ガリラヤ湖

 

 イスラエル北部のガリラヤ湖はイスラエルで最大の淡水湖であり、今でも重要な飲料水として利用されています。面積は170平方km、長さ21km、幅13km、水深43m、水面は海面下約210mで世界一低い淡水湖となっています。ヘブライ語では「キネレット」(竪琴)と呼ばれており、紀元前15世紀のトトメス3世の遠征記録にその名前が出ています。旧約聖書では「キンネレテ」(民数記34:11、申命記3:17、ヨシュア記12:3など)と呼ばれたり、新約聖書では「ガリラヤの海」(マタイ4:18、マルコ1:16)や「テベリヤの海」(ヨハネ2:11)とも記されています。名前の由来は湖の形が竪琴に似ているからという説がありますが、古代に湖の形を知ることは不可能であったので、多分カナン人が竪琴を弾きながら信仰していた神様の名前からきていると考えられています。

 ガリラヤ湖は琵琶湖の4分の1くらいの大きさで、地質学的には世界で2番目に古い湖とも言われています。海岸地方やネゲブ砂漠まで導水管によってガリラヤ湖の水が運ばれ灌漑用水としても使用されていましたが、80年代から雨不足に陥りガリラヤ湖の水位が二メートル以上も下がったため、灌漑用水として使用することは禁止されてしまいました。そこからイスラエルの下水処理や海水の淡水化が始まり、現在では依存度が昔と比べて30%以上下がっています。一時は四メートル以上も水位が下がり節水が強いられてきましたが、特に2019~20年の過去二年間は雨恵まれてガリラヤ湖の水位が上限の20㎝にまで達していることは嬉しい限りです。

 ガリラヤ湖北西部にはイエスゆかりの教会が立ち並んでおり、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう」(マタイ4:19)とイエスがシモンとアンデレの兄弟へ語られ、全てを捨ててペテロが一番弟子になったペテロ首位権の教会、二匹の魚と五つのパンで五千人を満腹させたタブハのパンと魚の奇跡の教会(マルコ6:35)、イエスの伝道の中心地であったカペナウム(マルコ1:21)や山上の垂訓教会がある祝福の山(マタイ5:1)などがあり、イエスや弟子達はこのような景色を見ながら伝道されていたということが体感できます。二千年前の古代船を模倣した観光船でガリラヤ湖を遊覧することもでき、イエスと弟子達が乗った船が暴風雨で揺らされ、寝ていたイエスを起こして波風を沈めて貰った話(マタイ8:24)、イエスが湖面を歩いた奇跡(マルコ6:47)、対岸のゲラサ人の地でレギオンという悪霊に摂り付かれた男性を癒して2千頭の豚がなだれ落ちて溺死した話(マルコ5:1)など、イエスと関連した話が尽きません。

 古代ゲラサ人の地であったガリラヤ湖の東側にはゴラン高原があり、そこで栽培しているブドウから作られたゴランワイナリーのヤルデンワインは世界でも優秀なワインの一つです。冬場の快晴の日には、白い雪に覆われた雄大なヘルモンを遠望することができま、その麓にはガリラヤ湖の水源の一つであるバニアス泉があり、その周辺にはペテロがイエスに対して信仰告白したピリポカイザリア(マタイ16:13)の遺跡が発掘されています。

*ガリラヤ方面のフォトアルバムはこちら:

ペテロ首位権の教会
ピリポカイザリア
岩狸
ゴラン高原