ガザのハマス軍事部門上級メンバーが、ハマス組織の上層部に対して批判

 ハマスの軍事部門元上級メンバーが同組織の内部問題を公表することを決心し、ガザではメディアのレーダー下で騒動を引き起こし、閉鎖グループ内でひと悶着を起こしている。この元上級メンバーはバッサル・サラヒヤ氏であるが、ハマスの軍事部門ではアブ・イマッド・ティアーというニックネームで知られており、同組織に対して厳しい批判を主張し、現在その行方が分からなくなっている。

 45歳のサラヒヤ氏はハンユーネスで生まれ、ハマスの軍事部門メンバーとして30年間務めた。SNS上に公表した動画では、主にイスラエルによって暗殺されたハマスの参謀長官アフマッド・エル・ジャブリーの後任となったマルアン・イッサ氏を筆頭とするハマス上層部に対して批判している。

 ハマス軍事部門の上級メンバー自身が姿を現すこと自体が殆ど無い希少なことでもある。それ以外にハマスは内部問題を外に出すような文化を持たない。その為このような告発のマニフェストは非常に稀な行動でもある。

 サルヒア氏は1990年代にイスラエルで逮捕されており、その後ガザを離れてシリアに住んでいた。当時ハマスの本部はダマスカスにあり、シリアとレバノンの関係者から知識と訓練を受けた。ハマスの軍事部門では爆発物の作成に従事し、シリアからエジプトを通ってガザに戻ってきた後には、イスラエル兵士であったギルアデ・シャリット氏の誘拐作戦にも参加していたと語っていた。彼が言うには、2014年にはガザでのハッカー部隊設立の責任者であり、イスラエル軍とイスラエル兵士の詳細を収集するのが役割で、携帯電話にハッキングし、他人に成りすまして軍情報を盗もうと試みたとのこと。

 サルヒアは発表した動画に於いて、ガザ地区でイスラエルが活動していることに関して組織上層部に忠告することに幻滅し、今回の情報を公開するに至ったと語っている。彼の話によると、組織内の上層メンバーであるマルアン・イッサ氏やイェヒー・シンバール氏達は、彼の忠告を完全に無視し、逆に彼を馬鹿にしたとのこと。この動画に於いて、、イッサ氏はイスラエルの二重スパイの可能性もあると主張している。

 サルヒア氏の告発内容の一部は、イッサ氏を筆頭としたハマスが2018年のハマスの軍事部門西岸地区総責任者であったマゼン・フカハ氏が、ガザで暗殺された原因を調査した委員会の報告結果を隠滅したという主張にも触れている。サルヒア氏の主張によると、ハマスの諜報部門には、マゼン氏の暗殺に関する事前情報が入っていたとしている。サルヒア氏は動画上でとても不可思議に聞こえるが、イスラエルにはガザ地区内に侵入できるトンネルが幾つもあると主張している。

 ガザの記者達はこの動画を無視するようにハマスから命令を受けたようで、今日のニュースでは殆ど語られていないが、閉鎖グループの中では騒動を巻き起こしている。またハマスの軍事部門は自身のメンバー達に対して通告を出し、それによるとサルヒア氏の主張はリアルタイムで検証されたが全く無実であると伝えている。ハマスによると、サルヒア氏は1年前にハマスの軍事部門から除名されており、詳細を伝えることが出来ない重大な犯罪を起こしたとも伝えている。

 パレスチナ関係筋によると、動画発表直後にハマスはサルヒア氏の自宅の家宅捜索に入り、彼の行方は分からなくなっている。関係筋ではサルヒア氏は誘拐されたか、又はハマスの軍事部門によって殺害されたと想定しているが、今までの所この情報は確認されていない。

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