アメリカ:750万人のユダヤ人の60%以上が非ユダヤ人と結婚


 イスラエルには約7百万人のユダヤ人が住んでおり、Pewの研究によるとアメリカには約750万人のユダヤ人が住んでいる。この研究は2回目であり、2013年には突出したランドマークとなった後に、アメリカ系ユダヤ人達の日常会話を変え、4,700人以上のユダヤ人達が参加した。調査のサンプリング誤差は3%であり、サブ・グループ間の誤差は高くなっている。

 この研究は更にアメリカのユダヤ人達の中の区分化を露わにした。73%は何らかの宗教的属性によって自分達をユダヤ人と定義しているが、27%は宗教の無いユダヤ人だと主張しており、つまり文化的、民族的、又はユダヤ人の子孫という観点でユダヤ民族の一部であるという意味だ。特定の宗教があるかとの質問に対する回答は、彼等は自分達を無神論者又は無宗教者と定義している。

◎アメリカ系ユダヤ人:グループ別

改革派37%

何らかの宗派に属する32%

保守派17%

正統派9%

その他のグループ4%

 宗教と国籍又は文化間との区別は、アメリカ系ユダヤ人をより特徴的にしており、イスラエルで理解されているものよりかけ離れている。それ以上に「無宗教」のグループに属する者達は、正統派のユダヤ人達とは全く共通点が無いと主張しており、両者とも同じ国籍、又は文化かもしれないが、全く双方の属性を感じないとしている。

 この区分化は、近年のアメリカの政治的文化全体の特徴となっている。一般社会の区分化(例えば民主党と共和党など)もユダヤ人会衆に浸透しており、研究者達によると、前回の調査が実施された2013年より2021年の方がより区分化が顕著であると語っている。

 歴史的な観点では、ユダヤ人はいつも民主党であった。研究によると、ユダヤ人達の約71%は民主党を支持、又は支持する傾向があると主張している。それに対し、正統派ユダヤ人達は明確に共和党を支持しており、この事実はトランプ大統領の時代にはより明らかになった。

◎過去数年と比較して今どう感じるか:

以前より不安53%

変化無し42%

以前より安心3%

無回答1%

 数値的な観点では、アメリカ系ユダヤ人はアメリカ一般人口の2.4%を占めており、つまり750万人の中で子供達は180万人となっている。2013年にユダヤ人の人口は670万人とされており、新しい研究ではユダヤ人会衆の有名な決まり文句を証明している。彼等はより多くの学位を持ち、より高い収入を得ており、国内の一般人口より重要な都市部に集中している。

 それに対し、ユダヤ人会衆では比較的新しい現象もあり、それは多様性である。確かに会衆の92%は自身を白人と定義しているが、8%のみがそうではないと定義しており、18~29歳の若い世代のユダヤ人の間では、多様性の割合(ヒスパニア系、黒人系など)は15%にまで達している。言葉を変えれば、ここでも会衆内で起きている様々なプロセスや、その他の民族グループの子供達との結婚により、以前の民族の統一性に変化が起きている。

 反ユダヤ主義と個人の治安の課題は、ヨーロッパのユダヤ人達が最も懸念していることであるが、アメリカでもこの分野では状況が悪化している。会衆の75%は、アメリカでは5年前より反ユダヤ主義が増加していると語っており、その中の半分が「アメリカ系ユダヤ人」として5年前より安心感が減少したと語っている。ユダヤ人の5%が懸念によって、何らかのユダヤ人イベントには行かないようにしていると語った。これらの感情は、2018年のピッツバーグのテロ、2019年4月のカリフォルニア付近のユダヤ教徒の家襲撃やその他の事件を背景としている。

