イスラエルの花


イスラエルの花の種類は世界一でその数はなんと2,600種類と言われており、その中の264品種は法律で保護された植物になっています。これは小さい国ながらも地形の変化が豊富にあり、主な気候性が3種類あることが影響していると思われます。
●地中海性気候:イスラエル中央部と北部。年間雨量は450mm~1,000mm。1,600種類の植物が育つ地域。
●荒野性気候:地中海性気候と砂漠性気候の中間。年間雨量によって決まるために明確な境目は無い。年間雨量は200mm~250mm。
●砂漠性気候:イスラエル南部や東部。年間雨量は200mm以下で育つ植物は少ない。
最初に咲くのは上の写真のようなアーモンドの花、これが普通では1月末から2月にかけての寒い時に花開きます。その次にはシクラメン、そして3~4月にほとんどの花が開花します。
●赤色:イスラエルの国花となっているアネモネ、チューリップ、ケシ、ラナンキュラスやアドニスなど。
●青色;ベロニカ、ヒヤシンス、ルリハコベ、ルピナス、アルカネット、エキウム、イリス、チコリー、スターチスなど。
●白色:オーニソガルム、ハコベ、ヒルステ・ニンニク、ヤブジラミ、ミグノネット、イラクサ、シラタマソウ、カイソウなど。
●黄色:カラシダネ、ハナノボロギク、マリーゴールド、フタマタタンポポ、シロガラシ、コヘンルーダ、ニゲラ、クスダマツメクサなど。
5月末ごろから暑くなってくるとピンク色のタチアオイや青紫色のジャカランタが開花し、もう夏がくるなというのが感じられます。そしてほとんどの花が枯れてしまい、夏は枯草で茶色や黄色が覆っている景色と変わっていきます。
例年ではこのように順番に花咲くのですが、イスラエルでも暖冬の影響で1月が寒くならないためにアーモンドが開花せず、2月にグッと冷え込んだと思うと突然温かくなったりします。その結果1月から4月までの花が全て2月に開花するという現象が起きてしまい、4月にはもう全て枯れているということもあります。
もし花の咲く景色を見たいということでしたら、3月くらいに旅行される方が最適かも知れません。また春と夏とでは全く景色や気温が変わるので、その違いを見てみるのも楽しいと思います。日本のように四季は分かれておらず、主に二季節(夏の乾季と冬の雨季)に分かれており、冬の雨が降った後に温かくなる短い春が一番緑も多く色とりどりの景色が見られます。
一度日本の植物学者の方をガイドしたことがありますが、学者でも和名が分からないという植物が沢山ありました。今では携帯のカメラに花を映すと自動判別してくれるアプリもあります。
*イスラエルの花のフォトアルバムはこちら:
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*イスラエルのランの花