内を流れており、一部は木樹があり、その周辺には植物が多く生育している。この川には町の東側から入れるようになっており、比較的に楽な入口である。

 2018年に実施された調査によると、この町と地域に特殊な186種類の植物が確認された。季節になるとアネモネ、イヌサフラン、ツルボランが開花し、絶滅の危機に瀕しているガリデーラ(Garidella Nigellastrum)が唯一見られる場所でもある。

 川の周辺では40種類以上の動物も確認され、爬虫類では中東カメレオン、リクガメ(絶滅危惧種)、クロムチヘビ、ミドリヒキガエル(絶滅危惧種)、鳥類ではチゴハヤブサ、ハチクイ、哺乳類ではヨーロッパアナグマ、インドタテガミヤマアラシやシマハイエナなどである。

 現地に設置されたコウモリセンサーにより、昆虫食コウモリが4種類確認され、その内の2種類は希少種となっている。またこの場所では最大品種の蝶も確認され、全部で15種類となっている。調査の枠内で自然保護協会が固定カメラを設置し、一台のカメラがヨーロッパアナグマが掘った穴を、キツネやヤマアラシが住処として利用しているのも撮影されている。

●エイラット:野鳥パークとハカリット・サイト

 エイラットの国際野鳥センターは、古いゴミ捨て場が鳥にとって重要な場所と変わった。パークは塩田の北側に位置し、ヨルダン国境から南西に位置している。

 パーク内に植樹された木樹に近くの塩田が数千の渡り鳥を引き寄せており、砂漠を長距離移動する前の最後の食料供給場所となっている。鳥以外にもエイラット・ファンフットヤモリ、サルバドール・シロチョウなども観察できる。このパークはエイラット市役所、観光省、政府観光会社、自然保護協会、ユダヤ人国家基金と自然公園局の協力によって設立された。

 ハカリット・サイトはエイラットのノース・ビーチにある「ムール・ハヤム」ショッピングモールの近くにあり、岩場の海岸線や豊富な海洋動物を含んでいる。海の深い部分には小さなサンゴ礁も生息している。この場所の北側はホテルと海水浴場となっており、ウム・ラシュラシュ国立公園がある。この場所の南側は海も含めて立ち入り禁止区域となっている。

 ここではメジロカモメ、アラビアアジサシなどの水鳥や、海洋無脊髄動物などが観測できる。自然保護協会のエイラット野外学校では、この場所を市民都市自然の場所としての保存、計画と開発を進めている。

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