イスラエルとモロッコの国交正常化

 イスラム国で4か国目:UAE、バーレーンとスーダンの次に、モロッコがイスラエルとの国交正常化に参加した。アメリカ大統領であるトランプ氏が発表し、来月ホワイトハウスを去ることとなる。その代償として、アメリカは西サハラのモロッコの主権を承認する。また同時にアメリカはモロッコに4機の最新型無人飛行機販売の交渉をしているとのこと。

 「歴史的突破の一つ」とトランプ大統領は、モロッコ国王と電話会談した後に自身のツイッターにツイートした。「我々の友人であるイスラエルとモロッコが、国交正常化に同意した。中東和平への巨大な突破口となる」。トランプ大統領は、イスラエルとモロッコがテルアビブとラバットに連絡事務所を設置し、相互の大使館を設置すると伝えている。ホワイトハウスの発表によると、中東での安定性を推進するためにイスラエルとモロッコ間で経済協力と文化的推進が持たれるとも伝えられている。

トランプ大統領顧問のクシュネル氏によると、「イスラエルとサウジとの国交正常化も不可避」と語った。UAE、バーレーンとスーダンとの条約後にも、トランプ大統領と顧問達はイスラエルとサウジの国交正常化に関して語ったが、サウジの態度は冷めたものであった。ネタニヤフ首相とムハマッド皇太子はサウジ国内で会見もしている。

 ネタニヤフ首相はアメリカ大使とのハヌカ祭式典中に今回の条約を祝福し、トランプ大統領とモロッコ国王に感謝し、「イスラエルとモロッコで相互の連絡事務所を再建し、モロッコとの関係を密接にしていく。その後完全な国交正常化を目指して活動していく。直行便も催行させ、相互の架け橋の助力となり、とても暖かい平和となるであろう」と語った。他の式典に於いてネタニヤフ首相は、「生まれたばかりの国から、全アラブ諸国と平和を作る世界的に力を持った国となった。我々を絶滅するために闘ってきた彼らが、今度は平和を作っている」とも語っている。

 ベニー国防大臣も今回の条約を称賛し、「長期間の関係を確固たるものとし、豊富な歴史的パートナーで、両民族の関係が公式的なものとなる。両国間の安全と経済を強化する重要な一歩である。イスラエルの強化と中東全体の安定化に全力を注いでいるアメリカ政府に感謝する」とも語った。

 ガビ外務大臣は、「イスラエル政府はアメリカ大統領とそのスタッフに、平和推奨と中東の安定化及びイスラエルへの支持にとても感謝している。イスラエル外交にとっても多大な日であり、ハヌカ祭に相応しい光の日となった」と付け加えた。

 以前の条約と同様に、ネタニヤフ首相はまた今回も国防省と外務省に事前に何も伝えていなかったが、今回はアメリカ側がベニー国防大臣とガビ外務大臣に情報を流していた。国防省によると、「数週間前に国防大臣と外務大臣が今回の接触に関して情報を受け、ホワイトハウスの発表前に条約のことに関しての連絡が入った」とも伝えている。

 イスラエルの関係筋の想像によると、トランプ政権の間に他のアラブとイスラム諸国もイスラエルとの国交正常化に踏み切るとみている。可能性としては、ニジェール、マリーマオリタニア、インドネシア、ボルネオかオマーンとされている。

 トランプ大統領によると、アメリカは西サハラのモロッコの主権を承認するとのこと。数十年間国際的歴史的議論となっている地域であり、トランプ大統領は「モロッコはアメリカを1777年に承認してくれた。そのお返しとして西サハラを承認するのは当たり前だ」と伝えている。モロッコは西サハラの現地住民に自治政府を設置することを提案しており、「真剣で、信頼でき、リアルな、平和と繁栄を継続させる正しい解決案である」とも大統領は伝えている。モロッコはアメリカが問題の地域に領事館を設置することに同意したとも伝えた。

 モロッコ国王は、イスラエルとモロッコ間の直行便を容易にさせると通知し、「アメリカが西サハラのモロッコの主権を歴史的に承認したことはとても重要である。アメリカはイスラエルとの条約の一部として、そこに領事館を開設する予定だ」とも語った。

 パレスチナ人関係筋はロイターに対し、「イスラエルとモロッコ間の条約は受け入れられないものであり、イスラエルのパレスチナ人権の否定を肯定するものだ」と語った。まハマスでは今回の条約を「政治的罪」と呼んでいる。モロッコ国王はパレスチナ大統領であるアブマゼンとも電話会談し、イスラエル・パレスチナ問題に於いてラバットは、二か国解決案を支持しているとも伝えた。国王はまたイスラエルとパレスチナ間での長期間の闘争に決着をつけるのは、両者の話し合いで最終的合意に達することだとも付け加えた。

 イスラエルとモロッコ間には1995年に国交の正常化がもたれたが、2000年に起きた第二次インティファーダの後にイスラエルとの関係を断った。しかしその後も非公式に両国間の関係は継続されていた。今日ではイスラエル人はグループのみでモロッコに訪問することが可能となっている。またイスラエルとモロッコは治安協力を50年代から保っており、70年代末のイスラエルとエジプトとの和平条約にもモロッコが仲介役となった。過去にはシモン・ペレスやイツハック・ラビンも秘密裏にモロッコ国王と会談しており、水面下で行われてきた関係の模範的なものであった。

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