ヘブライ語

 ヘブライ語は聖書に書かれている聖なる言葉で、二千年前のイエスの時代にも使われていたとされています。前世紀最大の発見と言われている死海文書もヘブライ語で書かれた最古の旧約聖書の写本です。

 聖書の言葉は古代ヘブライ語であり、今日使われている日常会話の現代ヘブライ語とは異なっていますが、それでも文字は同じなので古代に書かれた文書も意味が分からなくても読むことはできます。二千年間聖書以外には使われない言葉でしたが、それが20世紀初頭にエリエゼル・ベンユダ氏によって蘇り、今ではイスラエルの公用語となっているのです。

 セム系の言葉なのでアラビア語と同じく右から左に書きます。文字は22文字、女性・男性系、単数・複数、現在・過去・未来という変化があり、最初は複雑に思いますがパターンが分かると3か月で片言は話せる簡単な言葉です。

 自分もヘブライ語のへの字も知らずにイスラエルへきて、まずは街中にあった帰還者用の「ウルパン」というヘブライ語学校に通いました。アルファベット(ちなみにヘブライ語はアレフベイト)しか知らなかった初日、全く何を言っているのかチンプンカンプンでした。仕方がないので毎日の授業を録音しそれを帰宅後聞きなおしていたのですが、1週間ほどするとやっと何を言っているのか耳に入ってきました。10代であったのも幸運で当時は一度聞いた言葉は忘れないくらいでした。25歳過ぎると何度聞いても忘れましたけど。

 街中のウルパンでは一年生の教室で半年勉強し、その次にキブツのウルパンに入って学んだのです。ただ最初の振り分けテストで先生が3年生になればいいと言われ、個人的にはちゃんと段階を踏んで勉強したかったのに、強制的に3年生のクラスに入れられました。大体ウルパンで勉強しているのは各国に住んでいるユダヤ人で、彼らは小さい時から現地のヘブライ語学校で学んでいるために、こちらとは最初から大きな差があるのです。

 また難しい内容に戻ったのでなるべく話さず、とは言え授業が理解できないから答えられないというのが本音でしたが、とにかく聞くことと語彙を増やすことに専念していました。

 個人的に幸運であったのはキブツの環境です。他の生徒達は各国から来ていても、ほとんどの人達が英語を話せたので、日常会話は普段英語を使っていたのです。でもそうするとせっかく学んでいるヘブライ語が上達しないので、英語が通じない自分は他の生徒のヘブライ語会話訓練相手になっていたのです。お陰で自分がヘブライ語を使う頻度が増えましたし、17歳であったので皆弟のように可愛がってくれました。日本語を忘れるくらいヘブライ語の毎日を過ごしたために現在のヘブライ語のレベルに達したのです。

 世界中から帰還しているユダヤ人を政治的にまとめるのはとても困難ですが、まずは先祖が住んでいたこの地に戻りヘブライ語を使うことで自分達はユダヤ人であるという自覚を持たせて、多様な人達を一つにする役割がヘブライ語にはあります。バベルの塔が崩壊し、それまで一つの言葉で話していた人間に各国の言葉が与えられてバラバラにされた(創世記11:1)。世界にバラバラに離散したユダヤ人がイスラエルに帰還してヘブライ語で一つになる、運命の糸を感じますね。

 せっかくですからここでヘブライ語の簡単な講座をやってみます。まずヘブライ文字:

א ב ג ד ה ו ז ח ט י כ ל מ נ ס ע פ צ ק ר ש ת

 

 右から発音はアレフ(A)、ベイト(B)、ギメル(G)、ダレット(D)、ヘイ(H)、バブ(V)、ザイン(Z)、ヘット(CH)、テット(T)、ユッド(Y)、ハフ(KH)、ラメッド(L)、メム(M)、ヌン(N)、サメフ(S)、アイン(AA)、ペイ(P)、ツァディック(TS)、クフ(K)、レイシュ(R)、シン(SH)、タブ(T)

 文字を英文字にすると発音の最初の音が分かります。この文字の中で他の文字の後ろにくるとA, E, I, O, Uなどの音に変化させる文字が4つあります。

א ה ו י アレフ、ヘイ、バブ、ユッド

 この四文字はアレフが文字の後にくるとA音、ヘイはAとE音、バブはOとU音、ユッドはI音です。

 簡単な一例です。自分の名前はSAIGO HIROAKIなので、前述に沿って音の文字をまず選びます:

סא(さ)、י(い)、גו(ごう)、הי(ひ)、רו(ろ)、א(あ)、קי(き) → סאיגו הירואקי

日本の首相の名前:אבה שינזו

吉本最強のお笑いコンビ:דאון טאון

日本車メーカー:טויוטה, ניסן, סוזוקי, מיצובישי, הונדה

世界中で飲まれているアメリカの炭酸飲料水:קוקה קולה

世界にあるアメリカのファーストフード店:מקדונלדס

日本の都市名:טוקיו, אוסאקה, נאגויה, קיוטו, קאמאקורה, הירושימה, נגאסאקי, קומאמוטו

 少しは読めるようになりましたか?暇つぶしに自分の名前を書いてみるのも楽しいかもしれません。個人的にはヘブライ語より日本語の方が難しいと思いますので、日常生活で2千語以上の漢字を使用している日本人にとって二千年前の言葉なんて簡単なものだと思います。さっぱりわからなかった言葉が理解できるときのあの喜びはたまらないものがありますね。シャンポリオンがヒエログリフを解読した時には、多分同じような喜びを味わったのだと思っています。

 エルサレムで観光客でもヘブライ語を学べる場所があります。

Ulpan Morasha:http://www.ulpanmorasha.com/

*ここは会話重視で、書き方や文法はほぼ無視。英語が分かると単語の意味は分かるので、短期間の実践型タイプ

Ulpan Beit Ha Am:https://he-il.facebook.com/ulpanbeithaamjerusalem

*昔ながらのやり方で文法を主に教える学校。ただ帰還者優先なので外国人は場所が空いていないと入れてくれない

Ulpan Bayit:https://ulpan.co.il/?gclid=Cj0KCQjwy6T1BRDXARIsAIqCTXp4jh7ds7W37y1DIw5tiL4izdwghzseGzQR3M8h7MRjjj67H6T1a7caAtWuEALw_wcB

*テルアビブのオンライン・ウルパン

 エルサレムのウルパンならば1学期は6か月間、ビザは3か月だがウルパンから手紙を出してもらい、もう3か月延期してもらえる可能性もあるかもしれません。授業料は大体800NIS/月(約2万4千円)、教材も別途購入の必要あり。​滞在先や食費も考えないといけないので金と時間に余裕が必要です。

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