 アメリカのユダヤ人的特徴を持っている正統派ユダヤ人達の55%は、ヘイトを背景とした反ユダヤ的グラフィティや破壊行為を見たと報告しており、34%は罵り言葉を浴びせられ、9%はSNSでの嫌がらせ行為を経験し、7%は肉体的な襲撃又は脅迫を経験したと語っている。これに反し、改革派ユダヤ人達の37%のみが反ユダヤ主義のグラフィティや破壊行為を見たと伝えている。改革派の16%が罵り言葉を浴び、9%がSNS上での嫌がらせ行為、4%が肉体的襲撃や脅迫を受けている。

 イスラエル人でアメリカのユダヤ人会衆を訪問した人は、全員そこに違うユダヤ教が存在していることを知っており、イスラエルで主流となっている正統派とは全く異なったものとなっている。研究によると、アメリカ系ユダヤ人の約半分がメイン宗派に属し、37%が改革派(2013年と比べて上昇)、17%が保守派に属している。

◎以下の事をよくやっているユダヤ人達の割合:

ユダヤ人の食べ物を食べる27%

シナゴーグを訪れる21%

安息日を記念する20%

ユダヤ人的イベントに参加18%

ユダヤ人の新聞を読む17%

ユダヤ人の文学を読む12%

ユダヤ人の音楽を聴く11%

ユダヤ人の内容番組を見る10%

 正統派ユダヤ人の数は縮小し、2013年には10%であったのが今回はユダヤ人全体の約9%であった。32%はいかなる宗派にも属さないとしており、これは以前の調査より上昇(30%)しており、その他は小さい宗派に属している。調査対象である18~29歳のユダヤ人の若者の17%は、自分達を正統派と定義しており、65歳以上の対象者では3%のみであった。アメリカ系ユダヤ人の10人に1人は正統派と認識している。4人に1人が改革派と認識している。

 研究によると、正統派は勿論宗教心が強く、家族がより多く、彼等の間では非ユダヤ人との結婚の割合はとても低い。彼等はイスラエルとの関係もより強い。改革派と保守派は、宗教心は弱いが(律法的に見て)、ユダヤ人の文化的イベントにはより参加する傾向があり、イスラエルとも何らかの関係があると感じている。

 会衆内での大きなギャップは、次の事実によって表されている。正統派にとって86%は宗教が自分達の人生の中で最も重要な地位を占めていると公言した。それに対し、どの宗派にも属さない「無宗教」のユダヤ人達にとって、同様の割合が宗教は自分達の人生の中で「全く重要ではない」としている。つまり750万人のユダヤ人達の中で、一部のグループの間の関係には、とても巨大な分裂があるということになる。違う質問に対する回答では、正統派の約50%が改革派とは全く共通点はないとしており、もう一方の改革派からも同じような割合が同じ回答をしている。

 とても興味深いのは、改革派と保守派で非常に割合が高いのは、イスラエルに住んでいるユダヤ人達との共通点が最も多いという答えで、アメリカに住んでいる正統派達との共通点より非常に多い。アメリカの正統派もイスラエルに住んでいるユダヤ人達と多くの共通点があると答えている。つまりこれらのグループはアメリカでは互いに交じり合うことはないが、イスラエルへ全員目を向けているということだ。

 議論の的となるテーマは同化問題であり、他の宗教との結婚だ。研究によると、1980年までは比較的少ない現象であったが、それ以降は調査毎に占める割合が高くなっていった。2010年から2020年までの10年間での最新データでは、ユダヤ人の約61%が非ユダヤ人と結婚をしている。

 2000年から2010年までの10年間のデータと比べると上昇であり、当時では非ユダヤ人と結婚していたのは45%であった。正統派の間でのデータはとても低く、2%のみとなっている。非ユダヤ人と結婚しているのはその他のグループであり、特に「無宗教」のユダヤ人達である。

 これに関連してユダヤ人達の約64%が、相手が非ユダヤ人であったとしても結婚の儀式はラビが行う必要があると主張している。また71%は同性結婚もラビが儀式を行うべきだと答えている。

 子供の教育に関する質問には、93%のユダヤ人カップルが子供達をユダヤ人として教育しており、相手が非ユダヤ人と結婚したカップルでは28%のみが同じように回答している。

