エルサレム

 三つの宗教の聖地が隣接しているという場所は、この広い世界でもエルサレム以外に見たことがありません。ヘブライ語では「イェルシャライム」と呼ばれており、名前の由来は​「サレム」という古代カナン人が信仰した夕暮れの女神の名前、彼女が住む町という意味がエルサレムという名前になったとされています。旧約聖書では創世記14:18に初めてその名前が出てきますし、旧約聖書内でエルサレムの名前は合計667回言及されています。

 アブラハムがイサクを捧げようとしたモリヤの丘(創世記22:2)から始まり、ダビデがエブス人のシオンの要害を落として首都と定めたダビデの町(サムエル記下5:7)、その同じ場所に3千年前ソロモンが第一神殿を建設(列王記下5:3)してユダヤ教の中心地となりました。紀元前586年にバビロンによって破壊され、世界史でも学ぶバビロン捕囚が起きます。その後二千年前には第二神殿をヘロデ大王が再建しましたがローマの圧政により、西暦66年にユダヤ人がローマに対する第一次反乱を起こし西暦70年に第二神殿は破壊され、それ以降ユダヤ教の聖地は嘆きの壁となります。その同じ時期にイエスが十字架を持ってビアドロローサを歩かれ(ヨハネ19:1)、ゴルゴダの丘がある聖墳墓教会で亡くなられ三日後に復活しました(ヨハネ19:41)。西暦638年からはイスラム教徒が占領し、ムハマッドが昇天した地の果て(エルアクサ)がエルサレムと定められ、モリヤの丘を中心に西暦691年に岩のドームが建設されて、イスラム教にとってもメッカ、メディナに次ぐ三番目の聖地となりました。

 エルサレムの一番奇麗な展望ができるオリーブ山には弟子たちに祈り方を教えた主の祈りの教会(ルカ11:1)、第二神殿崩壊を予言して嘆かれた種の涙の教会(ルカ19:41)、麓には最後の壮絶な祈りをされたゲッセマネの教会(ルカ22:39)などがあります。シオンの丘にはダビデの墓(列王記上2:10)、最後の晩餐の部屋(マタイ26:17)、鶏が鳴く前にイエスを知らないとペテロが3度裏切った場所である鶏鳴教会(ルカ22:54)、聖母マリアの昇天したマリア永眠教会などがあります。イスラエル博物館の写本館には、死海のクムランで発見された世界最古のヘブライ語旧約聖書である死海文書が展示されています。エルサレムの南部にはイエスの生まれた聖誕教会があるパレスチナ自治区のベツレヘムなど多数の観光地が旧市街や新市街にあります。

 1948年の独立戦争ではイスラエルとヨルダンの戦場となり、旧市街を含む東エルサレムはヨルダン領となりました。旧市街のユダヤ人地区に住んでいたユダヤ人達は追い出され、19年間嘆きの壁に祈りに行くことも禁止されていました。1967年の第三次中東戦争で東エルサレムを含む西岸地区をイスラエルが占領しましたが、合併後にもエルサレムはイスラエルの首都とは国連から認められず、現在でも国連にとってのイスラエルの首都はテルアビブということになっています。近年アメリカが大使館をエルサレムへ移転し、グアテマラも移転しました。

 人種、宗教、政治や歴史の坩堝となっているエルサレムには最低でも三日間滞在されることをお勧めいたします。ユダヤ教の新年祭で祝福する格言として「来年はエルサレムで」とあるように、数多くの方がエルサレムを訪れることを願っています。

*ビアドロローサのフォトアルバムはこちら:

嘆きの壁
聖墳墓教会
ダマスコ門
マリア訪問教会

◎旧市街でのお土産の買い物に関して:

 バザールになっているイスラム教地区での買い物を楽しむ人も多いと思います、ただイスラム教地区では値段は付いていません、言い値に買い値となっており、言われた値段の3分の1くらいが本当の値段とも言われています。一つ買うのに30分くらいかかると思ってください。キリスト教地区、アルメニア人地区、ユダヤ人地区では値段が付いています。少しは安くしてくれるかも知れませんが、値引きはほぼしてくれません。買い物に夢中になってスリの被害に遭わないように気を付けてください。