ここから世界の終末?テル・メギドの新しいビジターセンター

 テル・メギド国立公園で、約1年半の工事が終了し、古代遺跡へイスラエル人観光客を引き寄せることを願いながら新しいビジターセンターが開設した。コロナ禍以前にこの遺跡は、主に福音派のキリスト教徒達の訪問が主で、世界終末を告げる「ハルマゲドン」の場所と考えられている。

 過越し祭中に開設された新しいビジターセンターは、この場所の聖書的な歴史を訪問者に露わにし、ダビデとソロモンの王国繁栄時代から、エジプトのシシャクによる町の攻略、又戦車や馬を多数駐屯させていたアハブ王時代の重要な軍事拠点として、イスラエル王国の支配下に戻ったことも含まれている。

 自然公園局では、同地の歴史を伝え、歴史的な遺物を紹介する最先端のテクノロジーをビジターセンターで使用している。メインルームは「模型ルーム」で、テルを模った1950年代に作られた模型があったが、今は最先端のビデオテクノロジーを利用して、このテルの全時代を紹介している。新しいビジターセンターは、観光省と観光公社の協力によって建設され、それまでの45年間はとてもベーシックな展示物しかなかった。

 ビジターセンターでは、1920年代と1930年代にテルで発見されたメギドの象牙も見られるようになっており、聖書時代の住民の豊かさを学ぶことができる。またソロモン王の死後にユダ王国が二つの王国に分かれたことにより、紀元前924年にこの街を攻略したエジプトのシシャク王が立てた碑文もある。

 コロナ禍直前の2020年当初は、この場所の訪問者の約90%は観光客であり、殆どが福音派のキリスト教徒で、旧約聖書と新約聖書に出てくる考古学遺跡と、歴史的な聖書の話を現地で体験して実感したいという人達が来ていた。この遺跡で彼等は、牧師の指導によってイスラエルへの平和と愛の為に祈り、「メギドの山」という言葉のギリシャ名であるハルマゲドンの谷に顔を向けて祈っていた。キリスト教の伝承の一部では、このテルの麓で世界終末の象徴となる恐ろしい出来事が起こり、今日の世界が壊滅して信者だけが生き残れることとなっている。

 この新しいビジターセンターでも遺跡の聖書の歴史を紹介しており、自然公園局では多くのイスラエル人も訪れると見ている。テル・メギド国立公園責任者のルーシー氏によると、「遺跡は自然、考古学遺物と聖書の歴史が組み合わされており、6千年間に及ぶイスラエルの地の歴史と伝統の物語を教えてくれる。多額が投資された新しいビジターセンターでは、歴史上の人物や更にこの地域の地理的エリアを復活させるモデルや動画と共に、インターアクティブで楽しい方法によって、この場所の歴史に広範囲の市民がアクセスできるようになっている。イスラエル人観光客が聖書の歴史に関して学び、遺跡の間を歩くことができるこの場所へ戻ってくる重要性を理解している」と語った。

 テル・メギド国立公園は274エーカーの面積に広がっており、全く技術を使用せずに、紀元前9世紀に掘られた素晴らしいエンジニアリング・システムである古代の水道トンネルを筆頭に、様々な興味深いポイントがある。この水道トンネルは、町が兵糧攻めにあっている間、秘密の水源として利用されていた。遺跡では城壁、巨大な石の城門や、約5千頭を収容出来た馬小屋の跡などもあり、古代時代のメギド都市の偉大さが感じられる。つい最近ソロモン王時代の城門も復元された。遺跡の北部展望台は、エズレル平原の360度のパノラミック景色が展望できる。

 テル・メギドは、イスラエルで最初に考古学発掘が実施された遺跡の一つで、イスラエル国内や世界でも、最多数の考古学発掘が実施された遺跡でもある。2005年にこの遺跡はUNESCOによって世界遺産と認定された。

 テルはヤシの木で飾られており、1925年にこの場所を発掘したアメリカ考古学チームと労働したエジプト人達が植えたものだ。エジプト人達は常備品としてナイル川岸辺のナツメヤシを持参し、彼等が食べて捨てた種が芽を出し、これらの木はメギドの不可欠なシンボルの一つとなった。

 この地域の自然も素晴らしい。テルの山頂からは、この地域に巣作りするタカも見られ、珍しいヒメチョウゲンボウも見られる。遺跡では、テル・メギドに数線匹いる黒ヤスデも見ることができ、何故ここにこれだけ多くのヤスデがいるのか、研究者達はその回答を今でも探している。

 家族用の旅行としてテル・メギド効率公園では、解読しなければならないコード・キットも用意している。謎解きを解読出来た家族は、ヤラベアム2世と想定されているヤラベアムの名前が付いた「メギドの刻印」を貰え、現在まで発見されたイスラエル王国の王の最古の刻印とされている。コード・キットは20シケルでビジターセンターで購入可能だ。

 国立公園は日~木曜日と安息日は8時から17時まで、金曜日と前夜祭は16時まで開いている。入場料は大人28シケル、子供(5歳以上)14シケル。自然公園局のHPで事前に予約する必要がある。

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