渡り鳥の時期にイスラエルで休憩し、温かい国々に行く有名な鳥、ペリカンやコウノトリは比較的に短距離を移動する。それに反してイスラエルの鳥は膨大な距離を飛び、過去数年間で最長距離を記録した。ハヌカ祭を記念して自然保護協会イスラエル野鳥センターが、最長距離を飛ぶイスラエルの鳥を紹介してくれた。
●バーン・スワロー(ツバメ)
小さい鳴き鳥の飛行能力は突出している。飛びながら虫を捕獲し、殆どの時間を空中で費やしている。ツバメは殆どが人間の作った建物に泥で巣作りし、主にヨーロッパなどの北部に繁殖地域がある。ツバメは長距離を移動する渡り鳥だ。
「ヨーロッパで巣作りしたツバメは、渡り鳥の時期にヨーロッパからアフリカの南部まで約1万Kmを移動する。イスラエルは、夜の休憩場所、餌と脂肪の備え場所や就寝場所として自然の生息地域として利用される渡り鳥のツバメにとって重要な場所である」とエルサレムニリー&ダビデ野鳥研究ステーションと自然保護協会野鳥センターのイスラエル自然センター局長のヨセフ氏は語った。
●コノドジロムシクイ
灌木や林の中に隠れることを好む鳴き鳥。ヨーロッパとアジアに巣作りし、西はイギリスから東はシベリアまで生息している。コノドジロムシクイは長距離を移動し、アフリカ大陸で越冬する。コノドジロムシクイの飛行コースは特殊で円形になっている。イギリスで巣作りし、秋にヨーロッパ中央部を通ってアフリカ東部や中央部へ向かうが、春にはイスラエルを架け橋として利用しながら西ヨーロッパを通ってイギリスに戻って来る。
「渡り鳥の時期には、コノドジロムシクイはイスラエルに最も滞在する鳥の一つである。イスラエルの低木地帯や自然の森林地帯は、コノドジロムシクイが休憩所、又は移動に必要な脂肪を蓄える場所として利用しており、それらの場所を保存することはこの鳥が存在するために不可欠だ」とヨセフ氏は語った。
●アジサシ
北半球に生息している水鳥で、ヨーロッパ、アジアや北米に生息している。アジサシは湿地帯に巣作りし、主に湖や川辺となっている。巣作りの時期以外は、主に海岸線に沿って生息している水鳥である。
イスラエル上空には、春と秋の2季節にアジサシは飛行士、ヨーロッパとアフリカ大陸南部を移動する。アジサシは海岸線と湿地帯、養殖所や塩田などを生息地として利用し、主に地中海海岸線に生息している。「アジサシは魚を餌とし、長距離を飛行できるように脂肪を蓄える。過去数十年間で湿地帯や海岸線の生息地は被害を受けて激減している。湿地帯生息地の減少は、アジサシが移動に必要な脂肪の蓄えをする可能性に直接打撃を与えている」とヨセフ氏は高った。
自然保護協会野鳥センター局長のダン氏は、「イスラエルはとても面積は小さい国だが、野鳥にとってはとても重要な場所となっている。冬の季節と、自然と人工的な生息地の多様性との組み合わせが、約100種類の渡り鳥(イスラエルより北に生息し、秋には南下してアフリカではなくイスラエルで越冬する鳥にとってイスラエルが重要な目的地となっている。鳴き鳥、水鳥、猛禽類などがそうだ。イスラエルで観察できる野鳥は約540種類で、イスラエルの上空を通過する鳥や越冬する鳥は物凄い数となっており、野鳥観察にとってこの国がとても特殊な場所となっている理由である」。