アメリカとエジプトの考古学者達が、世界で最古と思われる約5,200年前のビール醸造所を発見した。エジプト考古学最高評議会事務局長のムスタファ・ワジリ氏によるとビール醸造所は、カイロから南約450km地点のナイル川西部の砂漠に位置する古代墓地の近くにある古代都市アビダスで発見された。この工場は、エジプトを一つの王朝に統一した人物と考えられているナルメル王時代のものと思われている。今から約5,200年前の時代である。
エジプト考古学最高評議会事務局長によると遺跡では、考古学者達は大きな8部屋を発見し、長さは約20mで幅が約2.5mであった。各部屋には40個の陶器の壺が発見されており、2列に並んでいて穀物と水の混合物を温めてビールを製造するためのものであった。
現地の調査リーダーの一人であるニューヨーク大学のマティオ・アダムス教授は、式典にビールを供給する為に、この地域にビール工場が建設されたと語っている。彼によると古代エジプトの式典でビールが使用されいたことを証明する証拠が、考古学者達によって過去に発見されているとのこと。
初代王朝のファラオ達はアビダスに埋葬され、紀元前3,200年末まで支配していた第一王朝の創設者であるナルメル王も埋葬された。その後継者であるホルアハ王もこの町に葬られた。
テルアビブでも5年前に古代ビール醸造所が発見されている。2015年テルアビブのハマスゲル通り付近で考古学局が行った発掘では、今から約5,000年前のビール製造に使用された古代の陶器破片が発見された。そこでは農作物の貯蔵に使用されたと思われる17個の穴も発見されている。
テルアビブの古代ビールは大麦と水の混合物で製造され、一部を焼いた後に太陽の元で発酵させていた。この混合物には様々な果物エキスが添加され、味の改善やアロマを与える為であった。