 宗教のテーマから離れ、会衆メンバー間での深い関係を模索するならば、歴史と文化を見つけることが出来る。ユダヤ人達の10人の中の7人は、「ホロコースト記憶日」と「道徳的に自分の人生を生きる」が、自分達のユダヤ人アイデンディの重要な部分であると主張している。半分が社会の正義と平等を支持し、その他は家族の伝統の継続が重要であるとしている。20%は伝統的な食事を摂ることが重要で、15%のみが律法を守ることが重要と回答している。

 殆どの場合にはただの祈祷場所ではなく、会衆にとって重要な文化センターともなっているシナゴーグに関しては、祈祷やイベントに来る傾向がある人達は、精神的に重要であると感じている為、また会衆に属していると感じたい為に、又は歴史と伝統につながっている事を感じる為にやっていると回答した。

 シナゴーグに来ない人達の間では、彼等は宗教家ではなく、シナゴーグには興味が無く、又は違う方法でユダヤ人であるということを表現していると答えた。アメリカの一般社会との比較では、ユダヤ人達の宗教家は少ない。ユダヤ人達の12%のみが週に1回シナゴーグへ行く習慣があり、これに対してアメリカ一般社会では27%が教会へ行っている。ユダヤ人達の21%にとって宗教とはとても重要であるが、アメリカ一般社会では41%となっている。ユダヤ人達の26%は聖書の神を信じていると答えたが、アメリカの一般成人は56%となっている。ユダヤ人達の22%は最高神を信じておらず、アメリカ全体の無信仰者達は10%となっている。

 ユダヤ人の文化的価値は、アメリカ系ユダヤ人達のアイデンティティで重要な部分であり、主に日常の生活に反映されている。27%が伝統的なユダヤ人料理を時々食べていると回答し、21%がユダヤ人遺跡を訪問し、20%が何らかの形で安息日を記念して重要な意味を持っており、17%がユダヤ人の新聞を読み、11%がユダヤ人かイスラエルの歌を聴いている。

 イスラエルに関する質問は、この調査で最も興味深い一つである。一方で世界のユダヤ人の歴史的又はルーツ的なつながりを聖地に見つけ、もう一方でイスラエル・パレスチナ問題と、イスラエルと国際政治がイスラエルの地位に影響を与えている。

 懸念すべき形でアメリカ系ユダヤ人の若者達は、成人した世代よりイスラエルとの関連性を余り感じていない。30歳までの半分の若者達が、イスラエルへとても関連性を感じているか、ある特定の関連性を感じている。65歳以上の間では、この結果は全体の3分の2となっている。全般的に年齢が上がれば上がるほどイスラエルとの関連性を感じているということが出来る。

 アメリカ系ユダヤ人の半分くらいが、イスラエルを訪問したと回答した。若い年齢の間では、タグリットのような無料観光などで4分の1が訪問している。アメリカ系ユダヤ人10人の中の1人がBDS運動を支持しており、43%が反対、43%はBDS運動を知らないと回答した。

 アメリカ系ユダヤ人の10人の中の4人は、ネタニヤフ首相は良い仕事をしているか、又はイスラエル国家を主導することに卓越していると回答し、54%は悪いか普通であると答えている。ユダヤ教信者達はネタニヤフ首相を肯定的に見ている。正統派の4分3はネタニヤフ首相の主導に肯定的な点数を与えている。

 もう一つの区分化は系列と伝統である。アメリカ系ユダヤ人の約66%が、自分達をアシュケナジー系と定義し、4%のみがスファラディ系と定義している。6%は何らかの組み合わせであり、その他は全く自身を定義していない。

 この研究をまとめる最後の章は、会衆に対するコロナの影響である。この研究によると、ユダヤ人達の57%はコロナ感染で死亡した誰かを知っている、又は聞いたことがあると回答しており、アメリカ全体より割合は高い。また高い割合が感染した、又は感染したと思っていると回答した。

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