先日起きた事件がパレスチナ当局で話題になっており、パレスチナ人の若者たちの間で自由派と保守派の闘争が起きている。パレスチナ人若者のグループが、先日ユダの荒野にあるナビ・ムッサ・モスクで盛大なパーティーを開いた。この場所はイスラエルの管理下にあり、イスラム教徒の伝承によると預言者モーセが葬られた場所と信じられている。この場所には普段活動していないモスクがあり、パレスチナ宗教省によって聖地と定義されている。
パレスチナ人若者達が開いたパーティーは遺跡の中であった。パーティーの数時間前に広場に照明や最新のサウンド・システムが設置された。パーティーではラマッラで最もポピュラーな電子音楽DJのサマ・アベッド・エルハディが音楽の担当であった。
このパーティーには東エルサレム、ラマッラやベツレヘムから数百人のパレスチナ人が集い、リアルタイムでパーティーの動画をSNSにアップした。他のパレスチナ人達が、モスクとされている場所の中でパーティーが開かれており、女性と男性が一緒になってアルコールまで販売されているこれらの動画を見て激怒し、イスラム教の信仰では絶対に禁止されている行為とされている。
これらの動画を見た若者の一部は「聖地への冒涜」と激怒し、現場にまでやってきて参加者を追い出した。彼らが到着したことによって参加者達はパーティーを中止することを強制され、照明などを解体してから現場を立ち去った。「パレスチナ観光省は何の権利があってこれらの人々にウィスキーやアルコールや女性も含めたパーティーを開く許可を与えたのか?」とパーティーを止めに現場に来たパレスチナ人の若者達は驚いた。
翌朝この事件に関してパレスチナ当局は大荒れし、パーティー参加者は現地でのパーティー開催の許可を取得していたという主張に反し、パレスチナ観光省はその責任を否定している。この問題はパレスチナ当局上層部にまで達し、パレスチナ首相のムハンマド氏もこの事件に関して特別に対応することが要求され、聖地で開催されたパーティー事件の原因を追究するように調査委員会の設立まで告知することとなった。
パレスチナ聖地省副大臣のフッサム氏は、パーティー開催への許可は出ていないと否定した。「聖地省(聖地の責任を有す)は、パーティーを何一つ開催させる許可を出したことが無い。ナビ・ムッサで起きたことは何一つ知らされていない。今回の事件は卑猥なことであり、我々も黙ってはいられず、このパーティーに参加した者達全員を追いかける」と伝えている。
ガザのハマスもこのチャンスを利用し、パレスチナ当局とパーティー開催者を非難した。「ナビ・ムッサ・モスクで起きたことは、神の家への冒涜である。ムハンマド首相の政府の公式な許可によって今回の事件が起きたことを非難する。今回の事件の責任者全員を罰するべきだ」とも伝えている。