イスラエルワイン

イスラエルワイン

世界最古のワイン産地

 

【歴史】

 イスラエルのワイン造りは、欧州よりも2000年以上早く、高度な文明を誇っていたエジプトよりも先行して、旧約聖書時代に遡ること5000年以上の歴史があると言われています。イスラエルで発見された最も古いワイン醸造用のプレス機は6500年前のもので、全土で数千もの醸造器具が発掘されており、年代を正確に特定できるスコーピオン一世の墓からは5200年前のカナン人のワインについて表記を見ることができます。イスラエルは世界最古のワイン産地の一つとして知られています。

 そんな素晴らしい古代からのワインの伝統は、638年からのイスラム帝国支配によって1250年もの長きに渡り中断されてしまいます。再びイスラエルの地にワイン造りが復活するのは、1882年仏のエドモンド・ロートシルト(ボルドーの一級シャトーラフィット・ロートシルトでも有名)がワイン業界再建のために尽力し、ユダヤ人移住者のための職業やコーシェルワインの需要に応えるべく、カルメル山麓南側斜面にカルメル・ワイナリーを設立することから始まります。迫害のために土地を所有することが難しく世界中を彷徨い続け、辿りついた先でのイスラエルでも荒れ果てた痩せた土地しかなく、当時のユダヤ人移住者たちはとても貧しく厳しい生活を送っていたといわれています。ユダヤ人資本のこのワイナリーが、ユダヤ人たちの生活の支えでもあり生きる希望だったということは想像に難くありません。

 二つの世界大戦や四度の中東戦争の困難時にも途絶えることなくブドウが植えられワインが仕込まれ、今も成長し続けています。そして、特に目覚ましい品質向上が始まりは1980年代、畑のポテンシャルとカリフォルニア仕込みの醸造学とを生かしてモダンスタイルのワインを生産し国際的な評価を手にしたゴランハイツ・ワイナリーが先駆者となりました。気象測定器や光学センサー選果台や灌漑などの最近技術を駆使したフラッグシップのYARDENは、濃密でクリーンで心地の良い酸を大切にしたスタイル。畑ごとのテロワールを重視した単一畑のシリーズも出ており、地質や標高などの異なる畑を実際に見て回った後にワインを購入し楽しむものワイン好きにはたまらない時間ですね。

 1990年以降からはゴランハイツワイナリーの成功に影響を受けて、今では大きなワイナリーが30社、ブティックワイナリーが200社ほど存在するまでになりました。テルアビブからエルサレム向かう風景では日々新しいブドウ畑が生まれる様を目にすることができます。ワイン造りが再開して150年ほどの今、綺麗で欠点のない国際標準のワインが注目されていますが、今後はこのクリーンさをベースとしながらもより多様で個性的で面白いワインに発展することをワイン好きの一人として願ってやみません。

 

【気候】

緯度:北緯30~33°

北部:地中海性気候の最南東、年間降水量1600㎜、温暖で比較的雨量が多い

南部:砂漠性気候、ネゲブ砂漠が占める、年間降水量22㎜、昼夜の寒暖差が激しく、非常に乾燥している

 

【エリアと土壌】北から五つのエリアに分けられる・南北に長い変化に富んだ地形

1.岩を含む火山性土壌、テラロッサが入り混じる。日本でも有名なゴランハイツワイナリーはこちらにある。

2.サマリア・・・テルアビブ北のカルメル山付近、典型的な地中海気候。温暖で湿度もある。海側から砂質+テラロッサ~内陸の丘陵地帯に向けて石灰岩・沖積土が広かる。イスラエル初のカルメルワイナリーがある伝統地区。

3.サムソン・・・テルアビブの南側海岸沿いの平野。高温多湿。こちらもロスチャイルド家によって開拓された場所。砂地や粘土質のローム層。

4.ジュディアンヒルズ・・・エルサレム西側の丘陵地帯。標高は800m、昼夜・夏冬の寒暖差が激しい。テラロッサの土壌。エルサレムストーンで有名な石灰岩があちらこちらで見られる。

5.ネゲヴ・・・イスラエル国土の南半分に広がる砂漠地帯。年間降水量は120~150mmと極端に少なく昼夜の寒暖差が大きい、厳しい気候。砂漠を吹き抜ける夜間の冷たい冷風は恐怖を感じるほど。朝方は霧に覆われることもあるが極度の乾燥のため病気が発生しにくい利点がある。砂地のローム層がメイン。

 

 早くから国際的に高い評価を受けて牽引してきたゴランハイツや、既に大注目のジュディアンヒルズも必飲だが、個人的には砂漠地帯のワインに注目している。こんな月面のような場所でワインが作れるの???と驚いてしまうような荒野広がる旧約聖書の舞台+最新技術を駆使した畑というイスラエルらしい新旧組み合わせが面白い上に、厳しい寒暖差と砂質土壌から生み出される軽やかなエレガントさを持つワインもある。

 イスラエルワインというと濃厚な新世界スタイルの味わいを想像してしまうが、別名「黒ワイン」と呼ばれるほど重たい品種のマルベックでさえ、砂漠では軽やかな赤果実を思わせるキュートでエレガントな仕上がりになるワインもあり、とても楽しい発見がある。また、カビなどが発生しにくい気候なので使用薬剤が抑えられるという話も聞いており、ビオディナミでの栽培に成功しているワイナリーも多いとのこと。イスラエルで砂漠のワインを是非楽しんでいただきたい。

【品種】

国際品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノノワール、シャルドネなど

ローヌ品種:シラー、グルナッシュなど

古代品種:マラウィ(白)・・・アリエル大学がDNA鑑定してイスラエルの固有品種と特定し復活させたもの。「イエスも飲んだワイン」として有名。

【お土産】

 世界のワイン愛好家から注目されつつあるイスラエルワインですが、畑の面積や生産本数がまだまだ少なく、ゴランハイツ・ワイナリーのように輸出に注力できるワイナリーが限られているのが現状です。だからこそ、現地で実際に畑を見て、そのワインを手に入れ、輸送ショックのない状態のワインを飲んでみてほしいと思います。

 日本未入荷の美味しいワインとの出会いはまるで宝探し。瑞々しくヘルシーなイスラエル料理と合わせて、ランチやディナーと一緒にお楽しみ下さい。お気に入りの銘柄がありましたら、様々なイスラエルワインが手に入るワインショップのご案内もできます。日本に持ち帰り飲まれるときには、ワインの状態を落ち着かせより美味しく飲むためにも最低一か月は冷暗所に静置させてから開栓することをお勧めしています。日々の忙しさでイスラエル旅行の興奮が少し色あせてきた頃、お土産ワインの芳香は皆様にきっと素敵な思い出を呼び起こしてくれることでしょう。

*イスラエルのネゲブ砂漠地方のワイナリーに関する記事はこちら:

 イスラエル南部のお勧めワイナリー9か所(前編)

 イスラエル南部のお勧めワイナリー9か所(後編)

熱気球 - ピンク
パイナップルのアイコン - イエロー
包まれたギフト
Wine%20Bucket%20Icon_edited.png
イスラエルのフォトアルバム

© 2020 Saigoaki. All Rights Reserved.